2021/11/30 のログ
ミュー > 穏やかな昼下がり。木漏れ日が揺れる河原のそば、木々の間にぼんやりと青白く光る揺らめきが広がって。宙に浮くその渦のような光の中から、そっと姿を見せる大きな帽子。
帽子の陰に隠れるように辺りを伺う、赤毛を揺らす少女の顔は、周囲の水音や風に擦れる木の葉の音を聞いているかのように、静かに目を伏せたまま。

「……大丈夫そう、かな?」

ぽつり呟くと、するりと光の渦から抜け出て地面に降り立つ。背後ですっと小さくなり消えていく光の渦を、わずかに肩を向けて背中に感じながら。
暫し、殆ど動かず何かを待っているように立ち尽くし。自らの小さな吐息と、周りから聞こえてくる音が自然のものだけであるような、そんな様子を確かめていて。

ミュー > 「うん。それじゃ……素材調達、開始ですね」

薄茶色の肩掛け鞄を、腰の横から体の前へ。手探りで鞄の中をごそごそ探ると、色違いの小さな布地を3枚、中から引き抜くように手元へ取り出し。
ふわりと地面へかがみ込むと、両手のひらに大事そうに乗せた布地達へと何か話しかけるかのように囁く。
すると――ぴくりと跳ねた布地達が、くるくると宙に舞い。ぽん、ぽんぽん……と、ウサギの姿が現れた。3匹それぞれ、ウサギが着るには妙にお洒落な、元の布地の色に染まった上着を纏い。まるで小さな人のように二足できりっと地に立って、主の言動を待っている。

「ウサギちゃんたち、お願いね。集めて来てほしいのは……前に話した通りだから」

その言葉に、ぱぱっと散っていくウサギ達。

ミュー > 「ふふ……賢い子達で、ほんとうに助かってる」

ゆっくり立ち上がると、また暫しの間は何かを待つような――正確には、周囲の音を伺っているのであったが、じっとしている間があって。
くるり、背後へ向き直ると。そっと伸ばした指先が、数歩離れた木の幹に触れるまで、ふわふわと揺れるような足取りで歩を進め。明らかにそれは何の変哲もない只の木であるものを、手触りや形を確かめるように撫でている。

木。それが只の木であることをあえて確認する作業を踏んだあと。鞄から、先程のものより大きく厚手の布を取り出せば、それを広げて幹の元、平らな位置へと被せ。また指先で地面を確かめるようにしながら、ゆっくりとそこへ腰を下ろす。
ひと心地つけば、後はそのまま、今度は本当に待ち時間、とばかりに体を木の幹へ預けて。

ミュー > じっとしていると、そのまま寝そうになる。土地柄、危機感がないのは宜しくないのであったが、その上であえてぼんやりしていて平気な何かがあるのか。それとも、本当にただただ危機感がないだけなのか。うとうとしそうになって、はた、と気づいて身を震わせて。
指先を唇に添えながら、こんな時はどうするべきだったのだろう、なんて事を、ぶかぶかの帽子の下で考えている。

「……。おなかが……空きました?」

ぽつりと発したその言葉は、かくんと傾げる首に相まって、誰かに尋ねるような疑問の言葉になっていた。
別段、お腹が鳴るわけでもないし、撫でたりするわけでもなく。それでも、再び鞄をごそごそ探れば、用意してきたらしい草編みの四角い籠を取り出して。

「そう、これでした。今日は……こういうのをやってみようと思っていたんでしたね」

草素材同士の軋むような音を小さく鳴らしつつ、籠を開ければ。薄く切ったパンに挟んだ野菜やお肉。それをひとつまみ取り出して、はむ、と小さな口へと運ぶ。
ちゃんと美味しく出来ていたのか、ほんのり笑みを浮かべながら。

ミュー > 「美味しいのは、良いことです。お腹が空く、と言う感覚は……やっぱり、殆ど思い出せないですけどね」

食べるに事欠かない富豪のようなことを呟くも、彼女の場合は事情が違う。代謝の無い状態――もとい、お腹が空くと言うことが文字通り、無いのである。では、食べたものがどこへ行くのか……それは彼女自身よく解っていない。
かつて、もっとずっと小さな子供であった頃、よくお腹が空いたと誰かにねだっていたような、そんな記憶を心の中で思い出そうとはするものの、それは感覚として蘇ろう筈のものでもなく。

