2020/01/11 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯 森」にスミさんが現れました。
スミ > 自然地帯に広がる針葉樹林の森の奥に、ぽっかりと丸く開けた草の広場。
冬とはいえ午後の日差しが燦々と降り注ぐそこは緑色の絨毯で覆われて、小さな花さえつけているものもある。

特に切株なども見当たらず、なにやら『自然』の作為的なものを伺わせるその広場。
そのちょうど真ん中に今、うつ伏せにばったり倒れている者がひとり。
日差しはオレンジ色にその赤毛や背中に降り注いでいるが、そのままじっと動かないのは、日光浴とかではなさそうで……

「………おなか、へった…」

鳥打帽をのせた頭だけが横向きになって、そんなうめきが聞こえて来る。
遠くから、渡り鳥の鳴き交わす声。
はぁ~という吐息と共に、くぅぅ~と空しい音が。

調査のために森に入ったは良いものの、熱中しすぎて食料をどこぞに落としたか置いて来たらしい。
それに気付いたらとてつもない空腹に襲われて、しばし休憩中。
のつもり……

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯 森」にゼロさんが現れました。
ゼロ > 森の中と言うのは、魔族が潜みやすい場所である、視界が悪い場所であれば、潜みやすいのである。
其れだけではなく、森の中は彷徨い易く、道を見失う者もいるのである。
色々と危険な場所であるので少年は、重点的にこの森の中を調査するのである、仮面のお陰で、森の暗さは気にはならない。

「―――?」

森の中、がさりがさりと動いていると、小さな声が聞こえた気がした、ついでに、何かが鳴くような音。
誰かが居るのだろうか、森の中であれば、危険な魔獣や猛獣もいてもおかしくはない、声が人だとすれば、襲われているという可能性も出てくるのだ。

「誰か、居るのか?」

声を上げて問いかけてみることにした、少年は音のした方向に向けて、歩くのである。
さくり、さくり、草を踏みしめ、かき分けて、進んでいくのである。

「誰かいるならば、応えられるなら返事をしてほしい。」

淡々と声を放ちながら、少年は森を進むのだ。
音源の方向―――その人間が腹を空かせて倒れている方角へ。

スミ > 暫しぽかぽかと陽光に背中から温めてもらっていると、うとうとと眠くなってくる。
勿論お腹はとてもへって息をする度といって良いほどにくぅくぅ鳴くのだが、今やそれは、頭に霞みをかける一端になりつつある。

遠く近く、鳥の声。
たまーに、小動物が駆けてく音。

と。

人の声が、聞こえたような。
寝転がったまま、ぼやんと閉じかけていた瞼を上げる。

「……ふっふっふ。ついに、幻聴というやつかなあ………」
ぐぅぅ~

声を出したせいなのか、お腹から呼応するように響く音。
もしかしたら弱々しい声なんかよりも、余程響き渡って耳に届くかもしれない……

ゼロ > 「―――む。」

少年の普段から着けている仮面には、魔力を感知する能力が有る。奇しくも、彼女の眼鏡のそれと同じ効果であった。
故に、近づくにつれて、大きくなっていくお腹の音に、彼女が持つマジックアイテムの魔力を認識始めた。
それが、魔族の魔力ではないのは、魔力の流れ方から推測が出来るので、誰かが居るのだろう、と少年は理解するのであった。
魔力の元に近づくように少年が歩いていき、がさり、がさりと、草の根をわけてみれば、開けた空間に到着する。

そして、そのど真ん中に倒れ伏す人の姿。
状況が状況であれば、幻想的ともいえるのだろう、ただ、何やらその幻想をぶち壊すにふさわしい音が聞こえる。
ぐー、だの、きゅるるる、だの、くぅくぅだの。

「もしもし、其処の方、倒れておられている方、生きてるようですが、助けは必要ですか?」

少年は、倒れている彼女を見つける、お腹から聞こえてくる音に、よく聞いた音なので、ふむ、と考える。
声よりも。

少年は、近くに腰を下ろし、背中のバックパックから携帯食料を取り出す。
鍋に水袋から水を注ぎ、火をつける。
固形の携帯食料を溶かしてスープを作り始めるのだ、ちゃんと干し肉を切って入れるのだ。

