2019/12/23 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」に鈴さんが現れました。
■鈴 > ズドォンッと巨大な体躯が地面へと倒れ込む。
それはこの付近を荒らしていた巨大な魔物であった。
しかし、今や身体に付けられた数本の切り傷を致命傷に、その命は風前の灯といえよう。
その音に紛れるようにして、ストンと魔物の側に軽やかな着地をしたのは一人の少女。
「これもお世話して下さった方のお願いなのですよー。
ですから、ごめんなさいですねー」
向けられた声は、その場の緊張感を無視した間延びした声。
浮かべる表情も又、にこやかな笑みを湛えていた。
フワリと流れる微風に、腰まで伸びた艶やかな黒髪と薄い黒色のワンピースドレスの裾を靡かせて。
ここに来たのは、ちょっと前にお世話になった村の方達の為。
道に迷い、お腹を空かせていたところを助けて貰ったのだ。
小耳に挟んだ、狩場に現れる巨大な魔物。
一宿一飯のお礼と魔物討伐に名乗りをあげた、との流れで。
ポスンとその場で腰を下ろすと肩に下げた鞄を開ける。
取り出したのは紙包み、それを広げれば出て来るのはサンドイッチ。
手に取ればパクッと頬張り食べ始めた。
■鈴 > いくつかあったサンドイッチも時間を掛ければ食べ終えられる。
満足そうにしながら立ち上がれば、ポンポンッとお尻を叩いて。
「あれ…?」
そこでふと少女は首を傾げた。
その眼が右へ左へと向けられて、また傾げる。
「王都ってどちらでしたっけー…?」
巨大な魔物探しは適当に歩き回れば簡単に見付ける事が出来た。
しかし、帰りを考えず適当に歩いていた為に、帰り道が分からないのだ。
付近の地域の知識もない、方向感覚が鋭い訳でもない。
考えに考えた結果、とりあえず適当に歩けば戻れるんじゃないかな、との結論に到った。
そんな考えで正しい帰り道へと辿り着くかは疑問である。
■鈴 > 少女は、無事に王都へと辿り着いたのか。
それとも…
その先の事は、少女と、出会うかもしれない人達が知る事だろう。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」から鈴さんが去りました。