少食と言うべきか、用意したそれを食べると言う行為に意味があるだけなのか。ひとつまみ分を食べ終えれば、籠を丁寧に閉じて鞄へ戻し。
そうこうしている間に、ぱたぱたと聞き馴染んだ小さな足音が、跳ねるように近づいてくる。

「あら、おかえりなさい。うまく集まりましたか……?」

示し合わせたように同時に戻ってきたウサギたちを、にこやかに出迎えて。
それぞれに、上着のポケットに詰め込まれたものや、そのまま口に咥えて持ってきた細々を、自慢気に並べていくウサギたち。置かれた品々をひとつひとつ手に取り丁寧に確認し、鞄に仕舞って行った後。

「うん、みんな今日も、ありがとう」

感謝の言葉を受ければ、ウサギ達は順番に、ぴょんと鞄へ向かって飛び跳ねる。中へ飛び込む間に、くるんと元の布地に戻って行って。

ミュー > 「さ、帰りましょう。……もう少しぼんやりしていたい気もするけれど。絶対安全、とは言い難いですし、ね」

ゆったりと、床に敷いた布を片付けながら、立ち上がり。鞄を掌でぽんぽんと、軽く叩くようにしながら、忘れものは無いはずと暫し考えて。

両腕をすっと正面へ伸ばすと、左右の指先を別々に、複雑な形に細かく揺らしながら。小さく何かに話しかけるように囁けば、ぱち、と一瞬火花が弾けるように光り。青白い、光の渦が目前に湧き始めて。
この場に現れた時とは逆、今度はおそらく勝手知ったる場所へと出るのであろう。ぽんと地面を蹴って、落ちそうになる帽子をきゅっと抑えながら、渦の中へと潜り込む。

やがてその姿を光の奥へ隠した後、青い光の渦も、すっとその場から消えていき。後には変わりない、穏やかな河原が残るだけ。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯・河原」からミューさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯 森の奥」にクレイグさんが現れました。
クレイグ > 【待ち合わせ待機中】
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯 森の奥」にルエラさんが現れました。
クレイグ > 野営した場所から1時間ほどか、目的地の少し前。
何かの違和感を感じた。

「ちとまった、んー…鳥の声がしないな」

そう言って、辺りを見渡す。
視界に入るのは何本もの樹木なのだが、その中で一本おかしな感じの樹がある。
他の樹々の生え方、上から照らす太陽の光の感じ、その中でその一本がそこに生えているのがおかしいと感じられた。
小声でルエラに声を掛ける。

「多分だがレッサークラスのトレントだと思う、あれのせいで動物や鳥がいないみたいだ。
ちょっといってくるんで荷物を頼む」

そういうと背中に背負っていた斧盾を構え、小枝を払っていた鉈を片手に、指さした一本の樹に警戒しながら近づいていく、

少しすると金属に何かがぶつかる音や、樹に何かを叩きつけるような音がしばらく響く。
ちらりと見える限り、面倒そうではあるし、細かい何かを飛ばす攻撃をさばいているが、討伐は問題なさそうではある様子。
少しすれば戻ってくるだろうと思えた。

ルエラ > 「そう言えばしないね。何か住み着いたのかも」

クレイグの言葉に足を止めて周囲を窺う。
樹木の間に生える茂みの中に妖魔や肉食獣が潜んでいないかと目を向け。
そう言った様子がなさそうな事に肩の力を抜けば小声で声を掛けられると意識を向け。

「妖魔や狼じゃなくてトレントが住み着いた感じなんだ。
荷物は見ておきますね。私の武器だと不向きすぎますし」

その言葉に小さく頷くと念のためと少しだけ下がり、斧盾を構え鉈を持ち指された樹に向かっていく後姿を見て、他にも居るかもと視線をまた巡らせ。

少しすれば聞こえる金属音や打撃音が響き、遠目に見える範囲では問題なく倒せそうに思え。
流石はベテランとその様子に安堵の息を吐き、槍の石突で地面を軽く叩き、戻ってくるのを警戒しながら待つことにして。

クレイグ > 戦闘に掛かった時間自体はそれほど長くはなく、少しすると戻ってくる。
大きな傷は見当たらないが、鎧などに真新しい打撃痕などが数か所に、頬に少し擦り傷。
折れたりはしていなさそうだが打撲程度はしているかもしれない。

