2021/02/24 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にアルシェさんが現れました。
アルシェ > 冒険者ギルドで見つけた討伐依頼
ターゲットは、街道からさほど離れていない森の中に棲みついた魔物ということ。
巣穴ということで数はいそうではあるけれど、依頼書を見る限り、それほどでもないらしく。
それならば単独でもどうにかなるだろうと目的に向かったのが午前のこと。

「まさか道に迷うなんて………」

がさがさと茂みを掻き分け道なき道を進むこと数時間。
ようやく地図に書いてあるらしい場所へと出ることができたのだけれど――

「あ、れれ……?
 魔物は…? って!? 失礼しましたっ!」

滝の水音のせいで、茂みの向こうの様子が窺えなかったのが敗因のひとつ。
もうひとつは、いい加減歩き疲れたので、ばっと出て行って奇襲を掛けようなどと短絡的な作戦を企てたこと。
その結果としては、水浴びをする男性と鉢合わせることに。

言い訳させてもらえるならば、まさかこの寒空の中で、川で水浴びとしているとは思わない。
それに魔物がいるはずの森の奥ならばなおのこと。
とはいえ、バッチリ見てしまったのは事実だから、勢いよく頭を下げて、軍隊さながらの動きで回れ右を繰り出したわけで。

ブレイド > ずっと水に浸かっていると体が冷え切ってしまう。
川からあがって体をふこうなどと思っていると、何かが藪をかき分ける音。
獣か何かか…それならばいいのだが、ここの魔物どもの生き残りだったら厄介。
素早く音のする方向に向き直ると…

「だれだっ……ぁ…?」

女の子?
こんなところには似つかわしくない風貌の少女だ。
装備を見れば、自分と同じようなナイフが見える。
冒険者か?
いや、それよりも…このタイミング。
バッチリといろいろみられてしまった可能性が高い。
彼女の反応からしても…

「あ?え?ちょ…わ、わり、ちょっとまってろ!?」

ばしゃばしゃと水音を立てて川から上がれば急いで体を拭いて
取り敢えず荷物の中で一番簡単に纏えるフード付きのマントをはおって、焚き火の前に

「あー、もう大丈夫だ。わるかったな」

アルシェ > そのまますぐに立ち去るべきかとも思ったのだけれど、
さすがにあれだけバッチリと見てしまって、まともな謝罪もなしと言うのも後味が悪い。
相手の慌てようからして、幸か不幸か、奇襲という意味では少女の作戦は成功したらしく。

「えーっと……謝るのはこっちのような気が……
 とりあえず、ごめんなさい。
 でも、ここら辺りって魔物の巣があるとかないとかって聞いたんですけど…?」

反射的にとはいえ、謝ってくる相手はどうやら悪い人ではなさそうに思える。
立ち去らずにその場に留まったのは、そう判断したのと、魔物の情報を訊くため。
討伐できなくても違約金は発生しないけれど、今夜のご飯が貧相になるのは避けられない。
ちらりと背後の様子を慎重に窺ってから、振り返る。

「あの、ちゃんと拭かないとさすがに風邪ひいちゃうと思うので。」

いくら焚火の前であっても、濡れたままでは寒いだろう。
急いでマントを羽織っただけの相手に、再び頭を下げて回れ右。
服を着るまでは向こうを見てますと言い添えて。

ブレイド > 律儀にも謝る少女。
とはいえ、なにか用事があるのだろうか?
まぁ、あのまま立ち去らせるのも、混乱したまま森をゆくと言う状況になってしまうため危険なのだが。
魔物の巣にようがあったらしいが、とりあえずは服を着るのが良さそうだ。
彼女の気遣いもあることだし。

「あ、ああ、すまねえな。んじゃ、もう少し待っててくれ」

わたわたと服を着込んでいく。
しっかりとマントも羽織りなおして、火のそばに座り直せば
寒さもいくらか和らいで

「あー、えっとなんだ。魔物の巣に用事ってなら
わりぃけど、だいたい始末しちまったが…依頼かなんかだったか?」

彼女が自分の予想通り、冒険者であれば
依頼のブッキングかなんかだろうか?だとしたら…悪いが彼女に仕事は残ってはいないだろう。
それこそ、外に出ているやつがいないのであれば。

アルシェ > 待つことしばらく。
どうやら服を着終えたらしい相手に、こちらもようやく落ち着くことができる。
気になっていたことへの答えを貰えると、半ば予想していた結果だけに苦笑いを浮かべ。

