2019/10/27 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にアミスタさんが現れました。
アミスタ > そうっと、音を殺して洞窟へ近づいていく。
どこにでもいるような格好をした少女だった。
安く薄っぺらい布地の衣服を着て、それに獣の皮の外套を重ねて、そろりそろりと歩く姿。
そこに達人の足取りだとか、狩人の呼吸だとか、優れた技量を示すものは何も無い。

「……見つけた、あれが……魔物の巣」

少し遠くに洞窟が見える。少女はそこへ向かおうとしていた。
よくよく見れば整った顔立ちをしている。目尻の下がった大人しそうな、実際の歳より1つ2つ幼く見えるような。
表情ばかりはきりりと意志を込めて、なんとしても魔物を駆逐して帰るという決意に満ちているのだが。

アミスタ > 少しずつ、少しずつ、少女は歩いていった。やがて洞窟に辿り着いた。
さして背が高くない少女でも、手を伸ばせば容易に天井に触れる小さな洞窟。
そこには一頭の、狼に酷似しているが二回りも身体の大きな魔物が寝そべり、ごうごうと寝息を立てていた。
……腕利きの冒険者なら昼間でも、正面から剣を振り下ろして一刀でかたのつく相手だ。
少女にそれほどの技量はない。

「はー……っ、はー、っ……」

荒くなる息を片手で押さえながら、片手に持つ銃をゆっくりと持ち上げる。
銃口を魔物の頭部に当て、引き金。
ばずんっ。
たった一頭の魔物を仕留めるのに、どれ程の時間を掛けて近づいたかは分からない。
ともかくもこれで少女は、依頼の半ばまでを達成した。

アミスタ > やがて少女はナイフを用いて、魔物の舌と耳を切り取った。
これを持ち帰れば報酬が出る。移動距離からすると、大概の冒険者は割が良くないと敬遠する程度の少額だ。
それでも少女には、こんな方法で経験を積み、金を稼いでいくことしかできない。

「……次の依頼……探さなきゃ。宿代も、そろそろ……」

この夜の少女は極めて運が良かった。
次の夜はどうなることか。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からアミスタさんが去りました。