2021/05/16 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にレベッカさんが現れました。
■レベッカ > 「あぁ……もう……ついてないですね」
薬草採取の為に足を踏み入れた自然地帯の森林。
薬草自体は順調に集めることが出来たのだが問題は帰り道。
運悪く獣を捕まえる罠を踏んでしまい見事に転倒、しかもその時に剣が手の届くか届かないかの場所に飛んでしまい…。
足を地面に固定するロープが切れない事となって……。
「魔物や獣が来る前に誰か来てくれると助かりますけど…」
来れば良いなという希望を胸に持ちつつ、剣に手が届けと限界まで体を伸ばして抵抗も続けて。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にギュンター・ホーレルヴァッハさんが現れました。
■ギュンター・ホーレルヴァッハ >
そんな少女の耳に、獣とも魔物とも違う足音が近付く。
ずしん、ずしん、と。重量物が大地を踏み締める音。
一歩踏み出す度に、周囲の小鳥や虫が大慌てで逃げていくだろう。
その正体を伺うまでもない。
暫くして少女の前に現れたのは、巨大な鋼鉄製の馬。
恐らく、ゴーレムと呼ばれる部類のモノ。
そしてそれに跨っているのは、鬱蒼とした森林に似付かわしくない豪奢な礼服を少年。
「………こんな森の中で、シスターが一体何をしているのだね?」
馬上から少女を見下ろす少年は、不思議そうに首を傾げながら言葉を投げかける。
ぴょん、と馬から飛び降りると、こんな所で何をしているのかと少女に歩み寄るだろう。
■レベッカ > あと少しで手が届くと地面の上でもがき剣へと手を伸ばし。
指先が柄に触れはするが引き寄せるには引っ掛かりが足りない。
それでももう少し頑張ればと手を伸ばし続け、そんな時に聞こえ感じたのは大きな足音と揺れ。
「……本当についてないようですね…」
それだけの足音と揺れならば良くて魔獣、下手をすればミノタウロスヤオーガなどの妖魔の類。
前者ならば食べられて終わるが後者ならば狂い死ぬまで恐ろしい未来で本当についていないと思いながら覚悟を決める。
しかし現れたのはそのどちらでもなく金属製の馬。
しかも人が跨っているという光景付であり。
「見ての通り罠にかかっていますけど…良ければ助けてもらえませんか?」
現れたのが人であったことにまずは安堵の息を吐き。
悪人か善人かは分らないが助かったことは事実、歩み寄ってくる少年に顔を向けて助けてほしいと告げて。
■ギュンター・ホーレルヴァッハ >
「それはまあ、構わないが。しかしこれは…獣を捕縛する罠か。
こんなものに引っ掛かる様では、神というものも信者に対して手厳しいことだな」
少女が捕らえられている罠に視線を向ければ、クスリと可笑しそうに笑みを零す。
しかし、聖職者の姿をした少女を無碍にするわけでもなく。
少女の言葉に応えれば、掌に魔術で造り出した短剣を握り締めて。
そのまましゃがみ込むと、少女の足を捕えていたロープを、ザクリ、と切断した。
「これで良いかね?何の用で森に立ち入ったかは知らぬが、こんな罠に引っ掛かる様であればむやみやたらに立ち入るべきでは無いと思うが」
服についた土や葉を叩き落としながら立ち上がる。
呆れた様な視線を向けながらも、少女を助け起こそうと手を差し伸べるだろう。
■レベッカ > 「こんな格好をして教会の世話にはなっていますけど信仰心はありませんからね。
そんなシスターを神は助けないだけでは?」
可笑しそうに笑みを見せる少年をじっと見返しての言葉。
聖職者ではありはするが信仰心がないとはっきりと告げ。
短剣を作る魔術を便利だと見つつもロープを切断されると身を起こして座り、足首の状態の確認を始めて。
「助かりました。おかげで魔獣のエサも妖魔の苗床も避けることが出来ますし。
今回は不可抗力ですよ、前はこんな場所に罠はなかったんです」
こんな場所に設置した猟師が悪いと一言こぼし、差し伸べられた手を掴んで立ち上がるとシスター服の汚れを叩いて。
■ギュンター・ホーレルヴァッハ >
「おや、そうかね。ではこれを機会に信仰心に目覚めてはどうかな?
