2019/07/30 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からガラティルさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にタピオカさんが現れました。
タピオカ > 昼前の晴天。街道からやや外れた、木々生い茂る森の中。
馬車がぎりぎり一台通れる程度の小道が一応は整備され、時々人の行き来があるその森にはいくつか川が流れている。
涼しげな水音に、枝葉を揺らす風の音。

両手を広げても抱えられないほどの太いシラカバの根本へと、小さな人影が通りかかる。
人影は小川に手を差し入れると、その冷たさに青緑の瞳を細め。両手を差し入れ水をすくうと口元へ。
美味しい、と笑みながら呟きひと心地つくと、
日中の暑さに火照った額を手で拭う。

「目的地のゾス村まではあと半日ってところかな。
日が暮れるまでには着けそうだし、
……ちょっとお昼寝していこう」

懐から地図を広げたら、夏特有のくっきりとした木漏れ日の中で旅程の見当をつける。
暑さに消耗する前にと、この涼しい場所で身体を休める事にして。

……ほどなく、すうすうと軽い寝息を立てて浅い胸を上下させる。
木の根本にもたれかかり、立て掛けた曲刀の脇で瞳を閉じる遊牧民の姿。

タピオカ > ぱさささっ。
目の前で何かの羽音を聞いて、遊牧民はぱちりと目を覚ました。
周囲を見回す。日の高さからして、瞳を閉じてからさほど時間は立っていないようだ。
きっと鳥が通り過ぎたんだろう。
特に注意を払わず、再び瞳を瞑る。

ばさっ!ぱささささっ!ぱさっ!ぱさっ!ばささっ!
騒がしい羽音がする。今度は、目を覚ますと同時に曲刀を手にとった。
何羽もの、大小さまざまな野鳥が一斉に同じ方向へと逃げて行く。

「あは……。こんなところで大物と出会うなんてね。
何が出てくるかな……!」

大きな足音が静かだった森を騒がせる。
小枝が一度に何本も折れる音に、きっとその足に踏まれたらぺしゃんこの塊になってしまいそうな、そんな地響きが入り交じる。
きっと相手は二本足。けれど話が通じそうにないのは、続いて聞こえた獣じみた咆哮からよくわかる。
もともと気性の荒い遊牧民が騒げば、唇を舌で濡らして。
お楽しみがやってきたとばかりに笑むと、周囲の木々よりも高い場所から見下ろしてくる何かに向かって駆け出して行き――。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からタピオカさんが去りました。