2021/10/09 のログ
■クレイグ > 「はぁ、さて…と」
背負い袋から毛布を取り出して、マントを地面に置いてその上に座り。
腰かけていた朽ち木に背中を預け、斧盾を肩に掛け、その上から毛布を纏う。
「朝一で帰るかね…」
そういいながら、焚火に枯木を足して、目を瞑る。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からクレイグさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にトーラスさんが現れました。
■トーラス > 王都の北部に広がる喜びヶ原との異名を持つ広大な平野。
樹々が折り重なる森林地帯にて野営を行なう冒険者一行が存在した。
ギルドで同じ依頼を受けた彼らは全員がパーティに属している訳でもなく、
共通目的の為に一時的な協力関係にある、レイドと呼ばれる即席チームを組んでいた。
そのため、火熾しを終えて歩哨の順番を決めた後は各自気儘に思い思いの時間を過ごしている。
同じパーティの者達は装備や荷物を融通し合い、道中で気が合った若い男女は木陰にしけ込み、
そうでない者達は自身の天幕で食事を摂ったり、装備の点検をしたり、早めに休んでいる事だろう。
冒険者は個人事業主で、得てして個人主義だ。個人が何をしようが無関係な他人が口を挟む事はない。
そんな仲間と呼べるかも怪しい同業者達を横目に中年冒険者が焚き火の前で革袋の酒を呷っていた。
「オークの討伐、か……。
キング級やジェネラル級の変異種が発生していないと良いんだが」
彼らが受けた依頼は近隣の村々を襲い、略奪や時には娘の誘拐に至るオークの討伐。
経験者が多いチームではあるが、連携も取れない状況では全員が無事に帰れる保証は何処にもなく、
何事も起こらなければ良い、と熟練冒険者にあるまじき臆病とも取れる思考を抱きつつ酒に口を付けた。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にリーゼさんが現れました。
■リーゼ > 深い森の中に、ぽつんと点る灯り。
暗い夜闇の中にあってそれはとても目立つもので。
それだけに森に住まう獣や魔物には警戒されやすい。
だからこそ、不寝番は重要なのだけれど、普段はソロでの活動が多い少女には、
その辺りの警戒心は薄いらしく。
「そーゆー、危ないのが出てきたら、よろしくね。」
夜になって幾分冷えるようになってきた気候
他の面々はそれぞれ寝床を確保するなり、装備の点検をする中で、
焚火の炎で炙った干し肉を咥えた少女には、緊張感はあまり見られない。
これからのことに気を回すベテランらしい男の言葉に、
あっけからんとした返事を返し。
先払いだと、まだ炙っていない干し肉を差し出してみる。
■トーラス > 廻ってきた寝ずの番の相方として、選ばれたのは紅色の髪の少女。
年若い女冒険者が、独白めいた己の言葉にあっけらかんを返答を口にしながら、
干し肉を差し出してくる何処か緊張感のない状況に肩を竦めて見せる。
「確か、……アリスリーゼだったな?
