2019/01/19 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯 雑木林」にホアジャオさんが現れました。
■ホアジャオ > 冬晴れのお昼ごろ。天高い太陽からは白っぽい陽光が降り注いで、ほんの時たま、冷たい風が街道を通り過ぎる。
王都にもほど近い場所であれば、広めの街道はそこそこ賑やかで、馬車や人が行き交う姿が途切れることもない。
そんな中、街道から外れ、少し離れた森へと歩みを進める女がひとり。足取りは若干よたよたと、時折ぶれる…背負った革袋の荷物―――女の上半身程の大きさはあろうかという『何か』に、引きずられる様子だ。
街道から森の端っこまで数十歩、というところでずっと足元に落としていた顔を上げる。
「…もうちょッと……」
冬だというのに頬には朱が差している。
■ホアジャオ > 平らな草原から雑木林に足を踏み入れ、下栄えの少ない方へと歩みを進めていく。そうして街道からすっかり見えなくなったと思われる所で背後を確認して、荷物に引きずられるようにどしん!と尻もちをついた。
革袋の中からは、がしゃん!と硬いものが触れ合う音が響く。
「我累了(つかれた)……」
はあーと大きく息を付くが、そうして息を整えるのもそこそこ、背負っていた荷物を解きに掛かる。
中から出てきたのは―――
半月刀付きの鎖鎌、全体鋼鉄の鉤型の鉈、刃付きの三節混、分厚い小手。
「…前よか随分、少なくしたンだけどなァ…」
革袋からそれらを取り出し、地面に並べながらそんなことを零す。
■ホアジャオ > ともあれ、今日は前と違って先に試したいものがある――口元に笑みさえ浮かべながら、鋼鉄の鉈に手を触れた。
冬枯れの木々の合間から木洩れ日が差している。冬のこととて蝶が舞うなどは無いが、時折小動物が駆けるその場所で、女は物騒な光を鋼鉄に宿らせる。
両手で布を巻いただけの柄を持つと、弾みをつけて持ち上げようとした。
「……ッとっ」
勢いを付けすぎたらしい、振り上げたそれは手から離れ、弧を描いて頭上の木の枝へ――どすん!
■ホアジャオ > バラバラと、未だ残っていた落ち葉や枯れ枝が落ちて来る。それらを頭を抱えてやり過ごしてから上を見上げて
「哎呀(えーッ)……」
頭上高くの木の枝に食い込んだ刃は中々に深々と入っており、眺めている程度では落ちてきそうにない…
「不会吧(うそぉ)……」
■ホアジャオ > 仕方ない。武器を借りて居られるのは夕方までだ。
(木登りは得意だし…)
そう思ってみれば、中々悪くない出来事だ。刃が刺さっている木の元まで行って幹へ手を触れると、靴を脱いで放り出す。
「えーッと…」
ぐっ、と屈みこんで、とん、と跳躍。幹の上を駆ける様に一度蹴って、するりと自分の背丈よりもひとつ、高いところへ。
後は―――と頭上を見上げる。簡単だ。枝がちゃんと張り出している所がある。
するすると鋼鉄の塊が無残な傷を付けている場所まで辿り着くと、柄を持って外して――――はずれない。
ぐいぐいと、押しても、引いても…
■ホアジャオ > なら…と逆さになっている柄を正面に、両手で握る。
「…开始(せーの)!」
ぴょんと、柄は握ったまま鉈を飛び越えるようにして跳躍する。ぐるんと身体が回転して――枝から刃が外れる。そのまま降りて―――「啊!?」予想外に鉈が重く、外れた拍子に付いた勢いで手元の方から落ちていく!
裸足の足が空しくもがき、小枝がばしばしと顔を叩く、目はぎゅっと瞑らなければ酷いことに――
■ホアジャオ > どすん!
振動でまた木々が揺れて、小枝や枯葉、ついでに残っていたらしい木の実までもが舞い落ちて来る……
それらが降り積もり終わった後、ゆっくり女は身を起こす。
「……広いところに行こ……」
枯葉や枯れ枝を払えば三つ編みの髪はぼさぼさ。木を取り直すように首を振ると、立ち上がって放り出した靴を取りに行く。
ついでに他の武器ももう一度革袋に詰め込んで、置き去りにしていた鉈の元へ……
「…もォ、いいや」
革袋へ乱暴に突っ込むと、担ぎ上げずにずるずると引きずって…少しでも広いところへと、森の中へ分け入っていった…
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯 雑木林」からホアジャオさんが去りました。