2020/02/16 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にクリフさんが現れました。
■クリフ > 森の中、小川のせせらぎを聞きながら獣人が釣りをしている。
大きな岩に胡坐に腰かけ…自作の粗末な木の枝と糸を組み合わせただけの釣り竿の糸を垂らし、水が岩に当たり、跳ね、自由に下っていく音に包まれながら只管のんびりとした時間を満喫。
時刻は夜、空を見上げれば月が煌々と照っており…春の予感がまだ訪れていない夜の森はまだまだ寒い。
そんな所で何を思ったのか焚火を焚いて釣りを楽しんでいるのだ。
この森の中で自分が危険似合う事は無い…というよりも自分の周囲こそが安全地帯である、という絶対の自信がなしえる事かもしれない。
ふーん ふふん ふん ふーん
低く深く響く楽し気な、能天気な、平和な鼻歌を森に響かせて。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にクリフさんが現れました。
■クリフ > …っは、と、目を覚ます。 釣り竿握ったまま眠っていた自分に気が付きあたりをきょろきょろ。
立ち上がり燃え尽きた焚火を踏みつぶして軽く処理して、荷物を背負うと去って行った
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からクリフさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にリムリアさんが現れました。
■リムリア > 王都から少し離れた森の中
街道からも外れ、あるのは整備されていない細い道を少女がひとり歩いていた。
丈夫そうな厚手のローブを身に纏い、小柄な身体にはやや大きなリュックを背負った姿は、どうにか冒険者に見えるだろうか。
獣道と大差のないそれは、所々茂みに覆い隠されているために、道に迷わないように注意を払いながら進む。
時折立ち止まりつつ、方向を確認するように周囲を見回し。
更には木々の幹や根本も見て回る。
生まれ育ったのとは違う森とは言え、少し見ればどんな生き物が棲んでいるかはだいたいわかる。
幸いにも近くに危険な獣は棲んでは居なさそう。
荷物から水筒を取り出して、一口水を飲むと、更に森の奥のほうへと向かって歩みを進める。
今日の目的は、ギルドで受注した薬草の採取
森に生えているのならと引き受けたのだけれど、その薬草が芽吹くには時期が少し早いかもしれない。
落ち葉を踏みしめながら、ゆっくりと慎重に進んでいき。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にブレイドさんが現れました。
■ブレイド > 「このあたりか」
森の奥まった場所。冒険者ナイフを抜き
とある木の枝を切り落とし始める。
森の深いところにしか自生していない香木の採取が目的だ。
ナイフの風切り音と、木の枝を打つ音があたりに響く。
凶暴なクマや魔物などの報告は稀にしかないような森だ。
それに、そこらの野生の生物であれば、不覚を取ることはあまりない。
楽な依頼だ。
だが、少し耳をすませば、落ち葉を踏む足音。
獣…ではない、人。
「木こり…か?」
いや、それはない。
では、冒険者か、野盗か…少し警戒したほうがいいかもしれない。
■リムリア > 少し前から木を打つような音が聞こえていたから、誰かが居るというのには気づいていた。
このまま進めば、その誰かには当然出くわしてしまいそう。
とは言え、細いけれども道は道。外れてしまうといくら森に慣れた少女でも迷ってしまう。
何をしているのかは分からないけれど、こんな街道から外れた森の中で山賊もいないだろうと、進んでいくことに。
がさり、と敢えて物音を隠さずに、進んでいく。
そうでないと獣に間違われて矢でも射掛けられたら堪らない。
大きめに茂みを揺らしてから、その向こうへとそっと顔を覗かせ。
「こんにちは……って、ブレイドさん?」
怪しいものじゃありません、と頭を下げかけたところで、茂みの向こうにいたのが見知った相手だったのに気づき。
こんな場所で知り合いに出くわすなんて思いもしなかったために、少し瞳を瞬かせ。
「……お仕事、ですか? お疲れ様です。」
他に仲間の人がいないだろうかと、視線を巡らせてから。
どんな仕事かも分からず。邪魔になってしまってもいけないだろうから、その場から動かずに声を掛け。
■ブレイド > 足音が近い。警戒を強める。
だが、茂みがひときわ大きく揺れた。自分に害をなそうというものや
野生動物などと言ったものであれば、あからさまに自分の存在を知らせるようなことはしない。
「だれだ……って、アンタか。えーと…リムリア」
顔を見せたのは雨の日に出会った若い冒険者の少女。
片目を隠すような髪型は記憶に新しい。こんなところで何を…とは問うまでもない。
彼女もおそらくは依頼だろう。
警戒もすっかりとけ、大きく一息。
「ん?おう。あんたも、こんなとこまで来てるってこた仕事か?お互いお疲れだな」
視線を巡らせる少女。なにか気になることでもあるのだろうか?
