2019/02/10 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯 森の中」にジナイアさんが現れました。
ジナイア > 冷たい小雨の降る日、森の中でも少し奥まった、巨大な針葉樹が立ち並ぶ辺り。時折遠くから鋭い鳥の声が聞こえる以外は、時折重さに耐えきれなくなった葉が落とす、雨のしずくの音が響く。

小雨のせいでやや白くくすぶったような空気が立ち込めるその場所で、ひとつの巨木に背を預けている人影がひとつ。

まいったなぁ…と空を見上げる。
地面は巨木の根で盛り上がり、こぶだらけで、雨のせいで滑りやすくなってしまっていた。

ジナイア > ぱたた、と雫が降ってきて黒髪に滴る。思わず梢を見上げてから、マントに付いているフードを被った。

羽織っているマントはある程度は雨を弾いてくれる。この程度の雨足で済むならば、びしょ濡れになってしまうまでまだまだ時間を稼いでくれるだろう…

小雨は時折霧となって漂う。こういう手合いは雨宿りが効かない…動いた方が良い。ひとつ、溜息をつくと木の幹から背を離して、木の根が複雑に絡み合う地面へ慎重に足を踏み出した。

ジナイア > 地面が乾いているときの倍以上の時間を掛けながら、来た道を戻っていく。フードを被っているせいで視界も悪い
それでも、雨に濡れた森の中の香りは女にとって新鮮なもので、時折足を緩めては辺りを見回して、そうしてまた、ゆっくりと踏み出した。

巨木の地帯はどのくらい来たろうか……確かこの前は灌木の繁みが多いところだった。下栄えのない道は、ぬかるみはじめているかもしれない…

ジナイア > そっと、指にはめた指輪の一つを撫でる。
土か風の魔神にでも頼めば、森の外まで出るのは容易なのだろうが…彼らは本当に悪戯好きで、命じた事に余計な『おまけ』をつけたがる。できればこういう場面では使いたくない。

(遣い方を、体得すればよいのだろうな…)

魔神への命令方法に精通するのであれば、彼らとの関わりの中でそれを得たい。そう頑固に拘ったせいで、未だにろくな仕事も与えられていない。暇を持て余した『彼ら』が、見えない所で何をしているのかちょっと、気になるところではある…

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯 森の中」にテンペイさんが現れました。
テンペイ > 相手の進む先、森の中のやや開いた場所で朽ちて倒れた木の上で大きな蓮の葉の下で座禅を組む少年がいた。

少年に見えるそれは仙人であり、
仙人にとっては街よりも自然地帯の方が心地よい。
等と考えながら湖で作った蓮の傘を打つ粒の小さな雨音を楽しでいる。

朽ちて横たわる木の上で仙気を練っていると、自身の掌握した範囲の中に踏み込む人の気配。

「はて、このような所に人の子か…。如何したものか…」

山奥で仙人やら道士たちとしか会った事がない為、人とのかかわり方が良く分からない…。
さてどうしたものかと、ぼんやりと思考を流していく。

ジナイア > 「…何だ?」

『何か』の縄張りらしきものに踏み入れたらしい。土の魔神がそう、警告の耳打ちをしてきて、女は翠の双眸を足元から上げて足を止めた。
前方を目を眇めて見ると、どうやら開けた場所があるようだ。

…あの場所が、『何か』の本拠だろうか…
好奇心がどうにも疼く。外国にいるということも手伝って、多少危険についても顧みない心持でもある。

そっと、音を立てないように、開けた場所へと足を進めていく…

テンペイ > 相手が踏み込むのは仙域。
地面や木から吐き出される白い煙もそのままではあるが包みこむような穏やかさを持ち相手を迎える。

気配が近づいてくる。
なにやら様々な気配を携えており、自身も近づいてくる相手に興味を持つ。

さて、人の子を迎えるにはどうしたら良いのか…。
笑顔を向ける?警戒をする?襲い掛かる?
どれもしっくりしなければただ静かにそこにあるが自然かと、特に動くことも、気を練ることも止めはしない。
ではあるが、近づいてくるのであれば、歓迎を示す事も重要であろうと、練り、同一化していた森に働きかけ、相手の足元を歩きやすい様に整えていく。

