2021/05/07 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 剣の丘」にメイラ・ダンタリオさんが現れました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 剣の丘」にサシャさんが現れました。
サシャ > 【同時入場してしまったので離脱します!すみません!】
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 剣の丘」からサシャさんが去りました。
メイラ・ダンタリオ > 夜の剣の丘
自然地帯で起伏の見える丘の上で突き刺さる数本の巨大な石の剣
そう思えるような鍔や握り 柄頭の膨らみを思わせるものまで見えるそれ
複数をつなぎ合わせ、粉石や粘土で壁を作ったわけではない まごうことなく巨大な一つの岩から生成されていると
この一帯を調べたもの好きがそう述べている

嘗ては決闘の場所だったのではないか もしくは誓いを立てる神聖な場所
それか環状列石のような、ちょっとした聖地にも似たものではないか
そう呼ばれているものの、真意はわからない ただ多くの剣を携える者達が、あの突き刺さった剣
それを使用したものはどんなものだったのかと思い馳せる、少年のような気持ちを失わせない一種の丘のシンボル。

その丘の上で、焚火を焚きながらメイラは一人夜を過ごしていた
鎧姿ではなく、夏の外着姿 両手仕様の特大盾を手に背もたれにしている石の剣
ひやりと冷たいそれは、メイラを縦に何人並べれば、あの先にまで届くだろうか
そんな気持ちで握り柄を赤い瞳が見上げると、夜の鳥が石剣の頭上を通り過ぎていった。

「翼を持つ者くらいでしょうね あの高さに至れるなど。」

一人そうつぶやいては、眠れぬ夜を過ごす
周りには、少し高い丘の上なのだ 焚火という目印 光を受け止める背の剣も相まって
獣や魔物が、幾つか散っていた。 この場所はこうして、火を焚いて待ち構えると群れられてしまう場所なのだ。

「神聖な場所ではなさそうですわね。」

昼ならばちょっとした見物の場所ながら、夜はこんなにも危険になる
メイラが鍛えがいがあると自身をいじめている感覚になれるくらいには。

メイラ・ダンタリオ > そんな一時が過ぎれば、辺りの赤い匂い 肉の匂い に釣られ、獣が集まりだす
ギザ歯が精巧に並ぶ口元が、笑みではなく、獰猛 それを現すように両手盾を片手に携え、待ち構える
周囲が諦めるか 朝が来るまでか 巨大な石の剣の根元が日の明かりで照らされ、その光を受け止め広がる故に
目印が消えることはない メイラという、魔と混ざり合ったものを嗅ぎ取っているのか その肉はどれほどの力をつけるのだろうかと
周囲の魔物や獣は考えているのかもしれない

恐怖も、憐憫もない ただ目の前の獲物が剣内に近づけば食らいつくだけ
周りと同化するかのように、飛び掛かった四つ足の一頭に片手振りにした盾当てが、 ゴ ギ ャ ッ と音を立てる
並ぶ歯を欠け飛ばすようにして首を明後日へ向けさせ、その衝撃で滑るように向こうへと逝く
後ろから続けざまの一頭へと膝蹴りによる顎の破壊が、歯列が噛み合わさり耐えきれず上下の顎を縫い付けると同時に砕かれ、伏す

           「か か っ て き な さ い っ !」

ギザ歯をギラリと見せつけるように声を張り上げ、ビリビリと響くそれに、力なき獣らが耳を伏せた
逆に力ある獣や魔物は、未だ力漲るその獲物に期待を込め、胃へ陥れんと決意を新たにする。
ダンタリオが、メイラが、この程度で伏せるものかと、一人己を追い詰めるようにしながらも構える防具
丘の上で盾の上下に揃う〘 〙型の取っ手を両手握り
その端を握ることで、間合いの広がった盾を、まるで大剣のように振り上げ互いに声を上げて襲い合った

盾端を握って振るい続けるという、狂人のような戦いの様 巨大な鈍器のようにたたきつけ、鋭利な端が食い込む
なまくら大剣が触れたように千切り飛ばしていく所業で、多勢一対を繰り広げていき。