いい匂いが、直ぐに立ち始めた。

スミ > なんだか、人の声だけじゃなく気配までが近付いて来る気がする。
そうしてその声が、なんと傍まで来た挙句
なんだかごそごそ音が聞こえてきた後、しばらくしてから良いにおいまで……

ぐううぅぅぅぅ~
「はぅぅ…」

香りのお陰で活発になってしまったらしい胃袋からの悲鳴に、呼応するように女からも切ない悲鳴が。
空腹は最早、苦しいくらいになって
ずるぅ、と腰を持ち上げて、そのままお腹を抱え込む様に丸くなる。
さながら、緑色の団子虫。
帽子がずり落ちてふわふわと零れた赤毛だけが、なんとか頭部のある生き物だと判別できる材料だ。

「ううう……走馬燈……ならぬ…走馬匂……」

か細い声が、少年に届くだろう…

ゼロ > 「いろいろ、拙い状態、だな。」

少年は近くでスープを作りながら彼女の様子を眺めるのだが、何か色々拙いと思うのだ。
近くで食事を作ったのだけれども、反応どころか丸くなるのが判った。

「もし、ご婦人、食事だ、食い物だ、お腹が空いてるようだし、食べるといい。
 死ぬのは、其れからでも良いんじゃないだろうか。」

か細い声に対して、少年はあくまで冷静に平静で、兵士と言う職業上、殺した死んだ、そういうのは慣れっこであって。
彼女が死にそうなのに平静なのはそれが有るからかもしれない。
取りあえず、声や匂いではだめらしい、なので、彼女の肩を掴んで軽くゆさゆさして見せて。
そして、木の器に、スープを注いで見せるのだ。
固形食糧を溶かしたスープはドロリとしていて、お腹にたまる便利な栄養食。
美味しそうな匂いがするのは、木の実や干し肉などを入れているからでもある。

スミ > 声が聞こえる。
なんと、最後の晩餐を用意してくれたらしい。

「幻聴にしては…手が込んでいる……」
丸くなったまま呟くと、へへへ、と身体を弱々しく震わせて笑う。
もっとも、くぅぅ、と音が続いてまた切なげな吐息を漏らすことになるのだが。

肩を揺らされる。
うん?いや自分で揺れているのかしらん?
それにしても、先から堪らない匂いがしてくる。
ずるぅ、と顔を上げると、草が若干纏わりついて来る。
眼鏡の奥から緑の視線と、そばかすの浮いた鼻でもってその根源をさぐって……

嗚呼、ついに幻覚が。
美味しそうなスープが。
「………ふふふ」
不気味な笑いを零しながら、またずるぅと顎をひきずりながら器の方へ。
多分、放って置いたら顔から突っ込んで
盛り付けを台無しにするか、スープで窒息死するかだ。

ゼロ > 極限状態なのだろう、なんか色々と思考が固まっているようにも見受けられる。
幻聴が手の込んだ幻聴と言って居るのが聞こえるのだ、食事はまずかっただろうか、もっと別の方法を―――とは言っても、少年は初めて見る彼女がどんな人間かを知らないので、何を与えればいいのかはわからないのだ。
一発ぶったらいいのだろうか、とか、しげしげと仮面のままに観察するしかできないのである。

すると、彼女はずるずると動き始めるのがみえるのである、ちゃんと木の器に向かって少しずつ、少しずつ。
このままでは。
まあ、崩してしまうのは仕方がないだろう、そして、窒息だけは無いだろう、スープだし……。

「不安になってくるな……。はい、これ。」

そういって、器と彼女の中間に、スプーンを差し出すことにする。

「最後の晩餐は冗談だから、もし食べられないなら……食べさせてあげるから。」

大丈夫か、と思いが強くなってきた。

スミ > 目的に向かって這い進んでいた顎に、少年が差し出したスプーンが触れる。

「…………」

それを眼鏡の奥から目を寄らせて見て。
ぱちぱち、と数度瞬きをして。
それからそのスプーンが表れた方向を見て。

「!…………」

草を張り付けたままの顔で、緑の目が見開いて赤い唇がはくはくと動く。
人だ。
たぶん本物の。
仮面をつけた顔から蜃気楼のような靄が見えるのは、魔力のせいか、果たしてまた空腹が見せる幻覚か。

