2020/10/10 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にタピオカさんが現れました。
タピオカ > まれびとの街道から数十分ほど脇に逸れた森。
人通りから割と近いゆえに野獣は近づかない場所。
夏がすぎ、秋の実りも豊かに野生の果実や香草があちらこちら。色とりどり。

「この野いちごはどうかなー。
――んーっ!美味しい!
あ、向こうに林檎が見える!」

昼下がりの心地よい木漏れ日のなか、小さな人影が頭の上にカゴを載せて片手で支えて歩いている。
空いているもう片手はつまみ食いに忙しい。

秋晴れの昼下がり。
冒険者ギルドで良い依頼が見当たらない今日、ひとりで秋の味覚をセルフ収穫祭で楽しんでいるのだった。
普段は馬車や急ぎの旅で足早に通り過ぎる街道脇に見つけた森は美味しさの宝庫。
食べきれないほど集まれば、市場に持ち込んで売っても良いかもしれない。

そんな事を思いながら、ご機嫌な様子で緑の下生えの中を進み。

タピオカ > 「それにしても……。
秋になってきても、まだまだ暑いね。
……でも何か、熱すぎる?」

頭で支える竹籠の半分ほどが自然物の果物で埋まる頃。
額に滲む汗をそっと手先で払った。
枝葉ごしの日光は、午後が進むと強くなっている気がする。
……奇妙なぐらいに。
風邪を引いているわけでもないし、荷物が重すぎるということもない。けれど、おかしな火照りを覚えている気がして立ち止まる。

やがて、気の所為ということにして再び鼻歌混じりの収穫祭を続けていく。
摘み取って口にした果物のうちひとつが、このところの動乱で流れ弾的に土壌に染みた魔力によって突然変異を起こし媚薬効果を持つようになっていたという事に気づかずに――。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からタピオカさんが去りました。