2021/03/14 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にトーラスさんが現れました。
■トーラス > 王都の北部に広がる喜びヶ原との異名を持つ広大な平野。
樹々が折り重なる森林地帯にて野営を行なう冒険者一行が存在した。
ギルドで同じ依頼を受けた彼らは特に全員がパーティを組んでいる訳でもなく、
今も、火熾しを終えて歩哨の順番を決めた後は気儘に思い思いの時間を過ごしている。
道中で気が合った若い男女は木陰にしけ込み、そうでない者達は自身の天幕で、
食事を摂ったり、装備の点検をしたり、早めに休んでいる事だろう。
冒険者は個人事業主で、得てして個人主義だ。個人が何をしようが無関係な他人が口を挟む事はない。
そんな仲間と呼べるかも怪しい同業者達を横目に中年冒険者が焚き火の前で革袋の酒を呷っていた。
「地龍の調査、か……。
討伐でないとは言っても、冬眠明けで活発になっていると厄介だな。」
彼らが受けた依頼は春先になり、街道まで姿を現わし始めた地龍の調査である。
龍の名前を冠しているが、翼を持つドラゴンではなく、その正体は巨大な大蚯蚓だ。
尤も、岩を咀嚼する牙を持ち、鉱物まで溶かす消化液を吐き散らかす、危険な蚯蚓ではあるが。
そんな相手と不意にエンカウントでもした際に、連携も取れない状況で全員が無事の保証は微塵もなく、
何事も起こらなければ良い、と冒険者にあるまじき枯れた思考を抱きつつ酒に口を付けて。
■トーラス > 一抹の不安を抱えながら、酒を呷り、其の侭、自身の天幕に入っていき――――
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からトーラスさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にシャンカーラさんが現れました。
■シャンカーラ > その一帯は、昼間だと言うのに薄暗く、薄っすらと霧が漂っていた。
人によっては、その風景を異界めいている、と形容するかも知れない。
実際、この辺りはまっとうな常識を持って生きている者は近寄らないエリアだ。
こんな場所に近寄るのは、迷宮のように入り組んだ森の道を歩く女のような、
冒険者が主だろう。
あるいは、近寄って来た者を餌食とする人間か、それ以外の何かか……
冒険者のギルドで依頼を引き受けていなければ、足を運びたくない場所だった。
木々の枝はねじれているし、泉の水もどころか粘ついている。