2018/10/22 のログ
ご案内:「◆メグメール(喜びヶ原) 自然地帯(遺跡)」にさんが現れました。
> メグメールの自然地帯のうちひとつにある地下遺跡の内一つ。
 鬱蒼と下茂みに隠されたダンジョンの中にひとつのカンテラの明かりが見える。
 カンテラを腰に下げて、若草色のローブを身にまとった冒険者の女が一人でダンジョンを進んでいる。
 右に、左に視線を動かし周囲の壁や床を警戒しつつ進んでいく。
 こう言う所は、モンスターも驚異ではあるが、それよりもトラップが怖いものである。
 モンスターのように気配がないので事前に察知するには良く良く観察するしかない。
 そして、そういうものを発見、探知する方法を主に学んだシーフという職業。故にこそ、警戒は一段強くなる。
 仲間がいないのだからこそ、罠に掛かってしまったら目も当てられないのだ。
 慎重に、慎重に進む女は、だからこそ、歩みが遅くダンジョンの中も、まだ序盤と言えるべき場所。

「魔装機兵だっけ、たしかそういうのも、あるって言うわね。」

 そういえば、と思い出す。
 ほかの冒険者の噂、掲示板の張り紙を思い出し女は形の良い眉をひそめる。
 彼らは朽ち果てるというものを知らないのか、未だに元気に襲って来るらしい。
 そういうのも、気をつけないといけないのね、とまずったかなぁ、と苦笑をこぼす。

> 「可愛い男の子とか、女の子だったら歓迎、なんだけど、機械仕掛けの鎧とか……正直会いたくないわ。」

 そもそも、出会ったら逃げるしかないだろう、自分の攻撃力では流石に倒すのは難しい。
 もしくはと、女は立ち止まる。そして、しゃがんで通路の床に手を触れる。
 何かを確信している動きで、触れる床には、不自然な切れ目があるのを視認した。

「落とし穴、ね。こういったところに落とすしかないかしら。」

 落とし穴がここにあるということは、それを発動させるための何かがこの周囲にはあるはずである。
 女は視線を少し上げてみるものの、ワイヤーは見当たらない。
 そうなるとどこかにスイッチがあるタイプだろうか、それとも、重量でと言うところだろうか。
 重量はちょっと嫌ね、なんて冗談をこぼしながら近くにスイッチらしき場所があるだろうか、と。
 基本的には足元であろう、不意をつくなら、壁だろうか。
 重量式ではなさそうね、と、女はアタリをつけて床を探る。

> 調査中、調査中、調査中、床を丹念に丹念に、明かりで照らしながら探り……そして、見つける。
 石畳の床、目立たぬ程度の大きさで、それでもしっかりと出っ張っている石。
 蹴躓いても、踏んでも作動しそうなその石は、丁度割れ目の中間地点にある模様。
 この場所を中心として、うっすら見える割れ目の大きさから落とし穴の大きさを確認。
 下に落とすだけではないだろうと女は考えながら、近くの壁を見やる。
 壁は石で出来ているが特殊な素材ではなさそうである、うん、と小さくうなづいてから、コの字型の金具と、ハンマーを取り出す。

 ――――ガンガンガンと、少し大きめな音が響くが、女はしっかりと壁にコの字がたの金具を打ち付ける。
 引っ張っても緩まないことを確認して、よし、と先に進むことにする。
 ここのトラップを逆に利用するときに、今つけた金具にフック付きロープを引っ掛けて自分は助かりつつ相手を落とすための準備であった。

「お宝あると、いいんだけどな~」

 目指せ、イッカクセンキーン。なんて、冗談交じりな声を上げて、女はさらに、奥へ、奥へと進んでいき、その場から見えなくなっていく――――

ご案内:「◆メグメール(喜びヶ原) 自然地帯(遺跡)」からさんが去りました。