2018/11/09 のログ
ご案内:「◆メグメール(喜びヶ原) 自然地帯・草原地帯」にゴブリンリベンジャーさんが現れました。
ゴブリンリベンジャー > 人間であれば脛を隠すほどに背の高い野草生い茂る自然地帯。
詳しく調べればそれらの野草は薬草の類と判るが、今宵その草を踏みしめてある存在はそんな事に興味を示さない。

小柄な人影には十分に深い草の海、身を隠すに十分な高さの野草に紛れ当て所なく草原を彷徨う者――…一匹のゴブリン。

普通は群れで行動し、人里近い場所で行動するのだが、このゴブリンの周囲には他の同族の気配は無く、珍しく単独で行動しているようだ。


草原を彷徨うゴブリン。
その姿、冷たく青い月明かりから逃れるように気配希薄の魔力の掛かったローブを身にまとい、腰にはゴブリン達が好む片刃のナタに近しい形状の武器とは違い、盗賊が好む細身のダガーを鞘に収めた状態で携帯している、一目見れば斥候に近しい装いであるが、それにしたら余計に1匹で存在しているのは珍しく見えるかもしれない。

それもコレも醜悪な相貌を斜めに走る古傷と呼ぶにはまだ直りきっていない刃物傷が知っているが、それもローブのフードに隠れて見えないだろう、それに外気に晒すとまだ痛む為に自分からフードを脱いで外気に晒す心算も無い。

さて、今宵の目的は踏み躙り蹂躙する野草よりもすり潰して塗れば治癒効果が市販の薬草と段違いのゴブリン族にのみ伝わる花を探しに来たのだが、その花は今夜のようなうす曇の夜であり、尚且つ月明かりが差し込むという条件でのみ輝く特殊な白い花弁の花で、先程から濁った瞳を皿のように細め睨みつける様にしてあたりを眺めて探しているのだが、是が中々見つからず、ただただ草原を彷徨うだけの結果となっている。

「…………………………………………。」

何事か人ならざる言葉で聞く者がいれば耳障りに聞える声色で「見つからない。」等と愚痴を零し、土臭く生臭い息を吐き出して溜息をつく、フードで隠れた相貌に眉間には深く皺が刻まれていて、明らかに不満げな表情を浮べている。

ゴブリンリベンジャー > ――…何故それを求めるか。

市販の薬草やポーションは蓄えが有り、それを使えば十分に体に刻まれた今だ痛みを覚える無数の傷は癒えるだろう。

それ以上に治癒の力を求めるのなら王都に繋がる街道に潜み商人達や馬車を襲えば容易く手に入るだろう。

しかし、それでは「駄目」なのだ。

醜い己の相貌に斜めに走る刃物傷が許さない。
人の技術を得て生まれたポーションの利用を許さない。
人が容易く手にして利用する薬草の使用を許さない。

ゴブリンがゴブリンだけが知りえる知識で癒さねば、傷を負わせたヒト共への復讐への誓いに為らない、治癒すらも許されない、許せない。

だから濁り曇る金色で夜目の効く眼でその月明かりで輝く花を痛む傷跡にしかめっ面のまま探しさ迷い歩いていた。

草原には無数の草花が咲き乱れ、うす曇の空が陰りを生み、それらの区別を難しくしている、それでも探さねば為らない、それが吹く襲撃の始まりの火蓋なのだから。

とは言え、見つからない、物凄く見つからない。
引っこ抜いて汁でも搾れば十分な効果なモノは幾らでも見つかるし引っこ抜けるのだが本命の花の影も無い。

薄暗いから輝きを放ってもその輝き足りず、かと言って明るさが足りているわけでもない状況でシャーマンの能力があるわけでもない、結果もう草を踏みしめてただ只管に辺りをくまなく眺めながら捜し歩くしかないのだ。

流石にもう少し勉強しておくべきだった。
とゴブリンであれ反省をする結果である。

ゴブリンリベンジャー > これだけ探しても花びら一つ見当たらないとなると、日を改めるほか無さそうだ。

薄雲に隠れながらも微かに射す月明かりの光度、あたり一面に群生する野草たちを見れば場所的にハズレではないのは確信したので、結果日が悪いと考えた。

なら行動は一つで……。

小柄な人影は野草に紛れ何処かへと立ち去っていった。

ご案内:「◆メグメール(喜びヶ原) 自然地帯・草原地帯」からゴブリンリベンジャーさんが去りました。