2020/03/19 のログ
■タマモ > 「にしても、よもや、王都にあれが来ておったとは…
いやはや、怖い怖い」
ぽつりと、不意に少女は、そんな呟きを漏らす。
思い出すのは、少し前に出会った、ある知人である。
この地に来ていたのは、それとなく雰囲気を感じ、知っていた。
だが、その活動拠点は九頭龍山脈の奥深くで、己が居る王都付近にまで来る様子はなかったのだ。
しかし、そのはずであった相手に、ばったりと出会ってしまった。
いきなり喧嘩を吹っかけてきた時は、本当に、どうしたものかと迷ったもので。
………あ、うん、その前に一言二言、ちょっと話し掛けたが。
それが原因じゃないのかって?…気にしたら負けだ。
「うぅむ…いまだに、あれを根に持っておるんじゃろうか?
まったく、執念深いものじゃ、妾の………いや、それは良いか。
ともあれ、ちと気を付けねばのぅ。
…気を付けて、どうこうなるものではないが」
ふっ、とどこか遠い目をしながら、遠い昔の思い出に浸る。
少し陽が傾いてきたか、そう思えば、よいせ、と身を起こし、立ち上がって。
ぽんぽんと、着物に付いた汚れを叩く。
「さて、戻りつつの、散歩の再開じゃな。
何があれども、何もなくとも、それもまた運のなせるものよ」
ぐーっと伸びをし、ぐりぐりと、腕を解すように回す。
王都の方角へと瞳を向ければ、ゆっくりとした足取りで、歩き始めるのだ。
■タマモ > 「………にゃー」
そんな歩みの中、少女は急に猫の鳴き真似をする。
ぴくん、と耳を立て、周囲の音に集中し…
それに反応したかのように、少女の上空に起こる極光。
そこから起こる、収束された幾重もの光の束が、少女を襲う。
「お、おおおおおぉぉぉっ!?」
たんっ、と地面を蹴れば、襲い来る光の束を、回避する。
それらは、的確に少女の居る位置を打ち抜こうとするが…
それゆえに、回避は至難でもない。
そのまま、少女は光の束を避けながら、逃げてゆくのだった。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からタマモさんが去りました。