2021/11/15 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にサシャさんが現れました。
サシャ > 喜びヶ原の自然地帯を、散策するように一人の少女が歩いている。
まるで場違いに見える上品な身なりながら、肩から先は翼であり、足から下は鳥のそれ。
彼女、サシャは明らかに魔族であった。

「はぁ、全く。この国にこっちの言葉が通じる魔物なんているのかしら?」

彼女は、何も目的もなく散歩しているわけではない。
魔族の国の上司からの命令により、王国内にいる土着の魔物達を探し、可能なら協力を取り付けるよう言われているのだ。
とはいえ、相手は魔物である。知能があり言葉が通じるのはゴブリンやオーガ等ぐらい。
しかもこちらが少女だからか、彼らは躊躇なく襲い掛かってくる。

「ほんと、何度皆殺しにしたことか…」

とはいえ魔族と魔物の差により負けるようなことは無いのだが。
サシャはため息をつきながら、次に会う相手はまともに言葉が通じますようにと願っていた。

サシャ > 結局、次に見つけたのも、またゴブリン。
そして、彼らの表情は”ひゃあ!無防備な女だぁ!!”とでも言わんばかりのもの。

「…………」

サシャはとても嫌そうな顔をしながら、蹴散らすために風魔法を放った。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からサシャさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にトーラスさんが現れました。
トーラス > 王都の北部に広がる喜びヶ原との異名を持つ広大な平野。
樹々が折り重なる森林地帯にて野営を行なう冒険者一行が存在した。
ギルドで同じ依頼を受けた彼らは全員がパーティに属している訳でもなく、
共通目的の為に一時的な協力関係にある、レイドと呼ばれる即席チームを組んでいた。

そのため、火熾しを終えて歩哨の順番を決めた後は各自気儘に思い思いの時間を過ごしている。
同じパーティの者達は装備や荷物を融通し合い、道中で気が合った若い男女は木陰にしけ込み、
そうでない者達は自身の天幕で食事を摂ったり、装備の点検をしたり、早めに休んでいる事だろう。
冒険者は個人事業主で、得てして個人主義だ。誰が何をしようが無関係な他人が口を挟む事はない。
そんな仲間と呼べるかも怪しい同業者達を横目に中年冒険者が焚き火の前で革袋の酒を呷っていた。

「ゴブリン討伐、か……。連中、冬籠りの準備をしているのかね」

彼らが受けた依頼は此処最近頻発している近隣の村々を襲い、略奪に至る大規模なゴブリンの群れの討伐。
ビギナーも混じる面子だが、相手がゴブリンという事で野営地には何処か浮付いた雰囲気が漂っていた。
だが、即席チームで連携も取れない状況では全員が無事に帰れるという保証は何処にもなく、
何事も起こらなければ良い、と熟練冒険者にあるまじき臆病とも取れる思考を抱きつつ酒に口を付けた。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からトーラスさんが去りました。