2019/04/05 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にガラティルさんが現れました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にぼたんさんが現れました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からぼたんさんが去りました。
ガラティル > 日も暮れたころ。
自然地帯の街道脇。岩にもたれかかるようにして青年が息を休めている
皮鎧と皮のズボンを履き、息を荒くして。
戦闘でもあったのか、という状態だが…血はついておらず獣臭さだけが漂い

「――――、あ、ぐ……」

ぎり、と岩にもたれたまま歯を食いしばる
傷があるわけでもなく、なぜ苦しんでいるのかと言えば自身の飢えだ。

「―――――っ」

血走った目で、街道を睨みつけ。
自身の欲求が満たせる獲物が、前を通りかかるのを待っている。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にぼたんさんが現れました。
ぼたん > 月もごく細く、暮れたばかりでも闇深い夜。
王都の方面から、自然地帯の向こうへと向かう女の影がひとつ。

「はァ……すっかり遅くなっちまって…」

溜息をついて天に瞬く星を見上げる女の耳は黒い毛皮に覆われ、その墨色の瞳の奥にはちらちらと黄緑の光が躍る。
一抱え程の大きさの風呂敷に包まれた荷物を抱えて、街道からよいしょと森の方へと踏み出そうとして…

「う、ん……?」

すん、と鼻を微かに鳴らす。
少し向こう、大き目の岩の方から、何やら生き物のにおいがする…
訝しげに眉を顰めると、草履履きの脚を摺り足に、ゆっくりとそちらの方へ……

「…だれか、居るのかい?」

ガラティル > 女が近寄れば、その嗅覚に感じられた獣の匂いはどんどん強く。
更に、苦しそうなうめき声も聞こえてくる

「……あ、ぐ……。あんた、は?」

そのまま岩の方に進むなら
群青の髪に、少し気弱そうな目鼻立ち。
皮鎧と皮のズボンを身に着けた青年が、ゆっくりと相手を見るか。
身体は震え、具合が悪そうだ。
だが、眼だけは値踏みをするように見上げ、相手の姿を確認している
2つの違和感に、気づけるかどうか

「なんでも、いい。……。ちょっと、ヘマして。」

わざとらしく腕を抑えながら。しかしまた奇妙なことに、血の匂いはしない。

ぼたん > 黄緑の光を零す瞳が、青年を見止めると軽く見開かれる。
調子が良くなさそうだ…と見れば即座に小走りになって、風呂敷を置いて傍らに膝をついた。

「ちょいと、大丈夫かい?
…怪我、してんの?」

血の匂いはしないが、ひたすらに獣の…強い、獣の匂い。
本性が半分獣である女の嗅覚は、その脳裏へ危険信号と混乱とを送るが…それよりも目前の光景だ。
獣に襲われて、血は出て無くても、骨でも折れてるのかも知れない…

「痛むのかい?…ちょいと、見せて」

気弱そうな青年が抑えている腕へ、ゆるりと白い腕を伸ばした。

ガラティル > 「あんた、医者、か?、んで、こんなところに――――」

触れられたとしても、痛みに顔は歪まない
会話はあくまでフェイク。こんな風によってきた雌を近くまで寄せるための。
その思惑通り、相手が白い…目がくらみそうな腕を伸ばしてくれば


「―――っ、ァ…!」

きゅぅ、と男の瞳孔が獣のように変化し、腕が少し膨れ。
抑えていた腕が離れ、相手を捕まえようと。

それが叶えば、そのまま…けがをしているとは思えない、人外の膂力で草原に押し倒し、押さえつけようとするだろう。

ぼたん > 「お医者じゃないけど、応急処置くらいは――、っ!」

触れた腕、青年が痛みに震える様子はない……それを伺うように顔を見れば、その瞳が獣のように変化していく瞬間。
まるでスローモーションのようにそれを確認して、こちらも獣の形の動向が緑の光を零す。
そのまま叫ぼうとした口が声を漏らす前に、呆気なく青年へと仰向けに押さえつけられた。

「なあに、元気じゃないのさ…!」

混乱しつつも、強気に…震える声で抗議をする。
次にはぎら、と睨みつけて

「おいたは、良くないよ……!」
ぶわ。

女から濃い霧が立ち昇り…次の瞬間、青年が押さえつけているのは一匹の大きな顎を持った狼に変じているだろう。
狼はがちがちと、威嚇するように鋸のような歯をもつ顎を鳴らす。

ガラティル > 「―――ァ、!?」

突如、押さえつけていた相手の顔が狼に変わる
彼が術者であればそれが幻惑だとわかったはずだが…
本性は獣であるため、それに騙される
ば、と飛びのき…低く構えて。
多少腕などは筋肉質になったものの、人間の姿からは未だ脱していない

「オマエ、なんだ。雌か?メスなら、関係なイ…!」

様々な声音が入り混じった音。
それが青年の口から出る。

「よこせ、そのカラダ…!、犯させロっ!」

言葉と共に駆け出し、再びの突進。どんな姿であれ、雌の匂いを漂わせているなら関係ない、と。
先ほどの膂力から振れてしまえば逃れることは困難であることはわかるか。

ぼたん > 青年が飛びのけば、再び濃い霧が渦巻いて和装の女が現れる。
半身を起こすと、様々な声音が入り混じる声に目を眇めて、黒い毛皮の耳が神経質に動いた。

「雌っちゃァ雌だけど…」

実は発情期中で、雌の匂いは今の季節、濃い方だ……青年が獣の嗅覚を持っているのであれば。
再び突進するその姿にぎょっとして飛び上がって、あたふたと逃げようとする。
和装は本当に走りづらい…!捕まるのは時間の問題。

