2021/12/26 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にマグゴブリンさんが現れました。
■マグゴブリン > 吹き荒ぶ風に明確な寒さを感じる初冬。
王都北部の森林地帯では生き物達が、これから訪れる本格的な冬に備え始める。
秋の実りの残滓を掻き集め、獣達は皮膚の下に脂肪を蓄えて肥えて、
近隣村落の狩人や王都の一般市民も、動物達を狩ったり、
茸などや冬籠り用の薪となる木々を採取するのに勤しんでいる。
「――――……、」
そして、森の恵みを得ようとするのは人間の専売特許ではない。
森の奥に住まう小鬼の集団、ゴブリン達にとっても同様である。
唯一、人々と彼らの異なる部分を挙げるとするならば、
その獲物の対象に、自身の仔を孕ませるための雌という存在が含まれるか否かで。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からマグゴブリンさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」に纏糸の蜘蛛さんが現れました。
■纏糸の蜘蛛 > 通称まれびとの道と呼ばれる王国から続く街道から逸れれば自然豊かな草原、そこから先は鬱蒼と緑茂る豊かな森が広がっている。
獣や鳥の息遣い、風に靡く枝葉の擦れ合う音。
陽の光が射して緑の葉の合間から地面に注げば肺腑を満たす豊かな自然を感じ取る事もできる。
本来はそういう森の筈。
しかし今、その森の様相は一転していた。
獣や鳥を息を潜め、或いは姿を消して。
風は厭な湿りを帯びた不浄を運び、枝葉が擦れ合う音は何かが蠢く不気味な影を見出させ。
陽の光は緑の木々の間に奥地に向かうにつれて増えていく粘性を帯びた白糸が繋ぎ合わせて塞ぐ事で地上にまで降り注ぐことはなく、森全体が陰湿で昏い真逆の顔を見せていて。
その原因は最近になって違う森からやってきた元々この森には棲息していなかった外来種の魔物が原因だ。
森の半ばを過ぎた頃には絹糸で編まれ結ばれ繋がれた木々から吊り下げられたこの森に元々生息していた獣等を生かさず殺さず神経毒で無害化してから糸で隈なく巻きつけ作り出す繭、保存食の数々。
まだ息があるものの巣に貼り付けられ逃げ出そうにも逃げ出せず、遠くない未来に他の繭と同じ末路を辿る事となる者。
そして、繭にされた生物の付近には異形の仔蜘蛛や子蜘蛛が元収まっていたであろう卵も散見されて。
森を自分の縄張り、巣へと作り替えていく害蟲。今やそれらはたちまち勢力を伸ばし、出過ぎた杭は打たれ、人の営みにまで影響を及ぼしかねないとなれば駆除の対象でしかなく森に住まう命だけでなく王都からも討伐指定が下されて。
しかしながら魔物にそのような事情は知る由はなく、ただ本能に従い巣を張り、仔を増やしていくばかり。
蜘蛛型の魔物の群れの長たる最も大きな蜘蛛は奥地にて愛しき子蜘蛛を産ませる苗床、異種の雌の都合等知る由もないが森に退治しに訪れたかそれとも森の異変を調査に来たか偶々迷い込んだか、絶望に彩られ悲鳴をあげる雌を無機質な複眼に映しながら胎に己が卵を産み付けて。
気絶した後は逃げないよう糸で確り捕縛し巣に括り付け、壊れるまで産ませる為飼い殺しに。
鋭利な脚先で地面を穿ちながら苗床を一つ作り終えれば、がさり、と物音が聞こえた事でそちらへ振り返り。
愚かにも巣に引っかかった誰かを報せに来た仔蜘蛛か、それとも奥地までたどり着いた何者か。物音がした方向を自身の頭部に飾った人の上半身を揺さぶりながら複眼を凝らし正体を見定めて。
■纏糸の蜘蛛 > そこにいたのは愛しき我が仔か、獲物か、復讐者か、狩人か。
誰であれ化蜘蛛の魔物はそちらへ歩を進め。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」から纏糸の蜘蛛さんが去りました。