「とりあえず、あそこにいたのは仕留めたんで、他何かいないか警戒しながらいくか。
あ、一応レッサーだけどトレントだから杖とか槍の持ち手には使えるけど、どうする?」

知っているかもと前置きしてトレントの木材は魔力の通りがいいらしい、との簡単な説明。
らしいというのは自分では判らないので聞いた知識だかららしい。

「あと、採取とか終わった後で少し湿布とか張って貰っても?
背中も何か所か打たれ単で、流石にそっちは届きそうにないんだ」

振り返れば、確かに肩甲骨あたりに打撃痕が見える。

ルエラ > 「おかえり、どうだった?」

少しして戻ってきたクレイグを上から下と見ては怪我の有無を確かめ声をかけ。
パッと見た感じ鎧に打撃の跡が数か所に頬の擦り傷以外が目立ったものはなく。
大怪我はしていないと安堵の息を吐いて。

「一本生えてるともう一本ぐらいいるかもしれないしそれがいいかも。
この槍が駄目になった時ように採取しておこうかな。
後は持って帰れば追加報酬にならない?」

今の槍は本当に何処にでも売っているような量産品。
攻撃に使うような魔術は得意ではないがそれでも説明を聞くと欲しいと思ってしまい。
自分が欲しいと思う物以外は持てるだけ持って追加報酬にしようと提案をして。

「大丈夫だよ。治療をするのは当たり前だし。
流石に採取地では無防備になるし野営地に戻ってからの方がいいよね」

見せられた背中、肩甲骨当たりの跡を見れば勿論と頷き。
今戦闘を行ってくれたクレイグの代わりにと今度は自分が先に歩き、警戒をしながら採取地への残りの道を進もうとする。

クレイグ > 「使わない部位は売ればいいしな、それじゃある程度持ち帰るか。
動かなければ、あの手の相手はこれで断ち切れるからな」

そう言って斧盾を見せる、振り回す幅はなくとも、動かないトレント相手なら上から振り下ろせば済む話。
また斧としての側面を持つので、木材…死んだトレント…にはある種の特効もある。

「んじゃ、後で頼む…根っこをよけきるのは厳しいんだよな、あいつら」

前に出るルエラをみて、その少し後を警戒しながら歩む。
ただ、先ほど戦闘している間に何も来ていないなら、近くには襲ってくる相手はいないのか、板とすれば頭が回る奴か、等と考えつつ。
警戒レベルは高めにしたまま、神経を研ぎ澄ます。

採取予定の場所はもうすぐなのだ。

ルエラ > 「後確か……トレントって種類によるんだけど良いお香にもなったような…。
持ち帰れば欲しい人は買うし、ギルドでも買い取ってくれるしね。
私の武器だとトレントには勝てそうに無いからクレイグさんがいてよかった」

見せられた斧盾を見て、植物系、木材なトレントにはうってつけの得物。
自分の使う槍ならば倒しきる前にこちらが押し負けてしまうと。

「任せてください。それでもその程度で済んでるので凄くないです?
私だと動けなくなってるよ」

鎧のあるなしもあるが自分ではまず動けなくなっていると困った笑み。
そして警戒をしながら先を歩き、何も居なければいいがもしいるならトレントよりも厄介な相手、敬拝はするに越したことはなく。

「……そこ!」

警戒をしながら歩いて行けば後少しで採取場所。
その時に近くの茂みに何かを感じて槍を突き刺すと微かな手ごたえを感じはしたが倒したような感触はなく。

「採取したら早く戻った方がいいかもしれないかも」

突いた槍を戻して穂先を見てはそんな事を口にして。

クレイグ > 「香なんかは、獣除けのしか知らないからな、持ち帰って鑑定してもらうか。
何だかんだで、トレントは素材として優秀だしな。
無機物系は槍だと確かにな、トレントとかはコアがあるわけでもないし」

