2020/05/30 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にリリネアさんが現れました。
リリネア > 「む、ぁあああああ………」

自然地帯の草原で、一人の魔族がごろごろと草むらに転がっている
野生の獣かと思われるかもしれないが、れっきとした…はぐれ魔族だ。

故郷である魔族の国を半ば自分から出ていき、こうして日がな一日草原で転がっている。
たまに、木の実を食べたり、人間に声をかけて色々シたり。
怖い魔物に襲われて逃げたり、大した力はないのに、魔族だからと討伐されそうになったり…
そんな生活が、彼女の今の生活だ。

「はふーーーーぅ………」

のんべんだらりと…刺激があるようなないような。
そんな日常を今日も過ごし。
背の低い草むらから、ぱたぱたと羽と尻尾だけを出して。
今日もはぐれ魔族は、ごろごろしている。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にアルファさんが現れました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からリリネアさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にリリネアさんが現れました。
アルファ > 蝙蝠の羽のようなものを束ねた紐を肩で背負いながら草原を歩いていた。
その姿は黒尽くめの姿で、外套というには薄いマントの裾を閃かせる。
生い茂る低草が纏わりついても、まるで生き物のように付着した草を払う外套。
不意に自分を纏う主に何かを伝えるように裾が持ち上がって指差すように動く。

「なんだ?こんなところにもモンスターが」

マントが指し示す草地を見る。正確にはそこから覗く羽と尻尾。
草踏み鳴らす音を立てる黒尽くめの青年は小さな魔族が逃げなければその尻尾を鷲掴みにして持ち上げようとした。

リリネア > 「んぇ?」

何か近づいてくる気配がする。
草を踏み分ける音に、また討伐されてしまう!?とか考えて起き上がろうとするも。
のんびりしていた魔族と、警戒態勢の男とでは、初動の早さが違う。

「わ、わーー!やーー!はーなーせー!
わたしを倒しても、とくに褒賞とかはでないよー!」

ぐい、と尻尾が引っ張られ、巨躯の男の前でぷらん、と体が垂れる。
暴れるものの、筋力もそれほどない魔族の攻撃など痛くも痒くもないだろう。

アルファ > 見た目より頑健な腕は背丈の高い半妖の目の高さにまで小柄な魔族を持ち上げて。
ぱたぱたと暴れる手や足が顔や胸に当たろうと泰然としてまじまじと見る。

「モンスターじゃないか。いや、悪かったよ。てっきりギルドの討伐対象かと思った」

掴んだ尻尾を下ろしてそっと草地の上に置いたのなら頭を下げた。
だが半妖がつけるマントは変わらず相手を差すのに小首を傾げ。

「君、もしかして魔族なのかい?」

リリネア > 「え?離してくれるの…?んしょ、と」

逃げようもないから、仕方なく暴れていると、草地にとさ、と下される。
そのままぺたんとその場に座り込み。

「そうだよ。…ニンゲンは、私たちを見るとすぐ襲ってくるんだけど…おにーさんは違うの?」

どこか無機質な瞳でそう言って。
ニンゲン…というより命に向ける目線ではなく。
争う気はないが、それはそれとして、人間を餌として見ている目線だ。
ぱたぱたと揺れる尻尾と羽からも、魔族であることはわかりやすい

アルファ > 「無益な殺生は好まないんだ」

膝をついて座り込む小さな魔族と視線を同じにしようと
片膝をついて生気というものが薄い硝子のような瞳と薄紅の目を重ねる。

「俺は半分がニンゲンで、半分が魔族だ。
 だから君は久々に見た同族。襲ったりはしないさ」

元気よく動く尻尾と羽にも目を向けながら暫くは凝っと見つめて。

「君は何をしてたんだ?こんな場所で昼寝でも?」

リリネア > 「へー、変わってるね」

などと率直に言いながら

「ハーフ!初めてみた…。それでかー…ニンゲンぽいって感じたのは」

なるほど、と一人で納得した。どうにも、ニンゲン…餌とは違う感じがしたのだ。
争う気が男の側に無いのなら、とくに逃げる必要もない。
一応、攻撃されても今度はすぐ動けるように警戒はするけれど。

「私?私はー、のんびりしてただけだよ。
特にやることもないし、お腹も、しんじゃうーって程空いてる訳でもないし」

そうのんびりと、しかしはっきり答え。
まだ空腹と言えるまでではなく、彼女としては、もう少しごろごろしてから今日のご飯探しに行こうかな、という程度だったのだ

アルファ > 「ハーフだから、同じ血をついたヤツは同族だ。
 金にもならないのに同族を殺したいとは思わない」

相手が何を思っているか分からないが、まだ警戒心が露わになっているのが分かる薄紅の目は
柔らかく細めてなるべく笑みを作っていた。
やがて彼女の言葉を聞けばふむ、と頷いて。

「うん。どう見ても君は無害そうだ。
 俺はアルファ。せっかく同族と逢えたんだ。
 よかったら一緒に飯でもいかない?
 死ぬほどじゃなくてもここじゃ食えるものが少ない。奢るよ」

小さく首を傾げながら問いかけた。

リリネア > 「平和主義だー。あなたも魔族の国から逃げてきたクチ?」

笑いながら、ゆらゆら体を揺らす。
もしかしたら自分と同じなのかな、と。
瞳同士を見つめ合わせる

「アルファかー。私はリリネア。
飯?ってニンゲン襲いに行くの…?別にいいけど、わたしは弱いよ?」

こちらも、首を傾げる。
彼女の認識では飯、とはニンゲン、普通の食材の順で判断される。
だからどっちだろうと。

アルファ > 「俺が生まれたのはマグメール。元から人の世界の生まれ。
 だから逃げ出してきた訳じゃない。
 あなたも、ってことはリリネアは逃げてきたのか。
 よかったら教えてくれよ。まぁ、道中にでも」

そういうと立ち上がって手を差し出す。
彼女が手を取るならばゆらゆら揺れる小さな体を起こして。

「人間を襲うんじゃないよ。金を出して飯を食おうって話だ。
 ま、君が人間を襲いたいと言うなら、ちょっとくらいは良いかな」

などと語りながら風にそよぐ草原から街道へ、そして街にまで向かおうとしていく。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からアルファさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からリリネアさんが去りました。