「あのう……もし?」

恐る恐る、か細い声が漏れる。
返事をして欲しい気もするし、返事が聞こえてしまったら不味い気もする。

「もしかして……親切な方でしょうか?」

詰まるところ
妙な問いかけを少年にすることになったわけだが。

ゼロ > 「少なくとも、善良な市民に対しては、親切にしてる。王国軍第七師団、兵士、ゼロ。」

もしかしなくとも、と言う言葉は聞こえるのだけれども、なら、答えよう。
少年は隠し事はしないのである、先にも言ったが王国軍の兵士なのであるからして。
しかし、ちゃんと意識がはっきりしている、瞳孔もシッカリ此方を見ているのが確認できた。
あとは食事をしてもらい、状況を確認するのみであろう。

「食事している間の安全は確保しますから、安心して、ゆっくり食事していただいて構いませんよ。」

少年は、立ち上がり、彼女に背を向けよう。
鉄の槍を取り出して、警戒をすることにした。

「食事が終わって人心地ついたら、声をかけてもらえると嬉しい。」

と、ゆるりと、一歩離れるのだ。

スミ > ぱちぱちと、仮面の少年に瞬きを繰り返す。
自分が想定もしない答え―――少年からの名乗りが返ってきた。
ということは、これは紛れもなく本物だ。

ほっと安堵するとともに、持ち上げていた腰がへなっとまたつぶれる。
ふうーと吐息とともに、またくぅーと鳴き声が聞こえて来た。

「はぁ、ありがとう…ご親切に。
 ふぬ……」

ぜいぜい、と息を付いてから、背中を向けた少年の背後で上半身を持ち上げようと力をこめる。
背中がぷるる、と震えて、はあーと諦めの溜息が漏れる。

仕方がない。
大分みっともないが親切な方も背を向けてくれていることだし(そのためではないと思うけれども)、
多少みっともないが、へっぴり腰でねそべったまま、器からスプーンで掬ってスープを飲み始める。
時折、あらぬ方向に手を持って行って、スプーンに鼻先を突っ込んだりしながらも
やがて、器も空になって、女からは満足と安堵の吐息

「ごちそうさまでした!
 やあ、ご親切にすみません。
 師団の方にお手間を取らせるつもりは無かったんですが。
 ちゃんと食料は持ってきたはずだったんですがね、何処ぞに行ってしまったようで。
 まあ今頃は、冬に目を覚ましてしまった動物か何かがきれいに平らげてくれているとは思いますが」

腹が満たされた途端、身体よりも先に口先が元気になったようだ。
滔々とそこまで喋った後、むくり、と身体を起こしてにこにこと仮面の少年を見遣る。

「ゼロさん。
 ああ私は『スミ』と呼んでください。
 しがない学者をやっております」

ごしごしと顔に貼り着いた草を手の甲で擦ると、泥汚れが見事に着いていく。
ふと気づいて空を仰げば陽も傾きかけだ。

「ええとですね。
 ゼロさんはこれから、どちらにお向かいでしょう?
 もし王都のほうへなんか行かれるんでしたらひとつ、私も付いていきたいと思うんですけれども」

迷惑でなかったら、と付け足して
鼻の頭までずり落ちた眼鏡を直し、首を傾げて見せた。
緑の視線は今や、縋るよう。

ゼロ > 背を向けている間、彼女からの言葉を聞きながら、周囲の警戒をする、恐らくこの周辺は動物たちの憩いの場所なのだろう、魔獣や、肉食の獣の気配はしないように思える。
周囲を見回しても、特にそういうような影も見えないし、危険な植物が居るような雰囲気もない、大丈夫であろうと思うのだが、彼女が食事を終えるまでは、少年はこのままでいる積りであった。
暫くの間、彼女がスープを啜る音がするのが聞こえる、ちゃんと食べて貰えているようで、安心できる、お腹が膨れれば、もう少しまともな判断もできよう。
良い事だ、と少年は仮面の下で小さく笑みを作り上げるのである。