任せておけと軽く請け負って、トレントを分解し、ベルトからワイヤーを引き出して纏めていく。

「きちんと防具で受けてたからな、防具ない場所じゃ流石にやばいな。
打たれ強さなんかは、生来の部分と慣れもあるしな」

苦笑しつつ、警戒は切らさずに。
ルエラが何かを突いたのをみて。

「そうだな、すぐそこが予定地だし、警戒はこっちで強めるから、採取頼む。
その分採取は手伝えそうにないが、任せて構わないか?」

茂みに何かがいた後で少しだけ血が落ちているのを確認して、腰からメイスを右手に、斧盾を左手に構えなおす。

ルエラ > 「私も結構前に雇われたパーティーの人が言ってたのを思い出しただけだからどのトレントかまでは覚えてないから。
鑑定してもらって良さそうなら貰ってもいいんだし。
そうそう、本当に使いみちが多いから倒せると得ですよね。
生き物にはそれなりなんですけど…」

苦手な魔物だと困った笑みを見せ。
トレントを分解して纏められればそれを受け取りバックパックの横に固定をして。

「私は重い防具は付けないですからね。
滅多に戦闘には参加しないので撃たれ弱いんですよ、私」

ポーターなのでそっちは最低限しかしませんと、おそらく最初に合った時に付けた事を口にし。
倒したつもりが逃がした事に思っているよりも自分が鈍っていて驚くしかなく。

「私だと倒しきれないかもしれないですしね。
警戒は頼みますね、私が出来るだけ早く採取しちゃいます」

クレイグに頷いて見せ、メイスと斧盾を構える姿を見て。
警戒のまま進み目的地につけば周囲を警戒し近寄り、後の警戒をお願いするように視線を向けると身を屈めて手早く、それでも丁寧に採取を開始する。

クレイグ > 「そうだな、最低でも杖や武器の木材部分で使えるし。
間合いも取りやすいし、一点を狙いやすいからな。
純粋に破壊力がいるときはきついよな」

苦手だという話に軽く頷き。

「ポーターとしてはそれが普通だしな、重い鎧でもてる量減らすのは本末転倒だし。
んで、雇った側はポーターを守るのは当然だしな、役割が違うんだから」

戦闘力を求めるなら、それこそ戦士や魔術師と組めばいいわけで。


「了解した、近くにいるからある程度大きく動き時は一声頼む」

採取の邪魔にならない程度の距離で茂みのある方向や、枝が張り出している場所などを重点的に気にしている様子。

ルエラ > 「魔術を使う戦士とか魔術師にはうってつけの素材だし。
その代わりにこういう場所やトレントみたいなのには向かないんだけどね」

それでも他の武器を持たない、使わないのは槍を使い慣れているからこそ。

「時々、ポーターに戦闘を求める依頼人もいたりしますからね。
役割じゃないって言うと煩いですし……、荷物持ちなんですよ」

それを思うとクレイグはきっちりとしていると依頼人としては本当にいい相手。
今も安心をして採取を出来るようにしてくれているからこそ手を止めずに採取でき。

「ちょっとずつ進んで採取しますから。そうしないと近場で刈り尽くすと生えて来ませんから」

一度振り返って告げれば少しずつ採取地の奥に進みながら必要量を採取をしていく。
採取をしては収穫袋にといれ、それを繰り返していけばやがて必要量が収まってきた袋は大きく膨れていき。

クレイグ > 「魔力の流れは良いらしいからな、全く分からないが。
ま、戦士じゃないからな武器は一個で十分だろう、ルエラの場合」

そもそも使えない武器を持つのは荷物を増やしているだけなわけだし。

「冒険者って時点で勘違いしてるんだろうな、ポーターだけじゃなくて他にも戦闘向いてない役割はあるし。
大丈夫、少なくとも俺は判ってるからな」

苦笑しながらそう言って、顔はほとんど動かさずに視線だけを動かして警戒。

「そうだな、後の事考えるとそれでいいと思うぞ」

少しずつ移動していくルエラとある程度の距離を保って後を追う。
大きくなってきた服をを見て。

「そろそろ充分そうなら、戻るか?」

と、声を掛ける。

ルエラ > 「私も使うのは野営で見せた感じのばかりだから使う機会は今までなかったですし。
ポーターが色々と持ち歩くのも変ですよね」

武器はあくまで自衛用なので複数も必要ない。
それでも輝荷物が減っては意味が、鎧も纏っていない意味をなくしてしまうと。

「戦闘が出来て荷物を運べる人が欲しいなら魔獣使いでもいいんですよね。
判ってくれてるから今回も雇われたんですよ」

苦笑をするクレイグを振り返り、感謝しますと軽く頭を下げ。

「また来ることになると思うし出来るだけ手間はかからないように…。
後少しで終わりそうですよ」

出来るだけ根には傷をつけないようにして採取を繰り返し。
距離を保ちついてくる気配がある限り安全に採取できる確証があるのは手の動きを早くして。

「聞いてた量は取れたし戻りますか。
妙なのが寄ってくる前にそうしましょう」

掛けられた声に量は十分と思えば身を起こして背を伸ばし。
若干無防備な姿を見せながら振り返ればそうしましょうと頷いて。

クレイグ > 「今回のトレントの素材で良いのができると良いな。
ポーターだと持ってても得意な武器一個とナイフとかくらいじゃないか、ナイフは武器として持ってるかは別として」