水たまりから水は消え、ただぬかるんだ土へ、足を引っ掻けそうな中途半端な位置にあった木の根は地面へと沈みその半分ほどまで土にもぐるといった程度の変化。

本来であれば木の枝でトンネルの様に屋根を作ったり、木の根で道を作ったりもできるが、そこまでしたら警戒されてしまうだろうと、今更な、そして理解されないような心遣いで会った事に本人は気づいてすらいない。

相手の視界に映るのは横たわった老木の上で座禅を組む少年。
蓮の傘があるとはいえ、木綿の服はしとしとと降り続く雨によって濡れているが、何事もないかのようにそこに佇んでいる。
相手が自身を視認する辺りで少年は顔をそちらに向け口を開く。

「そこの人の子よ、この様な森の奥で如何した?
…迷子というのかな?」

口調はどこか古臭く言葉も穏やかではあるが声は高く、老成と幼さを持つ不思議な雰囲気の声がかけられた

ジナイア > 「…これは」

水たまりが消え邪魔な木の根が形を潜めていく…踏み出すごとに足場が整えられてゆく。土の魔神が先から落ち着かなげにしているのも感じる。
この先に居るのは只者ではないのだろう…だが

(歓待されているようならば…行かねばなるまい?)

内心でくすりと騒ぐ魔神へと笑って、遠慮なく整えられた足場を辿ってゆく。
そうして開けた場所に出て、倒木にぽつねんと鎮座する少年を緑の双眸が捉える。
自然、足を止めると、少年の言葉が小雨の音を縫って耳に届いた。

「…やあ、迷子という訳ではないんだがね…」

どう見ても子供、しかし不思議な音がする声音に少し戸惑うが、取り澄ました声で返答をする。

「散歩の途中で、雨に降られたというのが正しいかな…」

答えた後、キミは?というように首を傾げた。金の耳飾りが揺れて、黒髪がフードの奥から零れ落ちる。

「……その言い様なら、『ヒト』という訳ではなさそうだが…」

テンペイ > 相手の足元を整えながらも隠れる事も無ければ慌てる事も無く変わらずに佇んでいる。

遠慮なくこちらへと足を進める相手に面白いとわずかに唇の端が持ち上がる。
そして帰ってきた言葉…。
相手が話し終わるまで静かに待っている。

「ふむ。」

そう小さくつぶやくと少年はつい黙ってしまう。
おっとりとした間が流れる─。

「元々そなたと一緒の『ヒト』の子であったが、儂はまだ若いが仙人故、『ヒト』の枠からは外れておる。」

そして、再び少しの時間を要す。

「街に行ってみようかと思っていたのだがの…。
途中でなかなか座り心地の良そうな倒木があった故、気を練っていたのじゃ。」

本人としては久しぶりの人との会話上手にできていると思っているが、時間の間隔が異なるせいか相手はどうにも調子がくるってしまうかもしれない。

「しかし気づいたら緑も少なくなったの…。」

とだけ、改めて周囲を眺めぽつりと呟くのであった…。

ただ座り心地の良い倒木を見つけた。
それだけの理由で、その上に座って早半年は過ぎ、その間、動く事も無かったとは相手は思いもよらないであろう。

ジナイア > 妙に空く言葉と言葉の間。
この感覚は…実はなじみがある。故郷でのことだが、土の精霊と仲良くなったような輩は時間の感覚が伸びるようで、ひとつの会話を済ませるにも1日がかりだった……

