2019/03/28 のログ
■ジナイア > 自然、眩しそうに目を細めてから、再び慎重な足取りで歩みを進める。
踏み慣らされた場所でない分、すり減った滑り易さはないが、ともすれば足をとられそうな根が所々で盛り上がっている――それでも、女の唇の端は少し上がって、楽しんでいる様に見える。
ふと、木々の緑の匂いに混ざる花の香を追うように視線を巡らす。
その先にひとつの灌木。花弁の外側が淡紅色の、小さな花が毬のような塊になって咲いている。
――沈丁花だ。
「……すごいな」
馥郁とした香りは、数10歩離れた女まで届く。
花の名を知らない女は、吸い寄せられられるように傍へ寄って、興味深げに屈みこんだ。
■ジナイア > 毬に顔を近づける。その香りに翠の双眸を伏せる様に細める。
暫く、その花の姿を目に焼き付ける様にじ、と見つめた。
(…王城の知識人にでも、問うてみれば解るかな…)
内心で呟いて、身を起こす。
振り返ってまた所々光の零れ落ちる森を見渡せば、その光もやや斜めになり、色も白っぽいものからほんの少し、朱の混ざったものになっている。
……日暮れ前には出ようと思っていたが。
「…此処で一夜を明かすのも、悪くないかもしれないな…」
季節の移り変わりを楽しむなら。
誰にともなくそう、呟いて
■ジナイア > 女は一人、笑みを零すと、また慎重な足取りを進めていく。
森の、奥の方へと。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯 森林」からジナイアさんが去りました。