メイラ・ダンタリオ > やがて、周囲に散らばる獣と魔物
両手の、特大盾一つで歪ませ、千切り、蹴り飛ばした成れの果て
メイラは最後の一頭にまで差し掛かりながら、最後に控えた奴は、運と知恵 どちらかが優れている

後者と思えるほど、体が肥えて体格もいい、角有の四つ足
生き抜いてきた癖に、混ざり者に喧嘩を売るほど、メイラの体が肉として魅力的なのか
互いに未だ決定打が打ち込めていない様子は、地面が何度も蹄と靴跡でずれるように線を描いていることからわかる

「ゼッ……ゼッ……ゼッ……」

滾り 赤 多勢戦を思わせる奮闘 体が興奮し、息遣いが荒い
汗を滴らせ、赤い瞳は濡れるように光りながら渇くことを知らない
四つ足が、蹄で地面を均す 突撃する合図と共に、勢いをつけてくるそれは角という攻防をして、メイラが一撃を加える前に乗り込んでくる
故に、メイラに両手構えの、盾の本来の使い方をさせている

「―――ッのぉっ!!」

衝撃と共に、受け流し
盾で受け止めながら、体と盾をずらし、闘牛士のように何度も角有を向こうへと逃がす
両手特大盾と、獣角の衝撃音 それは鉄の声を響かせながら擦れることで音が尾を引いていく

「決定打に欠けますわ……魔物風情が。」

バリッと歯を噛みしめる獰猛な瞳 貴族令嬢がしていい表情ではない
角有もまた、苛立っていた 何度もこの角と体躯で弾き飛ばしてきたことを自負しながら、それが為せない
盾は歪まず、何度も勢いの方向を変えさせられる。 鼻を鳴らし、蹄を何度も苛立たし気に地面へ立てる。

「苛立ってますわね……わたくしもですわ。」

横殴りに合わせるのが一番やりやすいものの、あの太い首の骨
ずれてくれるかもわからない。
バリッ バリッ と二度また歯軋りが鳴った 今ならこのギザ歯で骨だって噛み砕ける。

メイラ・ダンタリオ > 一対一となったからこそ、お互いだけしか見えていない
お互いだけに夢中 耳は他の獣も拾わない この魔物 魔獣? で最後
息を細く吐き出すと、熱い体は冷えていく 滴る汗に冷気が帯びながら、焚火の明かりだけが互いを片面照らしている

照る角と、特大盾
互いの見張る部分はその一か所ずつだけ。
蹄を再び、地面を均しながら合図を送る角有の四つ足

「一々合図を送るなんて律儀ですこと。」

奇襲云々関係なく、真正面から押しつぶすという意思表示
それに対し、メイラは再び端を持ち、盾振りができる構えに奔る
鼻を鳴らし、用意は整ったとするようならば、メイラもまた、赤い瞳が睨みつける。

「来なさい。」

一言つぶやけば、互いに走りだす。
蹄の重量音 重量級盾を携えた足取りの深さに関わらず、早い脚
互いにぶつかり合う寸前、盾を真正面に突き刺すようにして、メイラは体を上空へ捻り上げる。
鉄の悲鳴が甲高くなりながら、盾を飛ばした相手と、その盾を掴んだまま背面にドカンッと跨ったメイラ。

              「終 わ り で す わ 。」

そう言って、跨ったままの上体反らしからの振り下ろし。
バリンッと歯軋り一つ 脳天一撃 を彷彿とさせるような、盾端の取っ手を両手で落としたそれが
何の抵抗もなく頭蓋を縦に砕いた 突進止まぬままゆえに、首をひねるようにして石剣の表面へぶつけると、強引に停止しては、余計にめり込んだもの
崩れ落ちた体から足を射掛けて抜き取りつつ片手に携え直し。

「ふぅ。」

終わった様子に満足げにしては、空が白むころには帰るだろうか。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 剣の丘」からメイラ・ダンタリオさんが去りました。