ナイフを収めて、枝を集める。
「なんの依頼できたんだ?」
■リムリア > 警戒されてしまったのは仕方がない。
こちらも同じ状況なら、短剣を手に待ち構えるくらいは当然していただろう。
それは、そうとして。
名前がすぐに出てこなかったらしい様子に、少し苦笑する。
「憶えていてくださって光栄です。
はい、薬草採取の依頼で。急ぎではないんですけれど、滋養強壮によく効くんです。」
少し澄ました仕草でそう告げてから。
依頼内容を訊ねられれば、特に隠すようなこともないので簡単に説明する。
時期が早いということもあって、依頼料はやや割高。
薬草一束で食堂での一食分程度。日帰りで可能なことを考えれば、悪くはない依頼と言える。
枝を集める様子を眺めてから、どうやら近づいても問題なさそうだと判断し。
「ブレイドさんは、その枝集めがお仕事ですか?
………香木?」
薪にするには向かない生木。
近づいて木の方を見上げてみると、どうやら貴族の間では流行っているらしい香木のひとつと分かる。
………こちらの依頼料は、薬草に換算すると100束分くらいだっただろうか。
■ブレイド > 「ふーん、そりゃごくろうなこった。
たしかその薬草って、この辺だったか?」
見知った少女とあればすっかり警戒を緩め、集めた枝を籠に放る。
薬草採取でここまできたという少女を横目に、テキパキと休憩の準備。
香木とは違う薪を軽く集めて、先日見せた、火の付与魔法で焚き火を起こす。
「ま、そうだな。香木集めの依頼…なんか、貴族の間ではやってるってやつで
何に使ってんのかはわかんねーけどな。結構な稼ぎになるんでな」
背嚢を椅子がわりに、焚き火にあたる。
ついでにお茶を入れる準備をしつつ、少女を手招き。
「ま、急ぎじゃねーなら休憩したらどうだ?
ここまで来んのもけっこう大変だったろ」
■リムリア > テキパキと薪を集めて休憩の準備をする手際は、いかにも旅慣れた様子。
眺めている間に、相手は焚火を熾してしまう。
「もう少し奥のほうに生えてると思うんですけど……
この様子だと期待薄かも?」
ここに来るまでに早春に芽を出す植物が、まだほとんど芽を出していないのは確認済み。
更にここから奥へと行けば、よほどのことがない限りは、その傾向は変わりはしないだろう。
今回の依頼は生えていなかったからと言って、それで違約金が発生したりしないので、その辺りは気楽なもので。
「普通に使ったら、お香ですけど……」
調合の割合によっては、ちょっとばかり大人な空間に似合う香りづけになる。
だからそれなりの値が付いているわけなのだけれど。そこまで具体的には説明せずに、言葉を濁しておき。
「良いんですか?
