2019/12/07 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」に白冥花さんが現れました。
白冥花 > ――…夜空に輝く冷たい月。
太陽とは違った冷たい輝きで宵闇を照らし、草原一帯を隅々まで月光で満たし静かに夜空に浮かんでいる。

凛と冷たいその月光を真っ白な花弁をした花達が蕾を開かせ大輪の花を咲かせてその身に集め、代わりに芳しいほんのりと甘い香りを月光の満ちる草原地帯に漂わせる。

3日前までは緑一色の草原地帯をあっという間に白に染めた魔性なる純白の花の名は「白冥花(はくめいか)、非常に希少で霊薬や傷薬の材料にもなる花である。

緑を覆うように咲き乱れ、一面の緑を白へと塗りつぶした白冥花は今宵は月光浴を楽しんでいるのか、時々花を揺らし蕾を揺らし、月光の魔力を溜め込んだ分だけ濃密になる甘さを含んだ香りを広げ、その香りを用いて苗床になりそうなニンゲンと誘い招くのだ。

蕾は大小様々。
咲く乱れる花も同じように大小様々な大きさの花を揺らし、その姿はまるで純白の花畑に誰かを手招きする仕草に見えなくもないが、その甘い誘惑に一度でも誘われてしまえば、そのニンゲンは花咲き乱れる苗床へと堕ちるだろう。

ここはメグメール自然地帯、草原であった場所。
降り注ぐ月光の魔力に白冥花は咲かせた花の花弁に魔力を蓄えて、それ養分として繁殖を行おうとその瞬間を待ちわびる。

――…時間が経つにつれて養分として蓄え切れない月の魔力を白い花弁に輝きとして消費して、それでも蓄えきれぬ分は犠牲者を招く香りの濃度へと変換されていく。

甘い香りの濃度はイコール白冥花の危険度。
今宵の犠牲者は香りに誘われ招かれるのか、希少な花が咲く噂を聞いて入り込むのか……。