―――最初に驚きの声も何もなかったのは、きっと、お腹が空きすぎて、頭が回ってなかったのだろう、とも。

「いいえ、国民を守るのは兵士の義務であり、悦びですから。少しでもお役に立てたのなら幸い。お気に為さらずに。
飢えて死んでしまう前に、見つける事が出来てよかったと思いますよ。」


彼女から見える少年の仮面は、無貌であり、つるっとしたものである、食事をとるための口の部分も、視界を得るための目の部分すらない、完全な、仮面なのである。

「スミさん、学者様なのですね、護衛もつけずに森に来るのは、危険ですよ。特に女性の一人など、盗賊に有ったら攫われたり犯されたり、この国では日常茶飯事なのですから。」

出来れば危険な事をしてはほしくないな、少年は兵士として守るものとしての感想を一つ。
森に出るなとは言わない、学者の勉強や研究が自分等の生活に跳ね返ってくるのだから、だから、せめて身を護る護衛を雇ってほしいと。
彼ら学者は国の宝ともいえるのだし。

「第七師団の仕事は、国中の捜索と、魔族の退治です。
僕は遊撃として、一人での調査と退治を任されてますが。
その前に、兵士としての本分は、国民を守ること、にあります。
王都に行かれるのであれば、護衛致しましょう。」

それが、兵士としての役割なのだから。
少年はゆるり、と振り向いて、バックパックから水袋をもう一つ取り出す。

「どうぞ。準備等が出来ましたら、移動しましょう、夜になれば、危険も増えますし。」

飲むなり、顔を洗うなり、お使いください、と差し出しつつ。

スミ > 「いやあ、私も色々好き勝手に動くもので、護衛なぞ頼むと迷惑を掛けてしまうもので。
………まあ、結局こうやってゼロさんにご迷惑をおかけしているわけですが」

ははは、と泥の付いたままで笑って後頭部を掻く。
きっとそれで、赤毛も多少泥が纏わりついただろうが、気付いていないのか女に気にする様子はない。

「まあ私は見ての通り捕まえても売れなさそうですからね。
 何とかうまくやれているみたいです。ええ。
 ああわざわざ護衛などされなくとも!
 ならば方向を大体教えて頂ければ、だ―――っと駆けていけますから。
 私なぞまあ学者といったって端っこの隅っこのキレっぱしですからまあ大丈夫です」

赤毛を揺らしながらぴょこん、と立ち上がる。
器とスプーンを少年の方に差し出しながら、交換に差し出される水袋に瞬くと、どうも、と微笑って、一口。

「しかしゼロさんもお若いのに、おひとりで行動を任されるとは大したものですね。
 その仮面は何だかそういう証だったりするんでしょうか?
 ああ答えたくない場合は結構ですよ!」

ごちそうさまでした、とまた水袋を少年にさし返して
王都の方向を教わろうと、にこにこと首を傾げてそのつるりとした面を眺める。
…その視線はやや、しつこく仮面を這ったりはするけれども。

ゼロ > 「ははは、それはそれは。でも、護衛ならば、それが仕事ではないですか。迷惑を掛けられるのを、お金で消化すると、考えてしまえばいいのです。」

少年は、軽く笑って返答して見せる。護衛をするなら、其れこそお金をもらってやるのだから、その位は許容しないとと。
これは完全に少年の感覚なので、他の人の感覚がどうなのかは知らないけれども。

「学者の知識と言うだけで値千金だとおもいますし、その身に付けている靴やローブも魔法の道具と見受けられますし。売られますよ?
 女性と言うだけで、慰み者にされないとも限りませんし。
 森の中では方角を失いやすいですし、何より私が不安でたまらなくなります、ちゃんと出られたかどうか、と。
 なので、見つけてしまったので諦めて助けられてくださいな。」

立ち上がる彼女に、少年は軽く言うのだけれども、諦めて助けられろ、とはなんともはやな言い方である、常識?ありませんとも。
器とスプーンを受け取り、タオルに来るんでカバンの中へ、鍋も同じようにタオルにくるんでバックパックへ。