この少年もその類なのだろう、と思い巡らせると、肩の力を抜いて腕組みをして、少年――少なくとも見た目は――が言葉を紡ぎ終えるのを待った。

「仙人……聞いたことが無いが、滅多と人と交わらないというのなら、隠者の一種かな?」

唇に赤銅色の肌の人差し指を当て、考え込むように言葉を返す。どうやら少年が相当長い間座り込んでいた様子だと気づけば、その唇がくすりと笑みを零した。

「街へは、何をしに?」

良かったら、何か手伝えるかもしれない…そう続けて、フードに少し溜まった雨を払った。

テンペイ > 外面はぽややんとした少年にも見えるであろう。
相手が馴染みがある事は幸運であろう。

「ふむ…隠者というのは聞いた事は無いが…
お山で修業に明け暮れておったのじゃ。
そなたのいう隠者も似たようなものか?」

街へ何をしにと言われれば…考える様に再び動きが止まる。

「生まれてこの方、多くの人の子が過ごす場所にいった事がないでな…。」

何と表現したらいいのだろうかと、やや困り顔を浮かべてから、はたと思い浮かんだと笑みを浮かべる。

「そうそう。どこぞの村で言われたの…。観光?というやつじゃ。」

良い言葉が出たと満足そうに頷くと、少年ははっはっはっと笑うのであった。

ジナイア > 「まあ、似たような者だな…修行はしたり、しなかったりするみたいだが。人との関りを避けて、籠る人種を指す言葉だよ」

少年の問いに、思い出すように緑の双眸の瞼を少し、落として言葉を紡ぐ。

「…観光?」

最終的に少年から発せられた言葉に、アーモンド形の眼を軽く見開いて見返した。そうして腕を抱くようにしてくすくすと笑いだす。

「成程……私たちがここで会ったのも、『成るべく』してかもしれないな…」

ひとしきりそうして笑った後、少し潤んだ瞳で少年を見遣った。

「…私もね、すこし遠い南の国から友人を訪ねて来て…観光の最中なんだよ……」

テンペイ > 「ふむ。 べつに人との関わりを裂けているわけではないのじゃが…。
人の世の邪魔になるからの、遠くにいただけじゃ」

等と、どこか言い訳じみていた…。

観光という言葉を口に出しながら何やら楽しそうに笑う相手、友に笑えばうむうむと満足そうに笑みを浮かべ、続く言葉に…。

「ほう。 成程、それは確かになるべくしてかもしれぬの。」

と、少年も楽し気に頷き、相手が南方から着て観光中と聞けばなお楽しそうに笑う。

「では、そなたは観光の先輩じゃの…。南方の国と言うのも興味深いのう。
と、いつまでも濡れさせてしまってすまんの…」
そうつぶやくと、繋がった大地に再び気を注ぐと、空に幾つかの枝が張り、緑が茂り天井を形作っていく。

ジナイア > 「先輩、というほど見回ってはいないがね…私はえり好みが激しいらしいから」

少年に向かって肩を竦めて見せる。特に、倫理の堕落が激しいと言われる場所は、無意識に避けている…その内気が向けば、足を踏み入れるのかもしれないが。

「南も中々いいところだよ…気候はね」

柔らかく笑って見せてから、少年の術式らしきものが天然の庇を形作っていくのを興味深く見守る。雫が止めば、フードから雨を払って、下に降ろした。黒髪がフードから零れ落ちて前に落ちかかるのを、多少煩げに指で耳に掛ける。

「…ありがとう。
良ければ、王都まで一緒に行こうか?多少は先輩らしく、案内できるかもしれない。
…ついでに帰り道の足場を良くしてくれると、すごく助かるな…」

天然の庇の下で微笑んで、少し首を傾げた。

テンペイ > 「はっはっはっ、それでも儂よりもいろいろなところを見にいっているのじゃろう?
森の中であればいくらでも案内できるがの…。」

ヒトの欲望や倫理の堕落が激しい場所と聞いても少年は畏れる事も無く踏み込んでいくであろうが、目の前に無く、知りもしなければ足の踏み入れようもない。

「ふむふむ。いつか、行ってみようかの…」

相手がフードを上げ、雫を堕とすのを眺めながら続く言葉におぉと、穏やかな笑みを浮かべる。

「ふむ。それはありがたい。
金子を持たない故、道中の快適な移動を保証しよう。」
少年はゆっくりと倒木の上から降り、久しぶりに立ち上がった気がする等と考えていたり。

