2020/06/03 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にアルヴィンさんが現れました。
■アルヴィン > 街道まではまだ、半日分の行程を要するだろうか。
森の中、木々の切れ目に湧く泉。
その清水のほとりを騎士は、今宵の野営地と決めた。
露営の火はもう、燃えている。
しばらくは、水分を含んだ枝が盛んに爆ぜ、青い煙を上げていたが、それももう、ない。日が沈む前から露営の支度を進め、焚火の炎で十分に下枝の水分を飛ばしていたためだ。
既に、甲冑は外しマントを掛けてある。
頭上に伸びる枝葉が散らしてくれようが、それでも夜露や雨を完全に防げるわけではない。
備えは、万全を期しておくべきだ。
騎士はそうして、露営の炎を背にして、愛刀にゆっくりと砥石を滑らせていた。
闇に落ちた森の木々。
その神韻とした闇の中に、騎士が使う砥石の音が、高く澄んでゆっくりと、響き渡って届いてゆく…。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にアルヴィンさんが現れました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にアルヴィンさんが現れました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にユースルヴェグさんが現れました。
■ユースルヴェグ > 耳に届くは心地よい音。鉄の地金が磨かれる音。女にとっても耳に馴染んだ、武具の手入れされる音。けれどそれは、森の中で耳にすることなどない筈の音…。
「…いい剣ね」
女の声はきっと、彼の頭上から届く。彼が身体を休めていた場所、そのすぐそばに立つ樹の上から。
そして声かけると同時に女は、飛び降りていた。
少ぉしだけ、地に降り立った音立てて、銀色の髪を背へと掌で流して。
女は興味深そうに、彼の姿を見下ろした。
「…冒険者?」
金色の瞳が、焚火を受けて猫の目のように煌めいた。
■ユースルヴェグ > 「…この剣を褒められるのは、嬉しいことだ」
そう告げて。騎士は、最後にもう一度だけ砥石を刀身に滑らせた。
美しく、その刃が露営の焔を照り映えさせる。
刃に騎士は、一度だけ親指の腹を当てた。
指の腹に、刃が引っかかるように感じる時…その時が、最も刃が研ぎ澄まされている時だと、騎士は経験で知っていた。
研ぎ上がりの仕上がりに満ち足りたのか、騎士はゆっくりと頷くと、傍らの鞘へと剣を落とし込む。
森の、神韻とした空気に澄んだ鍔鳴りの音が響いてゆく。
「然様…。剣術修行を兼ねて、ではあるが」
問われた言葉に騎士は頷き、そして焔の傍らに立つ姿を眩し気に見つめて、そして。ゆっくりと焔を挟んだ対面を指し示す…。
「森の中は、夜は冷えよう。よろしければ、おかけあるがよい…」
そう、騎士は女へと告げて。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からユースルヴェグさんが去りました。