「あー……やっぱり?
 はい、依頼で来たんですけど、一足遅かったみたいです。
 やっぱり道に迷ったのが、痛かったかなぁ……」

基本的に、討伐依頼は早い者勝ち。
場合によっては足の引っ張り合いなんて言うのもあるけれど、少女としてはそこまでしようとも思わない。
こういうのはさっさと諦めて切り替えるのが一番で。
ぺらり、とギルドでもらった依頼書を取り出して相手に見せ。

「まぁ、次に期待ですね。
 ちなみにどんな魔物でした? この依頼書だと、あんまり情報が載ってなくて。」

冒険者としてはおそらく先輩だろう相手に、今後の参考にと訊いてみる。
メシの種をタダで教えてくれるかどうかは相手次第ではあるけれど、
対価として携帯食料くらいは提供しようと、鞄の中から香辛料の効いた干し肉を取り出し勧め。

ブレイド > やはりそうだったようだ。
まぁ、同じギルドでうけたのならば向こう側の不備で済む話だが
別のギルドであれば、仕方のない話。
こちらも仕事だ。残念だがそこは諦めてもらうしかない。

「そっか、わりぃことしたな。
王都からこんな洞窟くんだりまでわざわざ来たってのに」

歩み寄って依頼書を見せる少女。
警戒心はあまりない…というか、警戒する必要がないと思っているのだろう。
まぁ、こちらとしても何をする気もないのだが。
こちらがガラの悪いやつだったら下手に近づくと危険だとはおもうのだが…

「ん?あー、大したもんじゃァねぇが数は多かったな。
ゴブリンが結構、インプとかインキュバスもいたからあんたじゃやばかったかもな」

べつに討伐した魔物の情報くらいは教えたって構いやしないが
もらえるものは貰っておこう。
干し肉を受け取れば、軽く頭を下げて。

「まぁ…無駄足ってのもあれだ。共同でやったってことにしてもいいがよ」

アルシェ > 「いえいえ、こっちが遅かったのが悪いので、気にしないでください。
 まぁ、どうせなら後学のためにほかの冒険者さんが戦ってるところだけでも見られたら儲けものだったんですけど。」

無駄足にはなってしまったけれども、これも冒険のひとつ。
貧相になるご飯は少々心残りではあるけれど、あまり気負っても仕方がない。
こんなことはよくあることだと朗らかに笑い。

こちらの質問に対して、訝しがることもなく答えてくれる様子から、面倒見のいい先輩だと思う。
何かするなら背後を見せている時点で、襲われていただろう。
それがなかった時点で、ある程度の警戒は解いている。
むしろこういう相手には、積極的に教えを乞うた方が印象が良さそうだという打算めいた計算もあったりするけれど。

「うー……ゴブリンはまだしも、インプとインキュバスかぁ……
 数がいるとヤバかったかも……」

1対1でなら幾度か相手にしたことはある。
そうであっても魔法を多用してくる厄介な相手だけに、ひとりで突っ込まなくて正解だったと胸を撫で下ろす。
自分も干し肉を齧りつつ、黒々とした闇を湛える洞窟の奥を見遣り。

「あ、お気持ちだけで十分です。
 私だけだったら、ちょっと力不足っぽかったですし。」

パタパタと顔の前で手を振る。
美味い話には罠がある。罠とまでは行かずとも、対価を訊くのもちょっと怖いほどの餌にはさすがに食いつけない。
そんな話をしていれば、洞窟の暗闇が僅かに揺れたように見え――

ブレイド > 「さっきみての通り結構痣作っちまったからな。
そんなかっこよくやれちゃいねぇし、みてもいい勉強にゃならなかったとおもうぜ?」

自分もそれなりにやる程度の実力を持てたとはおもうが
それでも誰かに見せられるほど上等な戦い方ができるとは思っちゃいない。
それに、付与術も使っているし…。

少女から貰った干し肉を焚き火で少し炙ってからかじる。
なかなかにスパイシーで美味い。
香辛料をふんだんに使っているようで、上等なやつなんじゃないだろうか?
警戒を溶いてくれているようであれば、せっかくだしと火のそばに座るようにと勧め。

「数っていうか、インキュバスがいる時点で、女ひとりじゃやばかったな。
その依頼書に書いてなかったってなら、オレが先にこれててよかったっつーか…」

数もそうだが、インキュバス。女を狙う淫魔の類。
彼女一人でその術中にはまってしまえば、抜け出すことはほぼほぼ不可能。
そのままいい苗床になっていたことだろう。

「ふぅん、そうか。ま、そういうことなら…
休憩くらいはしてけよ。ここまで来るのは疲れただろ?」

などといっていると…何かの気配。
洞窟から?

「っ!?まて!下がれ!!」

彼女に向かって叫び投げナイフに手をかけ、暗闇へと投擲する。
間に合うだろうか?