ソロ主体だって聞いたが、冒険の経験はそこそこはあるのか?」
レイド立ち上げ時の簡易な名乗り合いの時に耳にした彼女の名前を口の中で転がしながら問い。
干し肉を有り難く頂戴すれば、手近な枝を地面から拾い上げて、枝先に突き刺す。
其の侭、焦がさぬように遠火にて、焚き火に掛けながら、小柄な少女の容貌を眺める。
彼女の体格には似付かわしくない大剣が得物なのだろうが、
女性の中でも特に筋骨隆々でもなく、寧ろ、華奢に見える相手に扱えるのだろうか、と怪訝な目付きを武器に向け。
炙られた干し肉の先端から滲んだ脂が、焚き火に落ちて、バチッと爆ぜる音が響く。
■リーゼ > 「長いからリーゼで良いよ。
んー、そのそこそこがどの程度かにもよるけど……
普通のオークなら問題ないかな。」
干し肉を渡して、膝に肘をついて顎を載せる。
周囲を警戒している様子はほとんど見られないけれど、
それでも一応は物音に耳を澄ましてはいるらしい。
時折、揺れ動く木々の枝葉の方へと視線を投げかけ。
「だから、そーゆー、やっばいのはお願いするね。
出ないのが一番だって言うのは賛成なんだけど。」
今回の依頼は珍しくソロでも参加が可能ということで申し込んだ。
けれど蓋を開けてみれば、ソロで参加している者などまずいない。
そんな物珍しい相手だからこそ、仲良くしておこうと笑みを浮かべ。
「むー……ちゃんと振れるから心配しないで。
それに魔法だって使えるんだからね!」
男の視線が大剣へと向けば、言わんとしていることは察するに余りある。
さすがにここで振り回すなんてことはしないものの、ピンと立てた人差し指を振ると、
焚火の炎がそれに合わせて男が持つ干し肉から逃げるように揺れ動き。
■トーラス > 「リーゼ、か。分かった、俺もトーラスで良い。
まぁ、俺も普通のオークの集団に、少し賢い奴が混じっている程度を期待したいが、……、
連中、襲った村から若い娘を何人も攫って行ってるだろ?」
現状、ギルドに寄せられた依頼の中に変異種の存在は示されていない。
だが、被害状況を見る限り、複数で徒党を組んでおり、統率者の存在が疑われる、
更には、娘達がその場で犯されるのではなく、何人も誘拐されている報告に眉根を寄せ。
「誘拐された娘達は、キングやジェネラルへの捧げ物なんじゃないか、と思ってな。
知っていると思うが、……オークは魔族みたいに、人間や異種族の雌を孕ませる種族だ」
戦利品と持ち帰った、気紛れに土産として連れ去った、そのような状況も考えられなくない為に、
飽く迄も、可能性の一つに過ぎない。否、実際、そう踏んでいるのは少数なのだろう。
考え過ぎか、と眉間の皴を解しながら、己の視線が相手に感知されたのか、
揺られる人差し指に合わせて、干し肉の傍から焚き火の炎が逃げるように揺れ動けば、瞬きを見せ。
「ほぉ、……悪かった悪かった。期待してるぜ、リーゼ。」
炎の動きが相手の仕業である事を察すれば、軽く片手を掲げながら
謝罪の言葉を口にして詫び代わりに傍らの革袋を相手へと放り投げる。
中身は先程迄、己が口を付けていた度数高めの蒸留酒。
呑み慣れぬ者ならば簡単に酔えそうな代物で。
■リーゼ > 「らしいね、女の敵だよっ!」
オークの被害が家畜や食料だけならまだしも、村の女たちが攫われたとなったからこそ、
こうして大規模な討伐隊が組まれることになった理由でもある。
ぷんすこと怒りを露にして、憤慨するものの、魔族みたいにというくだりでは微妙な表情を浮かべ。
「それにしたって、無理やりとか許せないから。
あたしじゃヤバいのには歯が立たないから、そこはおじさんに頑張ってもらうしかないけど。」
憤慨はしていても、自分の実力は弁えている。
魔法を使ってもオーク3体が良いところだろう。
上位種ともなければ、耐久力が段違いになるというのは遭遇したことがなくてもよく聞く話で。
どこまで本気が分からないけれど、詫びの言葉を受け取ると、焚火の炎が元へと戻る。
「まぁ、いいけどね。期待してるのはこっちもだし。
トーラスもソロっぽいから、お互いよろしくね。」
謝罪の品として差し出された革袋に何気なく口をつける。
男が飲んでいたからワインあたりかと思っていたけれど、それよりも度数の強いもので。
「けほッ……うぅー……これ、ちょっときつくない?
うー……あたし、お酒強くないんだけど……」
咽ながら革袋を男に返す。
喉の奥からお腹にかけて、灼けるように熱い液体が流れていくのが良く分かる。
じとぉーっとした視線を男に向けていたものの、それはしばらくの間だけ。
あまり時を置かずして、瞳が眠そうにとろんと垂れてきてしまう。
■トーラス > オークに限定した話ではなく亜人種を始めとした魔物に女が孕ませられるのは珍しい話ではない。
冒険者をしていれば、ゴブリンの巣穴で連中の苗床になった被害者を見掛けるのは儘ある事だし、
そもそも、被害者は何も誘拐された村娘に限らず、無謀にも挑み掛かって返り討ちの冒険者というのも有り得る話。
「最初は無理矢理かも知れないが、案外、悪くないかも知れないぞ?