実際、料理などで細かい事でナイフは重宝するしな、と軽く言って。

「そうだな、魔獣なら種類によって運搬も戦闘もできるからな、餌代が馬鹿にならないが。
そりゃそうだな、確かに」

感謝には掌を軽く振って応えて。

「この手の依頼って結構残ってるし、同じ依頼が多分又出るしな」

横目で採取の仕方を見て、丁寧だなと感心して。
自分だとあそこまではできないなと、何かを納得。

「おう、それじゃ…またこっちが先行するから、何か気づいたら言ってくれ。
それだけ荷物多いと、流石に動き辛いだろ」

背を伸ばすしぐさに、若くても腰屈めてるとそうなるんだなと、からかいながら。

ルエラ > 「この槍より短いのを一本作ってみるのもいいかもって思ってるんですよ。
大ぶりなナイフならならなくはないですね」

自分は槍のほかに大小数種のナイフを持ってはいるがどれも料理や解体用。
戦闘に使うつもりはなく。

「その辺りは経費になるだと思いますよ?
この国はポーターの仕事というか…この仕事をやってる人自体が少ないのは判ってない人が多いんで困るんですよ」

それを考えるとクレイグはお得意の一人と言って問題はなく。

「ですから受ける時はまた雇われますから」

その時は御贔屓にと言いながらもギルドに文句を付けられないように丁寧な採取。
それぐらいはお手のものと手を動かして。

「採取袋にトレントですしちょっと大変かな。
すみませんが頼みますね。何かあれば直ぐに」

揶揄われると顔を赤くしてそっぽを向き。
採取袋もバックパックに吊り下げればいつでも行けると笑いかけて。

クレイグ > 「短い槍なら、狭い場所でも結構使えるしな、あとは石突を補強しておくのも良いと思うぞ。
俺は、雑事と戦闘で別のナイフだな、あとは行く場所次第で鉈とか買ったりな、安いのだけど」

クレイグ自身は他にも体の各所に暗器やら、細かい道具なども持っているが。

「ま結局は依頼受ける方だ報酬額次第で受けるか決める感じになるからな、損するなら受けないし。
比較的ソロの人間は討伐メインだしな、多分」

自分は討伐メインで簡単な常時採取などを一緒に受ける感じだが。

「その時は頼む、勝手が判ってる相手はやりやすくて助かる」

実際問題何度か組んだ相手を初めて組んだ相手とではかなり効率に差が出るわけで。

「俺でもその量はきついしな。
戻りは枝葉払ってあるし、焚火用の枯れ枝なんかはいいから、さっさと行くな」

顔を赤くしたのをくっくと喉奥で笑い。
ついてくる足音をききながら、小枝を払ってきた道を繰るときよりは速い速度で歩いてしばし。
昨日野営した場所へたどり着く、日は少し傾いてきた所か、急げば夜までに街へ戻れるかもしれないが、森の中は直ぐ暗くなる。
それを考え余裕を持った行程にしたので、予定通り野営地で一泊する。

ルエラ > 「あ、それはいいかも。作る槍は石突は頑丈にしておきますね。
本業はそんな感じなんですね、なるほど」

その話を聞くと鉈程度は持っておくべきかと考え。
戻れば翌日にでも準備をしておこうと決めて。

「私は行先と報酬の量ですね。安くても近ければ受けますし、高くても遠いと断ったりもしますから。
単独は受けて配達か採取ぐらい……かな」

あくまでポーターという立場を貫きたく、請けいる依頼は結構考えていて。
どうしても単独で受ける必要がある場合もその考えは変わらず。

「私も信用出来る依頼人なら気が楽ですから」

好き嫌いや何を求めている依頼人は気が楽。
妙な新人に雇われるのを思えば多少難題でも受けようと思えるわけで。

「クレイグさんなら余裕でしょ?
こう思うと来るときに準備をしておいてよかったって思いますよ」

笑う姿を睨むようにして先に行くように促し。
先を歩くクレイグの後ろを遅れないようにと追いかける。
そして昨夜の野営地につけば荷物を下ろして野営の準備。
無理に強行軍をする必要もなく、今夜も一泊するための準備をはじめて。