それじゃあ、お言葉に甘えて。代わりに今回もクッキーありますよ?」
距離はさほどではないものの、やはり道が悪いために、そろそろ休憩が必要な頃合いだった。
誘われれば、遠慮することもせずに素直に応じて。代わりにいつかと同じ手作りクッキーを鞄から取り出し。
■ブレイド > 「そっか、時期的にはまだ草の芽が出てくるには早えからな。
アンタも運がなかったな。こんなとこまで骨折り損たぁ」
期待薄だと言う少女。
たしかにまだ寒風吹きすさぶ時期。
山脈にも近いところでは雪も確認できるほどだ。
冬に茂るような特性のある薬草でなければ収穫は難しいだろう。
少女を誘って焚き火を囲いつつポットに水と、茶葉を包んだ袋を入れて火にかける。
「お香ねぇ。ただの香木がこんな高値で取引されるとは思えねぇが…」
リムリアも『普通に使ったら』と注釈を入れているくらいだ。
普通じゃない使い方もあるのだろう。
薬学や雑貨、植物学などは修めていないのでよくはわからないが。
「お、クッキーか。こないだのと一緒のやつか?あれ、うまかったからそうだったら嬉しいんだけどな」
彼女の言葉を聞けば、表情に喜色を浮かべる。
甘いものがちょうど欲しかったところだ。
■リムリア > 焚火の傍に腰かけて、鞄の中を漁る。
クッキーの方は手作りだから、その味は多種多様
先日のジンジャークッキーに、レーズン、クルミと甘さは控えめながらも、栄養はしっかり取れる。
どれでもお好きなのをどうぞ、と袋を開けて差し出して。
「まぁ……それなりの使い方、ですよ。
私はあんまり使いたいとは思いませんけど。」
まぁ、仮に調合の依頼があったとしても、少女には作れはしないのだけれど。
「骨折り損でも構わないですよ。
それに、今、ちょっと武器を探していて……杖になりそうないい枝があればと思って森に来たんです。」
どちらかと言えば依頼はついで。
本命は魔法に使えそうな木の枝探しだった。
もちろん、末永く使えればそれに越したことはないのだけれど、とりあえずは場つなぎ的に使えそうなものを手作りしようと。
■ブレイド > 「お、わりぃな。んじゃ、テキトーにもらうぜ?
リムリアも、テキトーに飲んでいいからよ」
クッキーと交換と言わんばかりに、少女にマグカップを手渡す。
もちろん自分のぶんも手にするが。
ふつふつと音を立てるポットを手に取り、双方のカップに茶を注ぐ。
クルミのクッキーを口にして、ようやくひと心地。
「ふぅん、それなり…ねぇ。
こんな枝っキレが金になるならまぁオレとしちゃ歓迎だけどよ」
足元に落ちていた枝を一本手にとってまじまじと見つめ
そのまま焚き火にくべてしまう。
続く少女の言葉を聞けば、杖の材料とくる。
魔法具なんかは門外漢ではあるが…
「杖ってーとそれこそ古樹とか枯れた大木とか…
乾燥した気を使ってそうなもんだが。
それに魔力をどうこうっていう曰く有りげな気なんてこの辺にあったか?」
■リムリア > 湯気の立つ温かいお茶を受け取って、まずは両手を温めるようにしながら香りを楽しむ。
そうしてから一口啜ると、ほぅっと息を漏らし。
自分もひとつクッキーを摘まむ。味はと言えば、ちょっぴり高価なハチミツブレンド。
「効果がもっと高いものもあって、そっちはお値段が跳ね上がるみたいです。
たまにギルドに依頼として出されることもありますよ。」
大抵は、そういう品は直接取引だから、ギルドを通されることは少ない。
あっても詳細は別途説明といった感じにぼかしての依頼だったりする。
「あー……そんな立派な木じゃなくて良いんです。
そういうのは、ほんとに希少ですから。一流の魔法使いになってからでないと。」
枯れて乾燥したのが良いには違いない。
けれども魔力がどうというのは二の次で。
「木って、それ自体に魔力属性を秘めてますから。
多い少ないよりも、その由来っていうのかな。効能みたいなものがあるんですよ。」
詳しく説明しても専門的過ぎるので、ふんわりと。
魔力はむしろ使っていくうちに馴染んでくるといった方が良いだろう。
何にしても、これも急いではいないので、良いのが見つかればといった感じ。
■ブレイド > 仕事も一段落つき、思わぬ来客との茶会。
すっかり気も抜けて、少女と同じような吐息を漏らす。
クッキーは香ばしくもほんのり甘い。
茶にちょうどよく合う味だ。
「まぁ、原料から集めて少しでも安く済まそうってハラかね。
あんまろくなことに使ってなさそうだな…
媚薬効果の香じゃねぇだろうな……」
木の枝一本放り込んだところで香りがするわけでもない。
貴族が重用し、内容を知る少女が忌避するような代物となると、そういう使い方くらいしか思いつかない。
あまり面白くない話はいいかと、少女の杖の話に耳を傾ける。
「木の魔力?精霊がなんだーってやつか?それとも大地の魔力流がどうのーって感じか?
