2021/07/02 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯 湖畔」にジギィさんが現れました。
ジギィ > 自然地帯の森の中、いくつかあるひっそりと広がる湖。
霧雨が強くなったような雨は朝から降り続いて、根太が這った森の中には至るところに小さな川が出来ている。
川は小さな濁流となって湖に流れ込んで、その湖からはけぶるように霧が立ち昇り、まるで雲へとまた雨の子たちを還しているようにも見える。

湖畔のすぐそば、大樹の大きな洞に身を潜めているエルフが一人。
膝を抱えて灰色と白にけぶる風景を眺め、ぴしぴしと葉に当たる雨が枝を伝ってぽたりぽたりと地面に落ちるのを時折目で追う。

「はぁ――――…ぁ―――…」

本日何度目かの溜息。
ここ数日森散策をしていて、今日は街に帰ろうと思っていたのに。
今日は止みそうにない雨の中、木の実を探しにって服はびしょ濡れ。
粗方脱いで絞って乾きそうな場所に吊るしていて、今は毛皮のマントの上に下着一つ。寒いわけではないが、心もとなくて何となく体を丸めるように膝を抱え込んでいる。

(…飢え死にも、乾いて困ることもないだろうけど……)

もう数日干し肉と果物とで日々を過ごしている。全く嫌ではないが、今日はちゃんと調理した食べ物を摂るつもりだったのだ。
あの店のチキンサンドに、ミネストローネと…
要するに、お腹がそのお腹になってしまっているので

(せつない。)

木の洞の中、採取した薬草も分類し終わってただ雨の様子を眺めていると、切なさが…

ぐぅー

と音を立てている、ような。

ジギィ > (ぬぬ…)

平たいお腹をひと撫ですると、摘んできた野イチゴに手を伸ばす。
ぷちんとちぎって口に放り込むと、甘酸っぱい芳香と味が喉と鼻腔に通って行く。

「…うん、美味しいよ十分」

暫くしみじみと噛みしめてからわざわざ言葉にしたのは、決して自分を納得させるためではない。
本当に美味しい。ここ数日こればかりという状況で無ければもっと美味しい。

「…ふぬぁー……」

多少収まったお腹を抱え、毛皮の上でゴロンと転がる。
恨めしげに灰色の風景を見るけれども、雲に切れ間さえも見付けられない。

そのうちうとうとと眠くなって、女エルフは逆らわずに瞼を降ろす。
次に瞳を開けるときには、日差しが見付けられることを期待しながら…

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯 湖畔」からジギィさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯 湖畔」に黒須さんが現れました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯 湖畔」から黒須さんが去りました。