2021/04/03 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にエレオノールさんが現れました。
エレオノール > 満月の明かりに照らされた夜の森。
狼に月はよく似合うが、それを差し引いても今夜はとても気分がよかった。

「ふっ……んん、ぅ……」

女が一糸まとわぬ姿を隠そうともせずに大きく伸びをして見せると、明るい色の髪と真っ白な肌が月に照らされキラキラ輝く。
その姿は、そのまま絵画にして『月夜の妖精』とでも題してもいいくらいかもしれない。胸にくっついた、恐ろしく大きな膨らみさえなければだが。

「ここは私の縄張りですもの、うふふっ」

そうつぶやいてクスクス笑うのは、昼間、こんなところまでズカズカ入り込んできた狩人達を追い返してやったからだった。
中には冒険者も混じっていたようだが、なんのことはなかった。魔術を使うまでもなく、狼の姿で襲いかかってやればそれだけで散り散りになって逃げ帰った。
殺しはしなかったので、今頃人里では大事になっているかもしれないが、知ったことではない。
重要なのはこのごくささやかな勝利の余韻と、今夜の月の美しさだけ。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にブレイドさんが現れました。
ブレイド > 月の美しい夜の森。
なんでこんな事になったのやら…。
がさりと藪をかき分けながら周囲を見回す。ランタンの灯りもなんだか心もとない。
依頼の帰り道によった村落で妙な頼まれごとをされてしまったのだ。

なんでも、巨大な狼が出ただの何だの。
冒険者や狩人が騒いでいるとのことで少し話を聞きにでたのがまずかった。
そんなものがこのあたりに住みついていては気が気ではないと
退治はせずとも、せめてソイツのねぐらや縄張りを調べてほしいとのことだった。
だからといって日も落ちるというときに行かせなくてもいいだろうに…。

「頼むから何もでてくれるなよ…」

そう願いつつも、森の中で狼の形跡や縄張りの印などを探していた。

エレオノール > 「……あら?」

ぴょこん、と頭に生えた狼の耳が立つ。風の音でも、鹿の走る音でもない異質な音が聞こえたからだ。鼻よりも耳が先に気づいたのは、風下からそれが近づいているからか。
異質とはいってもそれは森の中においてはそうだというだけで、耳慣れない音ではない。間違いなく人間が、不器用に藪の中を進む音だった。

「また狩人……いえ、冒険者かしら。ちょっとおどかして……」

と、つぶやいたそのとき、ふと気づいた。森の中に狼がいても当たり前だ。ましてちょっと人間を追い払ってやったところ、向こうもわかっているかもしれない。
しかし、そんな危険な森の中に全裸の美女がいたら?間違いなく向こうは大いに驚くだろう。幽霊だと思って怯えるだろうか?それとも、女神でも現れたと思って崇めてくれるだろうか。
子供じみたイタズラ心を胸に、近づいてくる足音の方へ向き直ってみる。無論身体を隠すつもりなど毛頭ない。

ブレイド > 慎重に藪を分けて歩く。
とはいえ、足音そのものは殺さない。
野生の狼であれば、音に驚き退いてくれる可能性もあった。
今回の騒動で被害者はでていないが、相手は狼。戦わないことにこしたことはない。

しばらくすすむと、別方向から音が聞こえる。獣の歩行音とは違う…ヒトの足音?
こんなところに?
逃げ延びた冒険者や狩人の仲間で、逃げ遅れたやつでもいたのだろうか?
それとも、騒ぎを知らない山菜採りにでもでた村民か?
ともあれ、そちらにランタンを向ける。

「……だれ、…だ?」

ランタンの光に照らされたシルエットは白い。
女の曲線が森の闇に浮かび上がる。
おもわず言葉がつまる。なぜ?
裸の、女?なぜこんなところに?思わず目を丸くしてしまった。

エレオノール > 「うふふっ……」

予想通り、というか当然の反応として、向こうは驚いて目を真ん丸くしたままこちらを見ている。
その驚きようにイタズラ心はいくらか満たされたものの、そこからどうするかを考えていなかった。やんわりと帰るように忠告するのが無難かもしれないが、それではつまらない。
ならどうするかというと、特に妙案もないので、

「ようこそ、わたくしの縄張りに。こんな夜更けに、何か御用でもありまして?」

あくまで丁寧に、真摯にお出迎えをすることにした。真意も、正体も、身体も、隠す理由は思い浮かばなかった。
……もちろん、相手が若いオスだから、というのもあるが。

ブレイド > 丸くした瞳に映るのは、美しい女性の裸体。
長い髪に抜群のプロポーション。
何よりも目を引くのはその大きすぎるとも言える胸元の双丘。
いや、そんなことよりもこんな森の中でなぜ裸の女が立っているのか。
しかも、その瞳や振る舞いに動揺や混乱はみられない。むしろ微笑みを浮かべ余裕の表情。

「な、なん…アンタは…一体…」

こちらもかける言葉が見つからない。
とりあえず何者で何をしているのか…なぜ裸なのか…
水浴びをしていたにしてもここまで一糸まとわぬ姿で歩いてくる理由も見当たらない。
むしろ足音を立てていたのだ。身を隠すはずだ。
すると、帰ってきたのは意外な言葉。縄張り…?ようこそ…?まさか…

「このへんで、でかい狼を見たって…聞いたんだが…」

狼の飼い主?
魔物か?
わからないが、ともかく気をつけたほうが良さそうだ。

エレオノール > 「あぁ、やっぱり。うふふ、その狼なら私ですわ」

その少年……いや、青年だろうか。ともかく彼が驚いて混乱した様子は愛らしく、そしてこちらの身体に注がれる視線は心地よい。ついつい本当のことを言ってしまうくらい。
魔法で消していた狼の耳と長い尻尾を出して、わざとらしくアピールまでするのはちょっとしたサービスだ。

「ここは子供達の遊び場でもありますのよ。うっかり怪我でもさせられたら困りますから、野暮な人間には少し驚いてお帰りいただきましたの。すこ~しだけ、ふふっ」

淀みない口調で言い終えると、倒木の上にひょいと腰かける。逃げる気も襲いかかる気もない、リラックスした状態だと暗に伝えるように。

ブレイド > 「は?」

おもわず変な声が出てしまった。
私?狼は自分だと言ったのか?
魔法で体を変化させて、冒険者たちを追っ払ったとか…そういう魔術師か何か…?
などと、驚きを隠せないままに思考を巡らせていたが、彼女が見せたピンと立った耳。
そしてふさりとした尻尾…いや、逆なのか?狼が人の姿をとっている?
そんなバカな。

「子どもたちの…?それって…いや、ともかく、オレは別にあんたらを退治しようってわけじゃ…」

里の子どもたちであれば、べつに冒険者達を追い出す必要はない。
ならば彼女の言う子供達というのは、そのまま、彼女の子供…ということか?
まだ混乱したまま、座り込む女から目をそらす。
座った彼女の足の間、そこが見えてしまいそうだったから。