2021/07/19 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にウーズさんが現れました。
ウーズ > ――まるで祈りを捧げているようにさえ見えた。
手甲の指を組み合わせ、頭を垂れている。
ぼたり、ぼたり――と兜の隙間から黒い汚泥のようなものを滴らせながら。
落ちた黒は透明な泉に溶けて、拡がって消えていく。

此処は自然地帯にある森の中。
旅人や冒険者が街道を外れたり、森に出入りする時によく通る泉だ。
月が雲に隠れていても、澄んだ泉のせいかどこか清浄に見える場所。
丁寧に整備された、その縁にそれは存在していた。

人間の身長を遙かに超える巨大な黒い腐肉か、アメーバの塊のようなもの。
上半身だけが、汚れて朽ちかけているが魔力を帯びた鎧に守られる。
そして、まるで祈るように手を組み、頭を垂れている。兜の奥で双眸が熾火のように揺れた。
祈っているか――あるいは、祈りの形を真似ているのか。
いずれにせよ、撒き散らされる汚濁と、ばらまかれる瘴気のような気配は酷く、とても、この場には不似合いだった。

ウーズ > やがて、ずるり――と死骸を引き摺るような粘ついた音。
それと共に汚濁の気配が消えて―――

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からウーズさんが去りました。