だめだな、どれも聞きかじりだ。
まぁいいや、こっちも急ぎってわけじゃねぇ。依頼不成立で木こりの真似事して帰るってのも味気ねぇだろ
手伝ってやらァ」
杖のために使う材料とは言うが…細い木の枝一本折って終わりとはいくまい。
■リムリア > 相手の言葉には、苦笑を浮かべ。
「媚薬っていうほど効果はないですけど。
それでも配合次第では、効果は高まりますから。」
さすがに焚火に放り込んだところで、そこまでの香りがするわけでもない。
燃えている枝を取り出して香りを嗅げば、ほんのりと甘い香りはするだろうけれど。
焚火の匂いに紛れて、はっきりとは分からない。
「どちらかというと、精霊が~っていうのに近いです。
他の言い方だと、お茶の効能とか…?
例えば……白樺とだと、守護、浄化、あと悪魔祓いとかに効果があったりしますね。」
それもどのような杖に仕立てるかで変わってくる。
組み合わせる素材によって、その変化は千差万別で。
手伝ってくれるという相手に、頭を下げるものの。
「ありがとうございます。
でも、こればっかりは偶然の出会い的なものだし。
狙って、見つかるものじゃないので大丈夫ですよ。」
と、まぁ、そんな説明。
一応、欲しい効能のある木の種類は告げてみるけれど。
■ブレイド > 「当たらずとも遠からずってわけか。
ま、高値の理由ってやつは概ね理解した…
なるほどね、甘ったりぃというか…娼館のそばで嗅ぐ匂いに少し似てらぁ」
スンと鼻を鳴らして、彼女の取り出した枝の煙を軽く吸い込む。
ほんのり香る程度だが、自分はそれなりに嗅覚は鋭い。
実際には違うものなのだろうが、似通ったものを感じる。
「お茶の効能。
そういうもんか。
魔法は使えるものの、学校とかで習ったってわけじゃねーからな…
どうもそういう、論理的なところはわかんねーや」
彼女のたとえのおかげでなんとなくつかめはしたが。
大丈夫だと頭を下げる少女の前で首をひねりつつうなずき
「あー、いいって。
どうせ、こないだやここってとこで偶然あったんだから何かの縁と思ってな
ま、大丈夫だってならな。このあたりは比較的安全だしよ」
クッキーをもう一ついただき。
こんどはジンジャー
■リムリア > 金額が高いということはそれだけの需要があるということ。
すんと鼻を鳴らす相手の仕草に、小さく頷いてみせ。
「そっち方面の需要は多いみたいです、やっぱり。
貴族の方は、ブレンドして使うみたいですけれどね。」
枝ひとつくらいでは、少女にはあまり感じ取れないけれど、どうやら目の前の相手は鼻が利くらしい。
前髪に火が燃え移らない程度にまで顔を近づけてみるけれど、感じ取れるのは煤けた臭いばかりで。
「私もお師匠様から教えて貰ったそのままの受け売りですから。」
そういうもんです。と笑いながら答える。
難しく考える必要はない。要は好きなお茶を楽しむように、自分の好きなものを選びなさい。と少女の師匠も言っていたのだ。
それは、感性とも、第六感とも言えるのだろうが。
「この森は安全だとは思うんですけど、それでも何があるか分かりませんから。
ご一緒していただけるなら、心強いです。
杖の素材探しの方は、どこに探しに行くってものじゃないので。」
ほんの少しの油断が大事故に繋がる。
気を張る必要はなくとも、緩めることは論外で。
杖探しに関しては断ったものの、時間があるというなら同行自体はお願いしておこうと。
■ブレイド > ろくなもんじゃないと笑いながらお茶を飲み干す。
北のシェンヤンから帰ってきた際に持ち込んだ茶葉だが
悪くない味だ。
「受け売りね。その割にはしっかりした魔術師って感じに見えるぜ?
