2019/02/07 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にリリーさんが現れました。
■リリー > 自然地帯と呼ばれているエリア。
その一角の森の中で夜にも関わらず一人で採集を続けている女の姿。
「う~~~ん、やっぱりこっちの植物は元のとはだいぶ違っているわね。
これはいちから勉強し直さないとダメかしら。」
今は月灯りに照らされた一輪の花に触れている。
この地に突然飛ばされてから元の世界へと戻る為の手がかりを探し続けている。
その為のひとつとしてせめてこの国にある物について詳しくなろうと。
元々錬金術師をしていたので、元の世界での知識がこっちでも使えるかと多少期待していたのだが…。
「図鑑でも買うか、借りるかしないとどうしようもないわ。
全部虱潰しに調べてたらそれこそ戻るころにはオバアチャンになっちゃいそう。」
花を傷めないうちに花びらからゆっくりと指を離れさせて。
「ま、ダメなら駄目で他のことしましょ。
確かギルドの掲示板に貼ってあった素材はあったはずよね。」
■リリー > 女がわざわざ危険な夜にやってきた理由の一つ。
ギルドで高額な採取依頼を見つけたのだ。
夜にだけ姿を見せる希少な花。
具体的な大きさも特徴もわからないそうだが、写し絵だけは描かれていた。
それを普段使っているマジックアイテムに記録させておいた。
「イグニッション!」
女は両手を交差し、相棒である魔法銃を呼び出す。
「それじゃ、お願いね。」
右手に銃を装着し、魔力を込める。
すると、張り紙に描かれていた絵が立体映像として浮遊する。
後はこれと見比べながら目当ての花を探すだけ。
「これはもう楽勝でしょ♪」
女は調子に乗っている。
■リリー > 探し始めてすぐに見つかったと言うか、見つけられたと言うか。
唐突にドブのような臭いがしてきたと思いきや、女の背丈の倍はありそうな巨大な花がひとりでに歩いていた。
蜜腺から放たれている薄緑色の液体が臭いのもとのようで、女は思わず咽こんでしまう。
「えっほ、えっほ…。 報酬が高いと思っていたらこういうことだったのね。」
女が咳込み、足が止まった瞬間。 巨大花は蔓を伸ばし女を捕まえようとする。
蔓が足首に届きそうになった時、咄嗟に後方へと飛び跳ねる。
「バレット!」
飛び跳ねたと同時に魔力を放つ。
銃口から魔法で出来た弾丸が3発。
全て花の蔓や茎を貫通し、穴を開ける。
<キシャ~~~~!!>
大花は雄たけびのような音を放つと、瞬く間に穴を修復させてしまう。
「どういうこと? 花なのに再生能力まであるなんて。」
異世界の恐ろしさを初めて経験する女。
蔓の射程に入らないよう、距離を開けつつ銃撃で応戦する。
足止め程度にしか効果はないが、その間にこの花の動きをさぐるつもりだ。
(落ち着くのよ、リリー。 必ずどこかに弱点があるはずだわ。
でないと、あの金額でギルドに依頼が来るとは思えないもの。)
ギルドが対象物の脅威を測り損ねている可能性も捨てきれないが、それはここでは考慮しない。
それを考えた瞬間、女の心は折れそうだから。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にラファルさんが現れました。
■ラファル > ギルドの依頼を受けたので、幼女は高速で移動する。
何やら既に先に一人依頼を受けた人がいるのでその人に合流してくださいという話であった。
幼女はどんな人なのかそれを聞いたあと、幼女は駆けた。
山野を走るのは得意なので足を取られることもなく、草の木々の邪魔がないかのように、縦横無尽に、木を蹴り地面を踏みしめて移動していく。
その移動速度は早く、影が滑っているようにしか見えなくて。
そして、目的の場所へと到着する。
そこで、誰かが戦っているようだった。
「やっほう?依頼を受けた冒険者さん、だよねー?」
場違いな明るい声とともに、幼女はその戦場へと躍り出る。
丁度、植物と、銃を持つ冒険者の女性の中間地点。
無論、思いっきり植物から背を向けていたりもする。
■リリー > 突然、風を切り裂く音が飛び込んでくる。
(この状況で誰かが近付いてくる。 新手だったらどうしよう。)
女の表情が強張っていた。
目の前の化物花一体に手こずっているのに、これ以上の敵となったらいよいよお手上げだ。
「そうだけど? って、後ろ後ろ。 危ないわよ!」
疾風のように舞い込んできたのはどうみても小さなお子様。
女は思わず二度見してしまうが、その瞬間巨大な花がまた蔦を伸ばすのであった。
銃を構え直し、魔法の弾丸<バレット>を2発お見舞いする。
銃弾は少女の頭上を飛び、見事に蔦を切裂いた。
流石の化物もこれには堪えたのか、痛そうに悲鳴をあげて暴れまわっている。
■ラファル > 「んに、だいじょーぶだいじょーぶ。
加勢するよー。」
驚いている女性に、幼女はにひーっと歯を見せて楽しそうに笑ってみせた。
お手伝いの積り、後ろから伸びてくる蔓を銃弾で打ち抜く姿を見ておぉ、と軽く呟く。
お見事な腕に、ぱちぱちと軽く拍手をしてみせて。
「ボクもちゃーんとお仕事、しないと、だね!」
幼女は腰に装備している黒塗りのソードブレイカーを右手に、左手には、東洋の刀……脇差と呼ばれるそれを引き抜いて、それぞれ逆手に。
「こういうのは、切ったほうが早いよね♪
おねーさん、そこで見ててね!」
暴れまわり始める植物。
幼女はその懐に潜り込むように、踏み込むのだが、踏み込みの音もせず、ぬるりと滑るように蔦を避けながら入り込むのだ。
そして、右手のソードブレイカーが光を反射せずに振られれば一本。
左手の脇差が銀閃閃かせれば一本。
交互に加速するように、暴風のように幼女が刃を振るたびに、幹が、蔓が、蔦が、切り飛ばされていくのだ。
再生が追いつかない幼女の速度で、徐々に徐々に、小さくなっていく
■リリー > 「何が大丈夫ってのよ。」
子供らしく歯を見せる少女に女は口を尖らせていた。
この時はこんな子供を送り込んできたギルドに文句の一つも言ってやろうかと思っていた。
ブロンドのツインテールはとても可愛らしいが、今はそれを楽しむ余裕もない。
そして、女の認識は次の瞬間…少女が二振りの剣を抜いた時に変化する。
「ちょっと、危ない……わよ…。」
女は銃口を化物に向けたまま、思考が止まってしまう。
気がつけば、ポカンと口を開けた恰好で少女が疾風の如き動きで
化物花を切裂いてく所を見つめるだけになっていた。
援護射撃もしたいところが、初対面の相手との近距離での連携は難しい。
下手をすれば味方を撃ってしまうことになりかねない。
■ラファル > 「大丈夫だよ、そのボーガンみたいなの、撃ってもいいよ!
