2020/06/17 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にタピオカさんが現れました。
タピオカ > ミレーの里の、西。ダイラスから街道を歩いてそう遠くない、山のふもと付近。浅い盆地。広がる湖のほとりからは細い煙が一筋伸びていた。晴れた夜空に浮かぶ月に向かって、そのまま初夏の空気に溶け込んでいく。

煙は焚き火から出てきたものだった。
その焚き火の横には小さなテント。そして人影。

「やっぱり自然の中は気持ちいいなー……!
依頼されてた薬草の採取も済んだし、無理に夜通し歩いてダイラスに戻るよりお外で泊まって寛いでー、明日ゆっくり戻ろう」

ぱちぱちと軽く枝が焼ける音。
焚き火に吊るしたカップでお茶を沸かしながら、地面の草むらに座って気持ちよさそうに伸びをする。
夕食も済ませ、おやすみ前のティータイム。
そして星空鑑賞の時間だ。
冒険者ギルドから依頼を受けている身とはいえ、急ぎでもない。
旅を楽しんで行こうと、街から離れているおかげでよく輝いている、満天の星見上げて瞳細め。

タピオカ > 「夏になったら、……何しようかなー」

水が沸騰した事を知らせる、カップのフタが鳴る甲高い音。
木の枝を使って焚き火からカップを遠ざけ、中に茶葉を入れる。蒸らしながら、これからの事を物思う。
夏の日差しを避けるために昼は森の中で眠り、夜に移動する夜行性の動物じみた旅に出るのも良いかも知れない。
今度はもう少し装備と食料を充実させて、この湖のほとりで何泊か遊ぶのも良い。
あえて夏場だけ、ダイラスのカジノで働き口を探すのも面白いかもしれない。確か、レセプタントの募集があったと思う。たまには剣を振る舞うだけじゃなく、お酒を客に振る舞うのも楽しいかも。

セレネルの海での海水浴も忘れてはいけない。
水着も新しいのが欲しい。
でも欲しいといえば……。

「……」

自分の胸元に視線を落とした。
お茶の準備の手を止め、両手でそっと掴む。
……子供の頃とほとんど変わっていない。そんな膨らみかけ。

「……静かな月夜の、良い夜だねー……。
湖にもお月さまが映ってるよ……」

出来上がった紅茶に粉末にしたミルクと砂糖を入れて。現実から目を反らすために一口運ぶ。その甘さに頬を緩ませ――。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からタピオカさんが去りました。