大魔道士っていうには見た目地味だけどな」
髪色はともかく彼女の服装…。
鮮やかな色のローブではあるが、装飾などがそれほど見られるものでなく
どちらかといえば実用主義的な作りにみえる。
それが悪いとは言わないが、落ちついた色彩を好むのだろう。おそらく。
「ああ、それくらいはな。
どーせ、見つかるまでうろつくってわけじゃねーだろうし
長くて明日までってとこだろ?それくらいならどーってことねー」
任せろと胸を張って頷く。
「そういや一人なのか?人のことはいえねーが」
■リムリア > 焚火の匂いも悪くはないものの、お茶の香りの方が落ち着く。
前髪が焦げていないか確かめてから、お茶を啜り。
「褒められてるのか、貶されてるのか、判断に悩んじゃうところですね……」
はっきり面と向かって地味と言われれば、いくら自覚していても来るものはある。
実際に派手なのは好みじゃないから、一向に構わない。構いはしないのだけれども!
「弓でも練習して攻撃力を強化しようかとも思ったんですけど、
私の場合は、やっぱり魔法かなーっと。
だから、魔術師に見えるならそれはそれで嬉しいんですけどね?」
魔術師のトレードマークである杖はまだこれからというところではある。
それに魔術師としてやっていくなら、治癒だけでなく使える魔法の種類も増やさないといけないだろう。
杖の素材が見つかるかどうかは運頼みとして、同行に快諾が得られると「よろしくお願いします」と笑みを浮かべ。
「?? 他に誰かいるように見えます?」
尋ねられた内容に、首を傾げてしまう。
ここの森の往復くらいなら、旅慣れたものならピクニック感覚だろう。
少女はそこまでではないにしても、パーティを組まなければならないほどの難度でもなく。
■ブレイド > 「貶してるつもりはねぇけどな。
まぁ、すげー魔術師ってのは、なんか色々魔力のこもった装飾やらなんやらつけてるもんだろ?
だから、まぁ、若くして才能あふるる天才ーとかだったらオレも萎縮しちまうし
それにリムリアの服装は目に痛くねぇからな。どっちの意味でも落ちついてついてけるってわけだ」
貶しているつもりはないが、褒めてるようにも聞こえづらいのも事実。
実際には親しみやすい少女相手の軽口のようなものなのだが
この冒険者はどうも口がよろしくないらしい。
「弓ってのはわりと集中力やら使うっていうしな。
それに両手がふさがったりすると魔術形態次第では魔法を使うのに支障をきたすとか」
そうなったら、弓矢を投げ捨てて魔術に移行すればいいのだが
ならはじめから魔術を使えばいいという話で。
彼女の考えは間違ってはいないだろう。
「…みえねーが…ってか、いいのかよ。こんな森の奥で
男と二人きりでってよ」
不思議そうに首を傾げる少女に、端的に今の状況を説明する。
それこそ今更であるが。
■リムリア > 相手の言う「すげー魔術師」像というのは分からなくもない。
事実、冒険者ギルドにやってくる魔術師というは、そんな感じの人も多い。
それは鋼鉄製の鎧なんて着れないから、守護の恩恵のある装飾品を身に着けているのだろう。
上級冒険者ともなれば、行く場所もそれなりに物騒だから守りを固めるのは必須とも言え。
「まぁ、私の出来はそんなに良い方じゃなかった……ですけどね。
目に痛く……そんな風に言われたのは初めてです。」
天才と言われたことも、才能があるとも言われたことはない。
まぁ、褒められているようには聞こえないけれど、落ち着いて付いていけるというのであれば、深くは気にしないようにしよう。
「………ソウデスネ。」
集中力云々の前に、引くので精一杯でした。
まずは筋力トレーニングから始めないと狙いを定めるどころの話じゃなかったです。
とは、さすがに言えず。相槌を打つに留める。若干、声が上ずったかもしれないけれど。
「え? ブレイドさん、そういうことしちゃう人なんですか?」
これでも一応、人を見る目はあるつもり。
むしろ、それを言うなら初めて出会った時にこそ、気にすること。
大丈夫だと思ったから、あの時も一緒に居たわけだけれど。
そんなわけだから、少し茶化したように僅かに屈んで上目遣いに相手を見上げて尋ね。
■ブレイド > こちらのすげー魔術師のイメージはなんとなく伝わったようだが…