まっすぐ飛ぶだけなら、見てからよけられるから!
おねーさんも手伝ってよね!」
ぽかんとしている女性に幼女は早く、と急かす。
蔓をちぎったのは銃の効果だけではなく魔法の力も働いているから、なのであろう。
植物というのは個体にして群体のようなものである、核を見つけて壊すか、根っ子から切り飛ばさない限り再生するものである。
当然手数は多いほうがいいのだ。
だから、下の方は、危険の多い根っこの方は受け持つから、蔓とか蔦とかを受け持って、と願い出る。
大きい植物はその分生命力が強いのだから。
■リリー > 「ボーガンじゃないんだけど…真っ直ぐ撃てばいいのね?
当たらないでよ。」
(見てから避けられるって、どうなってるのよ。
ま、とにかくここは援護しないと。)
少女に声をかけられた女は手数で少女のサポートに入ることにした。
「…バレット!」
今度は銃口を向けるのではなく、左手を広げて見せる。
すると、先ほどの倍、6発の魔法の弾丸が女の周囲に発生し、化物花の蔓や蔦を根元から撃ち抜いていく。
化物がおたけびをあげると同時に、切裂かれた破片が当たりに散らばって。
「どう、お嬢ちゃん。 いける?」
■ラファル > 「あれちがうんだ?あとでみせてー!?」
ボウガンだと思ってたのだけど違うらしい、物珍しいモノが好きな幼女は目を輝かせる。
きらきらきらきら、と輝いた瞳、そして、打たれる銃弾と、それに追従する声に。
声に反応して、チラリと片目だけそちらを流し見る。
銃弾の軌道を見て計算する幼女。
そして、見事に幼女は銃弾の間をくぐり抜けながら、攻撃をするのだ。
右に、左に上に下に。
それだけならともかく、蔓を誘導して縦断を打ち抜かせる芸当も。
「ボク、ラファルだよ!お嬢ちゃん、じゃないよ!」
散らばる破片を蹴り飛ばして見せてから。
根っこを脇差で滑らかに切り飛ばした。
■リリー > 「いいけど、下手に弄ったりしないでよ?」
桁違いの強さに驚かされたが、この反応は見た目相応。
女は気付けば口元に笑みを浮かべていた。
少女の動きは戦いに不慣れな女の眼から見ても俊敏であり、戦いなれているのがよくわかった。
おまけに弾丸の動きを見抜く動体視力も備わっている。
ほとんど彼女のフォローに入るだけで化物花は見るも無残な姿に変わっていく。
「私はリリー。 後でお礼をさせてもらうわね。」
地面に繫がっていた根を切り飛ばされ、花はいよいよそのものが宙に舞う。
その隙を見逃さず、女が魔法を放つ。
「ブレード!」
女が呪文を唱えると、花の真上から魔力できた大剣が振り下ろされる。
花は頭から貫かれ、その場に串刺しに。
あとは止めをさせば終わりだろう。
■ラファル > 「だいじょぶだいじょぶ……!たぶんきっとめいびー。」
面白そうなものに、自分を抑えられる自身なんてありません。
ええ、ええ、壊してしまうかもしれません。なので、素直に。
不安しか残らない返答をしてみました。
「お礼?」
え。なんでだろ、と首を傾ぐ。
依頼を受け他タイミングが少しずれただけで同じ依頼なのだ。
お礼を貰う理由が思い浮かばなかったのである。
「お、わ、っ、と!」
放たれる魔法、巨大な剣が作り上げられてそれが振り下ろされる。
魔力の大きさと落ちてくる剣の大きさに、ちょっと驚きながらも、危なげなく、離れるのだ。
そして、串刺しになったその花を眺めて、おお、と。
「チャーンスっ!」
右手に幼女は己の氣を溜める。
黄色の塊が掌から5センチ程前の所に作り上げられて。
それは、3mほどの長い杭になる。
「とりゃー!」
氣で作り上げられた杭を魔力で出来た大剣に合わせてぶち込んでいく。
氣とは、生命力であり、過剰な生命力を打ち込まれた花は枯れてしまう。
「ぶい!」
幼女は、女性のほうを向いて、ニッカリと笑いながらVサイン。