2020/11/10 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からブレイドさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 光る丘の下」にプカさんが現れました。
プカ > 月光に照らされて光る丘の麓がある
夜風に花の甘い芳香が漂い、小さな可愛らしい花が黄金に揺れる

『キャハハハッ!』
『月が綺麗ね!甘そうだわ!』
『月は食べられないだろ。美味いのは星だよ』

耳を傾ければ、小さな甲高い声が聞こえるかもしれない
目を向ければ、小さな鳥のような大きな虫のようなモノが飛び回っているのが知れる

もし、聞こえて見えたのなら、もう、逃げられないのだが

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 光る丘の下」にリンさんが現れました。
リン > 楽器を背負った少年がひとり、丘の麓を通りすがる。
あまり人前で軽々しくバイオリンを弾けない事情がある自分が、演奏できる場所を探していたらこんなところに来てしまった。

「こんな場所があったのか……」

微かな花の香が鼻孔をくすぐる。幻想的な光景に呆けていたが、
声らしきものが耳に届けば緊張に身をこわばらせる。

「……だ、誰かいるのかな……」

不吉な予感に足を止め、周囲の様子を慎重に伺っている。

プカ > きらきらと光の粒を撒き散らし羽ある小さきモノ達は戯れる
その度にほんの小さな玻璃を鳴らしたような儚げな音が鳴る
それが幾つも集まって、オルゴールか何かのように不安定だが美しい調べを奏でていた

『!』
『シンニュウシャだ!』
『敵だー!』
『ものども、であえーであえー』

少年が聞こえ、見た時
彼は”丘の下の国”へ踏み込んだ。同時に甘い香りが強く立ち込めて香る
一度吸い込めば芳香に気を取られて、方向感覚を維持できない迷いの香り
本来ならば近づけない為のものだが、度々妖精たちの怠慢で仕事をしない
今回もそうだ。だが侵入者を逃さぬ為の仕事は果たした
キラキラとした光の粒を振りまきながら華奢な小人達が美しい昆虫のような羽をはためかせ飛来する
少年から距離を取りながら離れて数匹、数十匹、と数が見る間に増えて囲う

『ニンゲンかな?』
『ナンカ、匂うぞ?』

一匹の妖精が少年に近づく。美しい容貌で頭に触覚を生やしており、指先が鋭い鉤爪になっている
その妖精が匂いを嗅ぐ仕草をすると鼻を摘んで眉を顰めた

『アクマの匂いがする!』

そう言った瞬間。妖精達の面白がっていた様子が一瞬にして変容した
鋭い、攻撃意欲に

リン > 「えっ……何?」

寝しなに聞かされるおとぎ話の世界に迷い込んでしまったような、不思議な音楽と光。
しかし、それを堪能する間もなく、周囲に小さな存在たちが群がり出す。
恐ろしげには感じないが、違和感のある容貌。

「ひっ!」

その叫びと、空気の変化に、芳香に麻痺させられていた理性が恐怖を打ち鳴らしだす。
慌てて逃げ出そうとするが、足をもつれさせ、その場でよろめいてしまうだろう。

プカ > 侵入者が逃げようとして、倒れた
小さきモノ達は、遠巻きにしていたクセに一気に図に乗って殺到する

『逃がすなー!』
『でも、アクマじゃ……』
『クサイだけなら大丈夫。安全の為にコイツでも刺しとこう。逃げるどころじゃなくなるらしい』
『ソレ何?』
『この前、樹精霊から借りてきたヤツ』

がやがやと勝手な会話をしながら金の鱗粉のようなモノを伴って数匹が少年の倒れた背中にたどり着いた
そして、その中の一匹が緑色の粘液にまみれた、バラのトゲのような針を振りかざし

『えいやっ!』

少年の首筋へ振り下ろした。
森の樹精霊が男を招き、精を搾り取るための秘薬。精が枯れるまでモノが収まらない

『ついでに兎のおまじないでも掛けとこか』
『なんだっけ、それ?』
『コワイと子供残したくなる』
『へー』

のんびりとした会話と共に、妖精の呪いが唱えられた