長くいる割には荷物一つない少年はゆっくりと相手の方へと歩み寄る身長差で自然と見上げる形に。

「さて、どちらが街の方なのじゃ…?」
等とニコニコとしながら相手の前で小首を傾げる様は世間知らずの少年であった。

ジナイア > 「森の中なら詳しいのかな?…なら、是非今度そっちの案内を頼むよ…」

穏やかな様子の少年に、動物も植物も色々珍しいんだ、と言葉を継いで、王都方面と思しき方へ視線を投げる。

「確か、あっちだな…少なくとも私が辿ってきた道は」

森の中、荷物一つない少年の、のんびりとした雰囲気が好ましい。自然と笑みこぼして、赤銅色の肌の手を差し出した。

「…多少、効率は悪いかもしれないが、キミが居るなら捗りそうだな…」

テンペイ > 「任せなさい。毒や薬、食べられるものや、食べられないもの。川の場所やら休める場所、つながれば何でも分かるぞ。
疲れたりお腹がすいたり喉が渇いたり眠くなったりトイレに行きたい等遠慮なく言うのじゃぞ?
儂にはよくわからない故な…。」

と、少年は小さく笑う。

「ふむ…あちらか…。」

相手が向ける視線に頷くと、差し出された手に自身の手を重ねる。
そして重ねた手を見詰めたまま、にぎにぎとつい握ってしまう。

「ふむ。柔らかいし暖かいの…。」

思えば、自身を育ててくれたのも、周囲にいるのも老人や年嵩のいったものばかりだった等とぼんやり考えながら、道を整え始める。

「ほほ。こう見えて狩りも得意故、道案内代の足しじゃ、存分に頼ると良い。」

ほっほっほっと笑うさまは少年と言うよりも好々爺であった。

ジナイア > それは頼もしいな、と少年に微笑む。
そうして自分の手を握り返す様子に更にくすくすと微笑った。

「頼りにしてるよ…行こうか」

フードを被りなおして、少年の手を軽く引くように歩き出す。
整えられた道は格段に歩きやすいが、少年の歩幅を考えてあくまで歩調はゆっくりだ。

そうして大小2つの影は、森の広場から姿を消してゆく…

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯 森の中」からジナイアさんが去りました。
テンペイ > 「うむ。任せるのじゃ。」

と、相手の言葉に嬉しそうに微笑み、相手に手を引かれとことこと付いていくのであった。

「あぁあれは楓じゃの…甘味が欲しければ、樹液を煮詰めると良いのじゃ…。」

等と案内する光景はそのまま老人の森林案内であったとか。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯 森の中」からテンペイさんが去りました。
ご案内:「◆メグメール(喜びヶ原) 自然地帯 森の中の湖」にアイディールさんが現れました。
アイディール > 月が木々の間から差し込む夜。
街道から少し入った森の中にぽっかりと開いた湖があった。
澄んだ水を湛え、旅人や野生動物、あるいは魔獣の喉を潤したり身を清める場所。
その畔の切り株の上に、その魔石は何気なく置かれていた。

大きさは、誰にとっても掌にしっくりと収まるサイズ。
透明な中に、まるで茫洋と輝く炎のような光がある。
赤、青、黄、緑、白、黒、紫―――。
見るたびに色合いを変えていく光。
決して自己主張しすぎることはない。けれど、目にもとまらぬ程にささやかではない。
そんな、光を帯びた魔石。

まるで十年も昔からそこにそうあったように。
極当然のものとして、その石はそこに置かれていた。
さながら、誰かをそこで待っているように。

ご案内:「◆メグメール(喜びヶ原) 自然地帯 森の中の湖」にシルヴァさんが現れました。
ご案内:「◆メグメール(喜びヶ原) 自然地帯 森の中の湖」からアイディールさんが去りました。
ご案内:「◆メグメール(喜びヶ原) 自然地帯 森の中の湖」からシルヴァさんが去りました。