クレイグ > 「これのポールなんかもそうなんだが、頑丈にしておくと一寸した時に相手の無力化に使えたりするからな。
ま、俺はそんな感じだな…望遠者始めてから手札を増やした感じだ」

魔法っていう手札がない分な、と肩を竦める。

「遠いのは敬遠しがちだな俺も、少しで良いから儲けが出る近場の依頼が多めか。
ポーター的にはそうなるよな、基本戦闘系がいて荷物が多い時がメインなわけだし」

その立ち位置を貫く姿勢には感心しつつ。

「そんじゃ、信用ぬ応えないとな」

と苦笑し。

「持つのはまだしも、それで戦闘しろとか言われたら多分難しいぞ、トレントの素材とかはそこらに放り投げそうだ。
予定通りに行動できてるからな、奥で少し厄介なのはいたが、対処できる範囲だったし」

昨日と同じように手分けし始め、再び簡単な鳴子を仕掛け、穴を掘っておく。

ルエラ > 「本業に聞くと私だと思い浮かばない使い方も判りますよ。
私は増やしても扱える気がしないですね」

手数は確かにあるが戦闘には今一使えないので数に数えていいか悩み。

「遠くに行くとそっちで新しい拠点を設けちゃいますし、いい仕事があればそっちに移りますからね。
なので当面移動はしないので近くの依頼がありがたいんですよ。
戦闘系がいないのに雇われると本当に困りますね」

別の位置を求めないでと思わずため息を吐き。
苦笑と共の言葉に期待していると笑い。

「言いませって。そのための私なんですから。
荷物は何があっても死守しますから安心していいですよ。
あれが居ないともっと予定通りでしたけどしかたないですよね」

トレントがいたのは想定外と笑うと食指の用意をする間に鳴子と穴が用意され。
食事が出来れば昨夜のように一緒に食べ始めて。

クレイグ > 「戦いで飯食ってるようなもんだしな俺は。
護身できれば、ポーターの場合は十分のはずなんだけどな」

そもそもポーターが戦ってる時点で普通は依頼が失敗しているというか、他のメンバーが倒れているはずで。

「根無し草だからな冒険者ってのは。
それなら、近くにいる間は仕事頼めるな。
そもそもポーターの役割が判って無いんだろうな」

ため息に対し、軽く手を振って慰めのようにしながら。

「ま、そうだな、ルエラはそこら辺しっかりした意識持っててありがたい。
魔物が居るかはここら辺だと運しだいだからな、仕方ないだろう」

昨夜と同じような食事を済ませると。
干したベリーの入った小袋も渡し。

「さて、今日も昨日と同じ順番で良いか?」

と、声を掛ける。

ルエラ > 「私は戦いが不得意なのでそれでは稼げないですから。
代わりに力はありますから荷物の番は任せてくれていいですよ。
普通はそうですよね?」

ポーターが戦う時点で本当にと、少し前の雇い主を思い出して首を振り。

「私は気が向いた時に長距離の依頼を受けて移動してるかな。
当面はこの辺りにいるのでいつもでどうぞ。
その辺りも研修して欲しいですよね」

ちゃんと判っている人は貴重だと感謝を見せて。

「荷物運びが荷物を放ったら本末転倒ですから。
ある意味ついていてついてなかったですね」

追加報酬としては大きいが目的地近くにいたのは面倒だったと肩を落とし。
食事を終えて小袋を受け取るとベリーを口にして。

「今日は先に休ませてもらってもいいですか?」

今日は逆でお願いしますと口にして。

クレイグ > 「得手不得手ばかりは仕方ないしな。
確かに力はかなりあるよな、後持久力か。
普通はな、判って無い相手だとホント辛そうだな」

首を振る仕草に、苦笑しか返せない様子。

「たまに、遠くへ行って戻ってくるのに別依頼受けるパターンもあるけどな。
他にも何個かポーターいてくれたら楽だったって依頼があったからな、今度また頼む。
研修か、いまどうなってるんだかな、俺が受けたのはずいぶん昔だし」

