2020/11/20 のログ
ご案内:「自然地帯・湖畔」にカルヴァさんが現れました。
■カルヴァ > 小さな湖――名前もない、知る者も殆どいない湖
そのほとりには、何故か多くの、白樺で出来た杭が突き立てられている
防腐剤を塗られただけのただの白樺の杭、その前にひざまずく少年がいる。
年の頃は15前後、凛々しさよりどことなく少女にも見える顔立ちだが、表情は締まっている。少年は、ただ、ただ、沢山の白樺の杭に頭を垂れる。祈るように、懺悔をするように、頭を垂れる。
「僕が死ねば――必ず、『そっち』へ」行くから……もし恨みがあるならば、待っていて、欲しい
少年は、祈る。この白樺は、墓碑だ
ただし、人ではない。心臓を貫いた白樺――吸血鬼の墓碑である。
吸血鬼は必ずしも白樺の杭が効く訳ではない。だが、少年は必ず杭を打つ。
胴と頭を切り離し――心臓に杭を打ち――そして焼き払う
古めかしいまでに、徹底的に――吸血鬼を屠る。その、存在を――
塵は塵に――灰は灰に――この下に彼らの遺骸は無い
彼らの心臓を貫いた白樺の杭だけが焼け残れば、この湖畔に打ち立てられ、墓碑になる
矛盾している――吸血鬼には墓碑は許されない存在
だが、それでも少年はその『墓碑』に祈る
安らかな眠りを―――そして、その恨みがもし、残るのなら―――少年の死後に、彼らからその罰を受けると
ご案内:「自然地帯・湖畔」からカルヴァさんが去りました。