2021/03/31 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にティアフェルさんが現れました。
ティアフェル >  ――冒険者ギルドで、ここいらに沸いたゴブリンが悪さをしているので片づける、という依頼を受けた。
 いくら雑魚でもヒーラー一人で対処というのはもちろん無茶な話。
 先にスカウトが先行していて、後から斬り込み役の前衛も駆けつけるので巣の前で合流してから叩くように、と指示が下っていて取り敢えずギルドで教えられた場所まで、森の奥へと分け入って辿り着いた、ら―――

『斥候やられてるうゥゥゥゥゥ!?』

 巣の手前でゴブリン数匹に囲まれて斥候と見受けられる冒険者が倒れている光景を目の当たりにして思わず口を押え。胸中で叫んだ。
 声を出したら気づかれてしまうってことくらいはバカでもゴリラでも分かる。ので、代わりに心でショックな科白が大音量で流れた。

『ちょ、まっ……えぇえぇえ!? 斥候さーん!? 斥候さーん! 戦闘不能ですかァァァ!!』

 少し離れた茂みの陰でうつ伏せになって身をひそめ、枝葉の隙間から昏倒している姿を観察するが――生きているのかこと切れているのか……それも分かり辛い。

 しかし、まだ息がある可能性がある――放ってはおけない。
 後から来るという前衛の人……はまだ来ていないか。

「いたりしないかな……。あの人やばいよ焦るぅ~」

 やきもきしながら一応辺りを見回して。気配を探った。

ティアフェル > 『来ねえなあぁぁっ! ひょっとしてばっくれたか?!』

 外に出ない心の声なのでついつい荒くなる。

 残念ながら未だ誰もやってこないまま――そろそろ意を決する時が来た。現時点で生死不明だが、まだ生存している可能性のある斥候を助けに飛び込むか、きっぱり見棄てて自分もばっくれてしまうか。

「んなの、前者しかないっしょ……!」

 ここで逃げてしまったら後味悪い。寝覚めも悪ければ寝つきも悪くなりそうだ。ぎゅ、とスタッフをきつく握り締め、ウェストバッグから手製の身体能力を強化できる強壮剤を取り出すと、ぐいっと一気に呷って瓶を投げ捨てると、

「もう、破れかぶれよー!」

 茂みから飛び出して手近なゴブリンに殴りかかった。
 もうその後は混戦状態でとにかく手当たり次第にスタッフでゴブリンを片っ端から殴り倒していく。

「死ねえぇぇぇー!」

 なんて叫びながらゴブリンの脳天をカチ割る姿はヒーラーというより、バーサーカーかなにかのようだった。

「前衛来ねえぇぇしー!!」

 全員張り倒す前にかなり押され、腕や脇腹、下肢にも傷を負いながら、ばきっと鈍い音を立ててゴブリンの頸椎を潰すも、横手から棍棒で殴打されてずざ、と体勢を崩し転倒してしまい。

「――っ…!」

 その隙に二匹に組みつかれてしまい、絶対絶命、という熟語が頭を過った――

ティアフェル >  今度こそ駄目か、と絶望しかけたが――待てど暮らせど来ないと思っていた前衛――、そんなぎりぎりの場面でようやく大遅刻状態でやってきて、

「遅いよおぉぉー!」

 滅茶苦茶文句を云いながらもまとわりついていたゴブリン達を蹴散らしてもらい、気絶していただけの斥候を救助し事なきを得たのだった。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からティアフェルさんが去りました。