「馬鹿!おたんこなす!
せめてホント誘うにしても雰囲気ってェのを考えてよ!
そしたらちょっとは考えるのに……野暮天!」

それまでに精いっぱいの罵倒を

ガラティル > 「――――、ァ!」

声が届いているのかいないのか、どん、と地面を抉りながら突進してくる青年。
段々と濃くなる雌の匂いに涎を垂らしながら嗤い
あたふたと逃げ惑うも、それは長くは続かないだろうか。
女が、走りやすい服装だったなら、わからなかったが。

「マて!は、はっ、…っ!!」

背中が迫る。相手の慌てている顔が近くなり…
走る勢いのまま飛びつき、相手が身体を打とうとも、再び抑えつけようとする
そこで、獣の耳に入った言葉が、ようやく反芻され

「フンイキ?、あ、あァ、それなら、コノママが、イイ。」

相手にとっては意味の分からないであろう言葉を吐いた後…

「んっ、ン。………綺麗だな、お前ハ。…お前を、見ていると、胸が高鳴る。抑えて、くれないか?」

まだ多少、獣が混じっているが
それでも、人間のような声を出す。人間の知識にある、甘い言葉を、押さえつけている相手に吐いて。
そもそも狂っている彼には、雌の良し悪しはわからない。だからこそ、相手がどんな術を使おうと、使うまいと関係などなく
女が抵抗しないならそのまま身体を擦り付け始め。
鼻についていた獣の匂いがより強く、相手に染みてしまうか。

ぼたん > 「怖いってば!
あ痛っ――」

飛びつかれ、どすんと相手ごと地面へ倒れ込む。
鼻に着く獣の匂い―――通常なら恐怖で更に暴れる所だったかもしれないが、今の女には多少、蠱惑的な物にも思えて…

(…いけないいけない!)

押さえつけられ、青年と向かい合ったままぶるぶると首を振る。
そうして、不器用な言葉を継ぐ青年。
まじまじと様子を見ていると、その言葉の意味も解っているのか解っていないのか……

「……アンタねえ…」

ため息交じりに言ってから、身体を擦りつけられるとぎくりと一瞬強張る。強まる獣の匂いに、震えそうになるのを身体を固くして耐えて……

「…わかったから、落ち着いてよ。
こんな外なんて、アタシ御免だからね。
…別ンとこ、いこうよ」

強気な言葉を吐いて、相手の胸を顎までつっとなぞった。

ガラティル > 「ベツ、のところ、?」

涎を垂らしながら、獣は困惑する
身体を人に寄せている分、多少の理性があり
雌が暴れると想像していたが、震えてはいるものの落ち着いており
その状態で、わかった、という言葉と、別のところならいい、と取れる言葉
彼の頭の中で数瞬、考えが渦巻き
その間、不気味なほど静かに、押さえつけていたが

「逃げたラ、こロす。もう、驚かない。」

徐々に、様子は見ながらではあるが力が緩まっていく。
ただ身体を打った相手を気遣う様子はなく
後半は、相手の術に対する言葉。

「…別ンとこ、何処、だ。」

逃げようとすればすぐまた飛びつけるように。
弱弱しい顔立ちからは想像できない太い声で、場所を聞く。
彼にとっても…無防備な最中に人に見つかれば厄介だ、という人間らしい理性もあり、要求を呑もうと。

ぼたん > 不気味な沈黙。
――あれ、駄目だったかなあ?ああいうのって、色っぽい仕草じゃなかったっけ?
なんて脳内で考えていた所。
またしても不器用な言葉遣いと弱まっていく力に、下がり気味の目尻を更にほっと和ませる。
相手を刺激しないように、ゆっくりと半身を起こして痛む肩をさする。

「森ン中…アタシの隠れ家。
連れてったげるから、荷物持っとくれよね」

着物姿でへたり込んだまま、随分遠い先ほどの岩の傍、風呂敷包みを指さした。
青年が立ち上がったなら、手を引っ張ってくれとばかりに白い手を差し出してみる…。

ガラティル > ぼた、ぼたといくらか涎が着物に落ちてしまったかもしれないが、それでも解放はされる

「…罠、なら、それでも、コろす。雌は、いくらでも、イる…」

隠れ家と聞いて獣の瞳孔を細めて
身体は人間だが、内側が混沌としているため、口調が安定しない

「グ。……たかく、付クぞ」

相手の言葉には、苦々し気に唸った後。
いくらか太くなったものの、まだ人間である手で相手の手を握り。
これもまた乱暴に、ぐい、と引っ張り上げる。

相手の服装など気にせず、そのまま風呂敷の方へと歩きだし、拾うまで待つ。
拾うなら、まだか、という…焦れたように唸り始めるだろう。

ぼたん > 一張羅の着物に涎が落ちる。
まあ、洗えばいい…そもそもこんなに土まみれだし。
それでも溜息を漏らし、たどたどしい言葉を紡ぐ青年を見遣る。
乱暴に、それでも引っ張り上げてもらうとにんまりと笑った。

「ありがと…
じゃァこれ、お願いね?」

風呂敷の傍まで行って、拾い上げた一抱え程もあるそれを青年へぽんと押し付ける。
中身は布類なのでそう重くはない筈だ…

「あのね…高くつく、はアタシの台詞だからね」

じとっと睨んでから、眉尻を下げて微笑む。
そうして荷物を押し付けていない方の手で青年の指先を取って

「…いこっか」

ガラティル > 「………―――」

ぐるぅ、とまた唸ってから
風呂敷を乱暴に持つ。
重くはないとはいえ、何も持っていないような気軽さで

「何が、ダ。…はっ…」

何故笑う、とそれはわからなかったが。
道がわからないのも事実。
指先を取られたまま、彼女の住処に案内されるのだろう

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からガラティルさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からぼたんさんが去りました。