2019/02/20 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯 森の中」にぼたんさんが現れました。
ぼたん > 深夜の鬱蒼とした森の中、背の高い木々に囲われてぽっかりと空いたような草地の広場。天高い月明りがそこだけ真っ直ぐに差し込んで、照らされた下栄えは濡れたような光を返している。
不気味な夜の鳥の声がたまにこだまするだけだったその場所へ、能天気な鼻歌交じりの歌を歌いながら近付いて来る女がひとり。
月明りの下へ出たその姿の、耳は黒い毛皮の獣のもの。墨色の瞳の奥から緑色の光を時折こぼしながら、広場を見渡した。

ぼたん > 広場の真ん中あたり、腰掛けるのに丁度良さそうな岩を見止め、うふふぅと笑った口元から犬歯が覗く。
さくさくと下栄えを踏み分けて岩に近付くと、お作法程度に払って腰を降ろす。
そうしてマントの下で抱えていたバスケットを膝の上に置く…中身は、酒瓶と、お猪口。それを覗き込むと唇を湿らせて、ひとまずと月を見上げた。
空気の冷たさが緩んだ今日は、月明りもすこしだけ、温いような気がする…
それに少しだけ目を細めるとバスケットに視線を戻し、酒瓶とお猪口を取り出して傍らに置いた。空のバスケットは足元へ。

「ちょいと時期は悪いけど、月見酒…」

そう呟きながら酒瓶の口を開けて、岩の上に置いたままのお猪口にそおっと注いでいく。

ぼたん > ぎりぎり手前まで注ぐとそおっと持ち上げて、月に透かすようにして目を細める。満足げに笑みを作ると口元へ寄せて、一口。

「…はぁ」

温い程度に温めてきた酒は、いっそ染み入る…心地よさげに瞳を閉じた。

ぼたん > そうして3杯ほども盃を干した所、次の盃を満たそう持ち上げた酒瓶がすかっと重みを無くしていた。
少しだけ不満げにしてから、また月を見上げる……嗚呼、良い月だなぁ……心底そう思って、口元からくすくすと笑みが零れる。

「…さァて、行こうかねえ……」

そう独り言ちて、バスケットに酒瓶とお猪口を戻した。くすくす笑いが止まないまま立ち上がって、バスケットを抱え込む。

緑の光が零れる瞳が森の奥を見る。
うっとりとしたその視線でもう一度、月を見上げると、森の奥へと歩みを進める。

そうしてまた、草地の広場には静寂が戻った…

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯 森の中」からぼたんさんが去りました。