だが、下手に殖やされても敵わん。もし、リーゼが捕まっても、苗床にはならんでくれよ」
冒険者特有の下ネタを交えながらの忠告を彼女にして見せる。
冗談めかした物言いながら、いざという場合、捕縛されて苗床になりそうな状況ならば覚悟を決めろ、と。
そんな酷薄な意味合いを裏側に潜めながら、硬い儘の干し肉の端っこを齧り、咀嚼して。
「そうだな、……、干し肉の礼くらいは助けてやるよ。
ん? ――――何だ。酒は苦手だったのか?
そりゃ、気付け薬にもするからな、弱い酒じゃ意味がない」
冒険の最中、意識を喪いそうな時や失神した時、倒れそうな時に気合を入れる為の気付け薬。
当然、アルコールで代用しようとしたならば相応に度数が高い必要があり、彼女の抗議の視線に呵々と嗤い。
その視線が暫くして、蕩けたように垂れ始めると、口端を弛めて頬肉を綻ばせ。
「……ところで、なぁ、リーゼ。
万が一、オークに捕まっても、孕ませられない、とっておきの方法があるんだが、知りたくないか?」
返された火にて炙り直した干し肉を口に含み、飲み込みながら、徐ろにそんな問い掛けを酔いが廻り始める少女に問う。
■リーゼ > 「そんな心配されなくても、そうなる前に逃げ出すからだいじょうぶ!」
先程まで、そんな風に元気よく答えてはいたけれども、
温かな焚火に照らされて、頭の位置がゆらゆらと定まらない。
まだ割り振られた不寝番の交代までは時間があるから、起きていないといけない。
それは理解はしているのだけれど、黙っていると瞳が落ちてきてしまう。
「え? えーっと、なに?
孕ませられない……って、どうやって……?」
とにかく喋っていないとほんとに寝てしまいそう。
何の話題なのかもいまいち理解できていないままに、オウム返しに訊き返す。
たしか苗床がどうこうって話をしていたはず。
はらむって、なんだっけ……と、思考がほとんど働いていない。
眠そうな瞳を一生懸命に瞬かせ、男の方を見つめる。
アルコールが回ったせいで、頬はほんのりと赤く染まっており。
■トーラス > 「そいつは頼もしい限りだな。逃げ足の方にも期待してるぜ」
威勢の良い少女の言葉に笑いながら返答を返しながら干し肉を肴に酒を呷る。
酒が強くないと自称する彼女とは異なり、相手の年代の頃から呑み慣れていた身。
度数の強い酒を呑んで、ほろ酔い程度はするものの、量も少なければ大して酔いもせず。
横目で窺う少女の様子から、酒精による酩酊状態に陥っている事を察すれば、ほくそ笑んで。
「あぁ、とっておきの方法だから、リーゼにこっそり試してやるよ。
だが、その前に、そろそろ交代の時間みたいだな。続きは俺の天幕に行こうぜ」
交代時間には多少早い時間ながら、天幕の一つからパーティを組んだ男女の姿が現れる。
彼らに代わる寝ずの番の交代要員であり、交代までの半端な時間、
二人でお楽しみを終えて腹ごなしも兼ねて早めに出てきたのであろう。
此れ迄の時間、特に何もなかった事の報告を終えれば、頬を赤らめる少女の腕を取り、
その腰へと手を這わしながら、焚き火の傍から離れると己の天幕へと相手を連れ込もうとして――――。
■リーゼ > 「こっそり……?
えと……、うん、それはいいけど……」
飲んだのがまだワインであれば、ひと口ふた口でそこまで酔うことはなかったはず。
それが野営でお腹いっぱい食べられなかったところに、
酒精の強いお酒を飲んでしまったものだから、酔いが回るのが早い。
交代だと言われれば、ほっとしたように表情を緩め。
どこへ行くのかもあまり詳しく確認することもなく頷いてしまう。
天幕はないものの、一応は、自分用の寝袋くらいは用意してある。
それを伝えようかと思ったけれど、何かまだ話の続きがあるらしい。
足元が覚束ないけれど、抱かれるように密着した相手に身を任せて
小さな天幕のひとつへと姿を消していき。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からトーラスさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からリーゼさんが去りました。