研修受けたのか怪しい人物も多いしな、と困り顔。

「一番の仕事だもんな、荷物は。
そうだな、あれがゴブリンとかだったら完全な不運だった」

素材的に美味しい相手はまだ運がよかったと頷く。

「おう、それじゃ昨日起こされたのと同じくらいに声かけるな」

そう言って、毛布は座っている横に置くと、枯木を手元に引き寄せる。

ルエラ > 「昔はよく山歩きをしてたせいですね。
お陰で同じ年に比べると色々と……。
なので受ける時も大変ですよ」

来たばかりは大変だったと懐かしそうにして。

「私の場合は戻らずにそこを拠点にしてますね。
この国に来たのもそんな感じでですから。それはそれで荷物の押し付け合いがあったりするですよ?
私はポーターなので受けてないんですよね」

荷物を運ぶのがメインなので研修はなく、そのせいもあり単独では受けれる依頼は本当に簡単で。

「何をしても持ち帰れないと意味がないですしね。
ゴブリンなら最悪攫われてますよ」

弱いが数の多いゴブリン、クレイグが倒しきれなければ自分が戦うしかなく。
そうなると数次第では危険だったと。

「それで大丈夫です、ではお先に」

そう言うと毛布にくるまり、バックパックに背を預けて。

クレイグ > 「山歩きか、確かに持久力とかつきそうだな。
…?、なにか違いあるか?
そこは受付とかで聞くとか、他の冒険者に聞くとかかね、依頼者の噂とかでもしれれば少しは事故減りそうだが」

若いのに苦労してるんだなと、思いつつ。

「そうなのか、そいやそんなことを前にも聞いた気がするな。
押し付けあいになると面倒そうだな確かに。
そうすると最近の研修は判らないな、知られてないなら教えてなさそうだが」

たまに出ている初心者講習教官の依頼とか一切受けないからなと、枯木を火にくべながら。

「最終的にはそこだな、討伐照明だけでも、てなるし。
ゴブリンはそこら辺面倒だよな、数十いなけりゃ多分何度かなるんだが」

巣の近くだと阿保程来るしと苦笑。
巡回程度なら問題ないと、保証して。

「ん、あとでな」

バックパックに寄りかかり、ある程度寝たのを確認すると、立ち上がって鳴子の無い方へ歩いていく。

「ったく、静かに戦うのは得意じゃないんだが」

その呟きを残し、少し離れた所で何かが倒れる音。
しばらく後で、ルエラを起こす。

ルエラの視界には、中型サイズの犬位の大きさの兎の魔物、歯が鋭く不意打ちが得意な種類、そんな魔物が野営地の端で血抜きされている様子が見える。

「おきたか、多分採取前にいたのもそいつだと思うぞ」

そして、それを行ったであろう戦士が、少し擦り傷を増やし眠そうにしている様子だった。

ルエラ > 「山で山菜取りとかをよくやってたんですよ。
それはもう……色々と…。
受付は兎も角下手な人に聞くと代価がアレなんですよね…」

最初は苦労したと大きなため息を吐き。

「誰かに押し付けて楽をしようって言うのもいたりするんですよ。
私は複数のは受けないから遭遇してないけど、知り合いがそんなこと言ってたかな。
後は……娼館に行けって言うのもあったりで」

確実に受けていないのがいるというような要望を口にする雇い主までいる。
初心者講習教官の依頼はクレイグみたいなベテランこそ受けて欲しいと思え。

「耳を持って行けばいいのが殆どだけど…素材になるのは置いて行くのが勿体ないですしね。
そんなに居たら流石に逃げるから!」

絶対に巣には近づきたくはないと思い。
巡回だけでもかなり多そうだと…。

そうして眠りにつきしばらく、起こされ目を覚まし目にした血抜きをされている中型サイズの犬位の大きさの兎の魔物を見て驚きのあまりに立ち上がり損ね。

「これ、仕留めたの?気が付かなかったですよ……。
こんなのにあのとき不意を突かれてたら大変でしたよね」

魔物からクレイグに視線を移せば擦り傷が増えてることに気が付き。
眠そうにしているが後退前に治療しておこうと荷物から薬を取り出し傷へと塗っていき。