2019/11/29 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯 森林」にジナイアさんが現れました。
■ジナイア > 風のあまりない、穏やかな秋晴れの日。
自然地帯のうち、街道からやや離れた広葉樹の森の木々は様々に色づいて、根太の張った武骨な地面が今は黄色や赤色に彩られている。
紅い実を付けた梢には、渡り鳥が止まってその身を啄んで、仲間を呼んでいるのか鋭い鳴き声を上げる。
時折小動物か、ちぃちぃと鳴き声と共に軽い足音で落ち葉の絨毯を駆け抜け、また繁みや木の上へと駆け去って行く。
そんな冬の準備真っ最中の森の中、灰色のマントを纏った黒髪の女がひとり。
赤銅色の手には長弓を下げているものの、獲物を探すようではなく。
周囲の彩りと、動物たちに目を止めてはその翠の瞳を綻ばせて、ふかふかの落ち葉の中を歩いて行く。
弓の練習がてら、得に獲物の当てもなく森へと足を伸ばした。
丁度良さそうな魔物の噂も無かったので、本当に当てずっぽうに歩き回っている。
ふと見上げれば、葉を落とした枝の合間から見える天は高く、白くけぶる薄雲が薄水色に所々で溶け込む。
「―――空振りで終わるかも知れないな…」
唇から小さく言葉が漏れる。
それでも、女のその表情は満更でもなさそうだった。