そうすれば、神様とやらが助けてくれるやもしれぬぞ」
不信心な少女の言葉には、クスクスと笑みを深めるばかり。
少年の方も信心深いなどという部類ではない。
それ故に、少女の言葉を咎める事も無く。
「おや、まだ身の幸運に安堵するのは早いやも知れぬぞ。
こんな人気のない場所で、男に助けられるということは幸運を意味しない…やも知れぬしな?」
少女を助け起こせば、転がっていた剣を手に取って眺めつつ。
揶揄う様な言葉と共に、小さく首を傾げてみせるだろう。
もう少し、危機感を持ってはどうか、と言わんばかりに。
■レベッカ > 「欠片もないですよ。
信仰心に下手に目覚めたら、そういう事をさせられるかもしませんし?」
目覚めるかもという少年の言葉に首を振りないと言い切り。
下手に目覚めたなどと教会で言えば次の瞬間には娼婦にされるかのせいまである。
そういうのは御免だというような顔をして。
「そうかもしれないけど。もしそうならロープを切らないで襲ってくると思いますし。
その方が抵抗もされないで楽でしょ?」
剣を拾われてしまった事は痛いが最悪は近くにあるはずの採取籠を拾い逃げることを考え。
揶揄うような言葉に少なくとも襲うのを目当てにはしていないでしょうと返し。
いざとなれば直ぐに走れるように準備をして。
■ギュンター・ホーレルヴァッハ >
「…それはまあ、何も返す言葉を持たぬな。
神聖都市の連中は、神より淫蕩に熱心な者ばかりであることだし」
少女の言葉には小さな苦笑い。
実際、王族である自分に敬虔なシスターを差し出そうとした連中も多い。
それを思い返せば、少女の言葉を否定する事も出来ない。
「…やれやれ、揶揄い甲斐の無い事だ。
とはいえ、抵抗されても問題無い。或いは、その方が良いという嗜好の者もいる。貴様程度なら、恐らく私でも押し倒す事など容易であろうしな。
まあ何にせよ、油断せぬ事だ。それと、もう少し良い剣を使うことだな」
と、小さく肩を竦めた後。
眺めていた剣を、少女に差し出した。
■レベッカ > 「そういう輩はみんな腐れて落ちてしまえば信仰心も沸くかもしれないですよ?」
つい最近も家柄のいいお嬢様がシスターになったと思えば神父の部屋で食い荒らされた悲鳴を聞いたばかり。
そういう事が多いだけに信仰心は持ちたいとは欠片も思っていなく。
「シスターが一人でこんな場所にいるんですよ。その程度で慌てない程度には擦れてますよ。
……そういう悪趣味も多かったですよね、忘れていましたね。
襲われそうになったら逃げますのでご安心を。それはそれでいいんです」
肩を竦めた様子に足には自信があるというように返し。
差し出された剣を受け取れば錆の浮いた場所に軽く指を触れさせ、これでいいと言って鞘に納めて。
■ギュンター・ホーレルヴァッハ >
「であれば、もう暫くあの神聖都市は栄える事だろうな。
未だ神罰も下らぬ様な有様では、神様とやらもいびきをかいて眠っているのだろうさ」
王国が傾いても、神聖都市は未だ栄え、悪逆に満ちている。
あの都市の地下や教会で続く肉欲の宴は、もう少し続くのだろう。
別にそれが悪いとは思わないが、どうにかしてやろうとも思わない。
そういうことは、文字通り神頼み、というところだろうし。
「おやおや。見た目に寄らず、と言うべきかな。私と歳も大差無いだろうに。
其処まで覚悟を決めているのなら、私も別に何も言わぬさ。人助けは性に合わぬからな。
……ふむ、武器強化の魔法か何かか?それとも、おまじないか何かの類かね」
きちんと警戒しているなら良い、と言葉を締め括った後。
剣に触れた少女の仕草を眺めて、再び首を傾げた。
魔術や魔法に対して、浮かべる知的好奇心といった類だろうか。