2021/02/05 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯 剣の洞窟」にスピサさんが現れました。
■スピサ > 自然地帯 剣の洞窟という名称を知っている冒険者はそれなりにいた
この洞窟は腕試しや度胸試しとして入り込むという、まるで一種の試練のように扱い遊ぶ者が多い
洞窟内で果てた奴の武器を持ってくれば認めてやるよ
王都で生き延びてきた冒険者の言葉を真に受けた、ギルドに訪れた新米冒険者等
入り込み、実際に死んだ者も、生き延びた者もいる 獲物さえ間違えなければ下手以外生き残るらしい
「……着いた。」
腕試しとして使われる場所なだけに、王都から距離はさほど遠くはない
数日の泊まり込みができるようにしたサックを背負い、スピサが足を訪れた理由は一種の好奇心や興味だった
残された武器の状態もそうながら、この洞窟に入ったことがあるという、欠けた刃の修繕を頼んできた冒険者の話
「本当にあるのかな……。」
内部は暗い洞窟
革の装備と武器に盾 食料と酒
大きな油紙や紐など。
確認ができるのなら、入り口の手前で火を起こした
ナイフと火走り石を擦り合わせ、火口が燃える
鏡面磨きをした、筒明かりへと火を移すと、前方の光がきちんと強いかを確かめ。
■スピサ > 鏡磨きにした、光沢のある表面
雅な剣や、成金貴族の鎧のようなそれは、内側に張り付けると火明かりとして優秀な反射光となった
具合を確かめるのなら、内部に入り込む
ヘビーバックラーを左手に携えるのなら、中は凡そ、歩きやすいとは言い難い場所
朽ち岩の崩れたものが表面を覆うような道 崩れたか、水の流れで削られてできた洞窟なのか
昔の地下水の溜まり場だったのかもしれない
其処は今は枯れ朽ち、妙に湿度のある洞窟になっている。
明かりを手に進めば、入り口手前で幾つかの散乱している骨があった
森で死んだ冒険者の骨が散らばるように、この洞窟も引きずられた骨や肉片があったのだろうか。
凡そ、外の世界に歩く者からすれば見慣れた光景の一つ
眼帯越しに明かりをゆっくりと左右へ流しながら、前へ進んでいく。
小粒や大粒の朽ち石が敷かれた場所が、ジャリジャリと音を鳴らしていた。
「広めの場所……どこだろう。」
スピサの目的は、この洞窟の中で天井が高い位置にある場所だった
マッピングもするものの、目印のように腰に下げていた蛍光ポーションで 方角 を濡れそうな壁に塗り付ける
光を吸い、わずかに発行する薄緑の蛍光色の方角印
「ん。」
冒険者からすれば浪漫がない方法だろうか
しかし、こういったポーションが存在するからこそ、冒険は進む。
■スピサ > 内部の敵
それは実際にいた
ハードスライムと呼ばれる、固く、よく弾むタイプの小技な打撃が無効
大蛞蝓や触手類のような軟体生物
しかしそれらは、鉤型の凹凸が付いた、赤熱する金棒のようなメイスであるならば、食い込み、割り、潰し、散らす
壁に叩きつけられる魔物や、本当に突き刺さっていた剣で動きを止めるなどもした。
魔物の脅威度は、まだそれほど高くはない
ダ ァ ン ッ ! !
壁にメイスで殴り飛ばされた蛞蝓状の生き物が、壁の凹凸に突き刺さって死んだ
半身が赤熱している焼き鏝のようなメイスは、煙をあげて蒸発音がまとわりつく粘液を消していく。
「剣なら生き残れる、か。」
話は凡そ本当だった
スライムも固すぎてはただの的 突進でも喰らわない限りはだが。
軟体系の粘り気で脚を止められでもしたのだろうか。
冒険者という方向での経験は、それほど高いとは言えないスピサは解答を得られることもない。
故に前へ進んだ。
やがて、少し広い場所に出る。
粘液の匂いが少し強いそこは、道中でも見かけた剣がいくつもあった
保存状態は、先の道よりもいい。
此処で死ぬ者が多いのか、武器を手放す切っ掛けでもあったのか。
「ぁ」
見つけた
スピサの目的であった品物
やや高い位置ゆえに見つけられる機会が薄かったのだろうと、その冒険者は言っていた
一本の片手半剣 通称“バスタードソード”が壁に突き刺さっている。
剣身の状態や、鍔元の膨らみなど、ジッとスピサの瞳は眼帯越しに眺めていく。
あれなら、まだ蘇りそうな気がする そう思ってしまった。
そのバスタードソードが少しの興味と好奇心を抱き、こうして来てしまったわけだが。
保存状態は、先ほども思っていた、粘質にまとわりつかれた結果だろうとほぼ当たりもつけている。
■スピサ > バスタードソードの状態を眺め続ける。
剣身は無事なものの、柄の部分は痛みが酷い 純粋な鉄鋼の代物だろう。
メイスで壁に打撃 投擲 方法はいくつも浮かぶものの、回収する際の手際は悩ましかった。
最後は、力業か、種族の特性を生かすように、近場で明かりを固定する。
両手に抱えた岩を、剣身の壁近くへと投げつけるという荒業。
強引と笑わば笑えながら、できる力を備えている以上問題もない。
壁に数度、撃を加えると孔が広がったのか揺れ堕ちたバスタードソードが壁を伝ってカラカランと落ちてくる。
その程度で、剣が折れることもないせいか慌てず、拾い上げに行く頃には剣身をジッと眺め、乾いたザラザラとした感触が残る握り柄を掴んだ。
数度、左右に振ってみる 両刃 銀鉄 切っ先半ば膨らみ 胴は細まる 根でまた膨らみのあるそれ。
思わず笑みを浮かべてしまう。 雅な宝石や、不思議なアイテムよりも、スピサにとってはそれは心躍った。
少年らが斬り落とした太枝を以て喜ぶようにだ。
「鍛えなおす必要は無さそう……なのかな。」
刃を起て、寝かし、剣身を眺め終わる。
油紙を広げ、紐で結わい付け包む 背中に背負ったのなら、もうここは目的を果たした。
「よし。」
今は早く帰って、工房でこの武器を整えなおしたい
その気持ちが強くでている。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯 剣の洞窟」からスピサさんが去りました。