「はは、師団に居ながら、集団行動が苦手なだけですよ。
 この仮面は、軍に入る前からのモノですよ、見逃してもらっているだけです。
 この国に来る前に、遺跡で見つけたもので、傷を癒す力と、闇を見通す力と、魔力を視覚化する力、幻術を見破る力―――があるんです。」

彼女の質問に答えながら、水袋を受け取り、それを腰に戻して見せて。
あ、とさらに言おうか。

「外すのは無しで、これ、を付けているから、生きてられるので。」

生命維持の力がメインなんですよ、と、軽く言ってのけるのだ。
本人は、仮面に関して、深い感慨などは無いからこその、気軽な言い分。

スミ > 諦めろ、と言われるとううん、としぶしぶ頷く。
本当はお腹がふくれて、彼と喋っているうちに大分元気と気力も戻ってきたせいで、また続く限り周囲を観察してから帰ろうと思っていたり、した。

「はあ流石ですな!その通りちょいと魔法の道具など使わせてもらってます。
 まあでも、取り敢えず今の所そんな奇特な方はおられませんなあ。
 もちろん居てくれなくて良いんですが!
 …ううん、そうですね。
 ゼロさんにはまあ、毒を食らわば皿までと言うことにして頂いて」

ご厄介になります、とぺこりと頭を下げる。
ひょこんと頭を戻した時には、もうにまにまと紅い唇が何をしてか上機嫌に笑っていた。

「ははあ、私も集団行動は苦手ですから気が合いますな!
 それはそれは珍しい力の籠った仮面で……
 …………生命維持ですか?」

少年について行こうと、その行動を見守っていた頭がかくん、と傾く。
ぱちぱちと瞬いて、また反対側にかくん。

「…………ゼロさん、難病かなんかだったりします?」

続いて
あれそれの病にはこの栄養素がどうだとか、新しく出た新薬はじつは別の効果のほうがすごいとか、あの精霊が振りまく気が赤子の寝つきをよくするだとか。
王都に着くまでの途上、すこしも口が止まらない女との会話に
少年はきっと、護衛を申し出たのを後悔したかもしれない……

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯 森」からスミさんが去りました。
ゼロ > しぶしぶ頷かれた、確かに、諦めて助けられろとは、は変な言い回しだっただろうか、と少年は少し考える。
彼女がしぶしぶ了承した理由を知らぬままに。

「この仮面が、教えてくれましたから。
 奇特と言う訳ではないと思いますけれども……?
 毒も皿毎行ってしまいましょうかね。」

彼女の言葉に対し、軽く返答しながらも、其処迄卑屈になるのだろうか、彼女の容姿を見ても、十分襲われそうな気もするんだけどなぁ、と。
仮面の下で、茶目っ気たっぷりに笑うその笑みを眺めて考える。

「ええ、生命維持、です。」

彼女の質問に対しては、少年は確りと返答をするのだ、学者様だし、もしかしたら、何かしらの糸口が有るのかもしれない。
そんな期待がないと言えば、嘘になるし。

「何と言えばいいのでしょうかね……。」

病気ではないのだ、体質……でもないと言えばない、もともと、人工的に作られた今現状の状況だし。
何処迄どう説明すればいいのだろうか、首を傾げる少年は、彼女の色々な情報量に、舌を巻きつつ、それを聞きながら。
彼女を王都迄護衛していくのであった―――。

少なくとも、道中の会話は楽しんでいた、本人的には。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯 森」からゼロさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にガルルさんが現れました。
ガルル > がさがさっ、がさがさっ。
冬の枯れた森の中、響く葉のこすれる音。
籠を背負った少年は冬にしか取れない種類の薬草探し中。

木の根元にしゃがみ込むと枯れ草を指で払いその下の薬草を根を残して採取。

ガルル > ぷちぷちと草がちぎれる音が響く。
背負う籠は大分重さが増し始め背負い籠の紐が肩に食い込んでいく。
寒いが動き続けているためにその額はうっすらと汗ばみ始める。

ガルル > 薬草はこんなもので十分かなと、重くなった背負い籠に小さく一息。
ゆっくりと立ち上がり、体をのばすように背伸び。
キャップの中もこっとした耳を注意深く動かし、
周囲の音に意識を向ける。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からガルルさんが去りました。