むしろ少女言葉は歯切れも悪く。
そういえば雨宿りのとき、魔法で火をおこす、などと言ったことはしなかった。
攻撃用の魔術は不得手なのだろうか。
「出来云々で言ったらオレだってもともと零細冒険者だったぜ。
…目に優しい色ってやつだな。ずっと見てても疲れねーっていうか」
才能だなんだという話であれば、自分だってあまり豊かな方ではないだろう。
冒険者の中には、新米でありながらゴブリンの群れ程度なら物ともしないというものだっている。
自分はそうではなかった。今でこそそれなりにはやるようになったが。
彼女の反応を見るに…いや、体格を見るに、弓の才能にも恵まれていなかったようだ。
深くは追求住まい。
だが、いいのかという質問の答。それはむしろこちらを誂うような口ぶりで。
「……しねーとはかぎらねーぜ?可愛い女といっしょにいりゃ、多少は嬉しいもんだしな」
信用してもらえるのは嬉しい。
もちろん、襲いかかるなどということはする気はない。
だが、全面的に信用されるというのはどうも恥ずかしい。
実際、少女の可愛らしい仕草に少し頬を赤くしてしまう。
■リムリア > 派手な色は自分も苦手だから、どうにもこういう色合いが多くなってしまう。
それはそれでちょっと気にはしているところではあるけど。
「その零細冒険者さんが、強くなれたコツみたいなのを伝授してください」
結局、冒険者というのは独学が多いのだけれど。
武器の扱い方などは、それぞれの流派があったりするけれど、先の手慣れた火の熾し方などは、先輩から学ぶ部分も多いわけで。
そういうところは、積極的に教えを乞うていこうと。
「じゃあ、手を出すときは、ちゃんと口説いてからでお願いします。」
可愛いと言われれば、先ほどの地味発言は水に流しておこう。
間違っても力づくで襲わないでくださいね、と冗談交じりに返しておく。
あまりからかい過ぎて、本気で襲われたら大変と、悪戯は程々に。
「それじゃあ、そろそろ行きましょうか。
一応、薬草の群生地まで見に行ってみて、なければ帰るって感じですけれど。」
余ったクッキーをリュックに仕舞い込むと、よいしょ、と背負い込む。
距離はそうでもないけれど、余りのんびりしていても陽が暮れてしまうだろうと。
■ブレイド > コツ。
コツ、と聞かれると少し困る。
自分はきっかけを貰ったおかげだとは思うのだが…
「えーと…努力と…そうだな、自分にあった力の使い方ってやつ?」
それくらいだ。
正直、彼女はそれくらいわかってるはずなのだが…そうとしか言えないというか…
分野が違いすぎて、伝授できるのは心構えくらいなものだ。
「りょーかい、リムリアもオレを襲うときは予め教えてくれ」
そもそも力づくで女を犯すなどと言ったことは嫌いだ。
彼女の冗談に軽口を返しながらも、彼女の言葉には強く頷く。
「わかった。んじゃ、行くか。
まぁ、王都までは間に合わねーにしても、せめて森くらいは抜けてーもんだしな」
火を消し、少し残った茶を撒いて軽くポットを吹いてから仕舞う。
椅子にしていた背嚢を背負って彼女の前に立つように少し早足
■リムリア > 何事においても努力は大事。
それも継続させることが重要だろう。
身に染みて理解しているとはいえ、先輩冒険者からそう言われると、それが正しいとよく分かる。
「力の使い方は、もっといろいろ考えなきゃいけないんでしょうね。」
むぅー、と考え込む。
治癒魔法ひとつとっても、使い方はいろいろ工夫のしようがあるわけで。
簡単な心構えだけれど、それを実践するのは容易いことではない。
「ふぇ!? 襲わないですよ?
というか、私が襲うなら不意打ち以外じゃ無理だと思います!」
冗談だとは分かってはいるけれど、内容が意外過ぎた。
真っ向から向かって行ってどうにかなるとは思えない。
正々堂々と不意打ちしますと、訳の分からない軽口をたたきながら、森の奥へと。
残念ながら予想通りに薬草はまだ生えてはいなかったものの、それなりに賑やかな道中になったことで―――
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からリムリアさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からブレイドさんが去りました。