2019/08/09 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にタマモさんが現れました。
■タマモ > ここはメグメール自然地帯、入ってそう深くない場所だ。
木々茂る中で、佇むのは少女の姿。
開いた扇子を片手に、ぱたぱたと扇いでいる。
しかし、その周囲には何人もの冒険者風の者達が倒れていた。
意識を失っている者、意識を保っている者、それぞれ居るようで。
「いやはや、こんな場所で出会うてしまうとは…運が悪いのぅ?
………ある意味、運が良かった、じゃろうか?
妾の眼鏡に叶う者が、居らんかったんじゃからな」
偶然出会った冒険者、どうやら己の王都での事を知っていたようで。
流して終わるつもりが、捕らえようと襲って来たのだ。
まぁ、当然、結果は見ての通りな訳だが。
と、視線を上に、空を見上げるようにして、ぽつりと呟く。
「それにしても…この時期にその格好とか、よく居られるものじゃ。
妾には、とてもとても、暑過ぎて出来そうもない」
呟き、その視線が、鎧を身に纏う戦士風の者達へと向けられる。
魔術師風の、一部を除く肌を覆うような格好だって、暑そうに見える。
なのに、この者達は、分厚い鎧やらなにやら身を包んでいる。
うん、言葉の通りだ、こんな格好絶対にしたくない。
■タマモ > ぱしん、と扇子を閉じ、はふん、と溜息を吐く。
「いい加減、敵わぬのじゃ、追うのをやめたらどうじゃ?
端金を求め、妾を捕らえるには、余りにものぅ…?」
ゆらりと、内一人に近付き、屈みながら問う。
ふと、視線の端に、袋から覗く何枚かの紙切れ。
ひょい、と手に取れば、そこへと目を通す。
今回、ここに来たのは何かの調査らしい、そして…
「………お、おぉ…」
何枚目か、そこに書かれていたのは、別の依頼書らしきものだ。
冒険者ギルドから出たもの、己の捕獲を指定したもので、その報酬額は…
「お、思ったよりも高額じゃ…一寸、妾自身で出向いてやろうと思うてしもうたが…
考えてみたら、金どころか、捕まって終わりじゃったな、うむ」
ぽいっ、とその依頼書を放れば、それは舞いながら、ぽんっ、と燃え尽きる。
それほどに、魅力的な報酬額だったが…気にするのはやめよう。
■タマモ > さて、どうしたものか。
倒れ伏した冒険者達を見遣り、軽く考える。
当面の依頼は、出会う前に耳に入った会話で、終わっている事は分かっている。
己と出会ったのは、本当に偶然の産物だったのだ。
まぁ、軽く遊んでやっただけで、しばらく放っておけば、動けるようにはなるだろう。
そうなれば、意識を失っている者達も、運べるだろうか。
「冬場でなし、放置して何かある事もなかろう。
妾は諦め、今回は動けるようになったら、さっさと戻るが良い」
それだけを言うと、とん、と地面を蹴り、木の枝へと跳び移る。
ひらり、と手を振ると、そのまま、ふっと姿を消すのであった。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からタマモさんが去りました。