アルシェ > 「そうでもないですよ?
 他の人の戦い方は、どうあっても勉強にありますし。」

お手製の干し肉は、噛めば噛むほどに味が滲み出てくる。
買えば高い香辛料も、自生のハーブならば依頼ついでに採取もできる。
さすがに品質は店売りのものに比べればやや劣るかもしれないけれど、それでも干し肉に使う程度ならば十分過ぎるほど。
やや辛く感じるかもしれないけれど、この季節ならば身体を温める働きも期待できる優れもの。

「インキュバスなんて大物は書いてなかったですね。
 書いてあったら、ソロで受けさせてもらえてないです。」

ギルドの手落ちというには微妙なところ。
干し肉を齧りながら、他人事のように軽い調子で受け応えする少女
魔法を使われたら不味いかもしれないけれど、使う前に仕留めればどうにか…。
なんて甘い考えは、果たして通用したかどうか。
それは今となっては分からず仕舞いで。

「そっちはお言葉に甘えさせて―――ッ!?」

こちらが違和感を察知したのと同時に掛けられる怒声。
暗闇に吸い込まれていく投げナイフの後を追うようにして、少女の髪が躍る。
1歩、2歩……大きく踏み込んだ3歩目で跳躍。
相手の正体を見極めるよりも先に、腰に提げていたナイフを抜くと全身のバネを使った一撃を叩きこむ。

「ふぅ………さすが一発必中です!」

どうやら生き残りがいたらしい。
幸いにもインキュバスではなくてゴブリンだったけれど。
刈り堕とされ、地面を転がった首には、いち早く放たれたナイフがその眉間に命中しているのが見える。
無邪気に手を叩いて尊敬の眼差しを送ってくる少女は、けれども返り血を浴びており。

ブレイド > 「そういうもんか?まぁ、アンタとオレなら武器は同じか。
奇遇ってやつだな…この干し肉うまいな?どこで買ったんだ?」

こちらは二本使うという点で、戦い方には大きな違いはでてくるだろうが
同じ軽戦士であれば身のこなしなどならば参考程度にはなるかもしれない。
それはそうとして、彼女の手製とは知らず、干し肉の味をいたく気に入ったようで。

「書いてなかったねぇ…なんか臭いな。
ま、あんま深入りしないほうがいいかもしんねぇが
今度からはちゃんと依頼書をみて選ぶんだな」

魔物の規模がわからないというのはよくあること。
特に、洞窟に引きこもってるやつなんかは誰の目にもつかない。
とはいえ、こちらにはあった情報だ。
女冒険者を堕として売り物にしようという輩やおおくいる。
その流れのものかもしれない。
しかし、そんなことよりも今は敵が生き残っていたということ。
こちらの反応が素早かったせいが、早々に始末できたが…

「……あー、確認怠ったか…わり、汚れちまったな」

返り血をあびた少女の姿。
水浴びをすすめるわけにもいかないが…

アルシェ > 日も暮れた時間帯から、冷たい川で水浴びする気にはなれない。
返り血を浴びたとはいえ、頭の上からべっとりというわけではないから、濡らしたタオルで拭うくらいで我慢するほかないだろう。
ナイフを大きく振りかぶって刃に付いた血糊を飛ばし。

「おかげで楽に始末できたので助かりました。
 これくらいはどうってことないです。それより手ぶらで帰らずに済みましたし!」

これで共同とはいえ、討伐数1体には違いない。
返り血が付いたままの顔に屈託のない笑みを浮かべ。

「その干し肉ですか?
 お肉は王都のお肉屋さんで買ったものですけど、紹介します?
 味付けは自家製ですけれど。」

討伐証明の耳を切り落としながら、口にする話題はお肉のこと。
他に生き残りがいなさそうなのを確認すると、焚火のそばに戻ってきて。

「今夜はここで野営して、朝になったら速攻で温泉に突撃かなぁー…
 ご一緒させてもらっても良いですか?
 依頼の選び方とかも教えて貰いたいですし!」

昼間でさえ迷ったのだから、夜の森となれば言わずもがな。
魔物に襲われる以上の確率で、遭難するだろう。
顔に付いた血を拭いながら、相手の答えを聞くまでもなく、てきぱきと野営の準備を始め出す。

アドバイス料としては、お気に召した様子の干し肉を使ったスープあたりが良いだろう。
魚でも獲れれば一味違ったものも作れたのだけれど、ないものは仕方がない。
ちょっとばかり多めにお肉を投入して、あとは手持ちの豆とハーブを煮込んで出来上がり。
放っておくと獣が寄ってきそうな美味しそうな匂いを漂わせて、その日の夜は更けていき―――

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からアルシェさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からブレイドさんが去りました。