2018/09/22 のログ
ご案内:「◆メグメール(喜びヶ原) 自然地帯・小さな洞窟」にブレイドさんが現れました。
ブレイド > 「ふー…どうやら、生き残りはいねーか」

規模の小さな洞窟をぐるっとひと回り。
逃げたかどうかはわからないが、人サイズ以上生き物はもう存在していないようだ。
今回受けた依頼は、街道近くの集落からの依頼で、近所の洞窟に住まう魔物の掃討。
日の高いうちからこの依頼に望んで、今最終確認を終えたところだ。

「んー、鈍っちゃいねぇみたいだな」

魔物の血で汚れた得物。血脂を拭ってからシースに収め
久々の討伐依頼の成功を素直に喜ぶ。
風邪引いたり、採取・配達ばかりやってたり…それでも衰えていないようで安心した。
だが、報告に戻るにしてももう遅いか。今日はここで一晩過ごすとしよう。

「…死体は片付けてからな…」

ご案内:「◆メグメール(喜びヶ原) 自然地帯・小さな洞窟」にアリゼさんが現れました。
アリゼ > 黒い重甲冑を着たアリゼが、洞窟へとゆっくり入ってくる。
その手には血のこびりついた黒塗りの大剣を持ち、
顔がすっぽりとフェイスガードで覆われた無骨な兜を被っていた。
甲冑や兜もまた魔物の肉片や血が張り付き、いかにも一戦終えてきたという風だ。

「そこの君、この洞窟にいた魔物は……始末してくれたようだな。
 ありがたい、おそらく私と同じ依頼を受けたのだろう?」

兜を撫でてタトゥーに戻し、燃えるような赤色の長髪がふわりと宙に浮かぶ。
ふう、と一息ついて目の前の少年にさらに話しかけた。

「私はアリゼ。近くの村から魔物の群れを倒してくれと頼まれたんだが……
 どうやら来るのが遅かったようだ、君一人でやったのか?見事なものだ」

ブレイド > 確認も終えて、死体もひとまとめにして
やれ落ち着いたと思っていたところに顔を出す黒い甲冑姿
血まみれの得物、鎧、威圧感は凄まじい。
一瞬警戒するが、それもつかの間、発された声は女性のもので。

「ん?お?えーっと…同業者…か?
同じ依頼ってことは…周辺の奴らの始末してくれてたってことか」

おそらくはその返り血、礼を言おうとするも、その兜が消えてしまえば
一瞬女性の髪に見惚れる。
そのためか、反応が遅れてしまう。

「あ、お、おう。オレはブレイド。なるほどな。
仕事とっちまったみてーでわりぃな。ま、小規模で質も大したことねぇ。
これくらいはできねーとな」

褒められると少しばかり照れくさいが…それよりもと、アリゼと名乗った女性に水袋を投げ渡す。

アリゼ > 「ああ、連中がまだ小さな群れで助かったよ。
 対処が遅れていれば私一人では難しかっただろう……とにかくありがとう」

ブレイドと名乗った少年は綺麗な軌道で水袋を投げ、アリゼは黒光りする籠手を開いてそれを受け取る。
一口飲めば、それだけで狩りで疲れた心と身体が癒されていくのが分かった。
アリゼも返礼として、腰にある紐で縛られたいくつかの布袋のうちの一つを取り出す。

「ブレイド、君の方が報酬は多く出るだろうな。
 私が追っていた群れはここを目指していた、おそらくこの洞窟が拠点だったはず。
 ……これは私からのお礼だよ、はからずも手伝ってもらったことへの感謝の気持ちだ」

そしてブレイドに渡す。中身は夜食に食べるつもりだった燻製したてのベーコンだ。
今朝肉屋で詰めてもらって膨らんだ布袋は、ずっしりと重量感がある。

ブレイド > 「いや、アンタならなんとかなったんじゃねーのかな?
すげー装備だしよ。あと、血なまぐさいままじゃ気も休まんねーだろ…
と思ったけど、なんか便利な鎧っぽいな。洗う必要はなかったか」

もうちょっと飲んで、休んでていいとアリゼに伝えつつも
野営の準備を進めていく。
さっさと火をおこし、アリゼには休憩を促して。

「群れが戻ってきてたら危なくなってたのはオレの方だ。
だから報酬は等分でいいさ。遅かったって言ったけど、ちょうど手分けができたから早くすんだ。
礼ならこっちがしたいくらいだ。一緒にくおうぜ?」

渡された袋の中身を覗けば、美味しそうなベーコン。
今日はちょっとだけ贅沢な食事ができそうだ。

アリゼ > 「実際、こうして戦うときには便利なものだ。
 壊れることはなく、汚れてもすぐ元通りになる。
 ……これが呪いでなければな」

休んでいいというその言葉に甘え、アリゼは近場にあった石に腰を下ろす。
甲冑姿だというのに軋む音や歪む音は聞こえず、ただ金属の擦れる音が
定期的に、本当の姿を誤魔化すように鳴るだけだ。

「そう言ってくれるのはありがたいな。実はこの洞窟に来た時点で
 かなり腹が減っていたんだ」

同業者との食事は会話の機会でもある。
お互いの得物や危険な魔物、食べられる植物やこれまでの人生……
そういったことをお互いに気兼ねなく話せる機会はそうそうないのだ。
こうしてアリゼは焚火に当たりながら、ベーコンを焼きやすいようナイフで適度な大きさに切り落としていく。
すっかり冷えるようになった秋の夜には、ちょうどいい暖かさだった。

ブレイド > 「呪い?
なんか大変そうだな…いや、大変なんだろうけど。
脱げないとか?鎧のままじゃ気も休まんねーだろうに」

悪いことを言ってしまったか。
少しバツの悪い表情で野営の準備を終えて
焚き火を挟むように彼女の前に。
切ってくれたベーコンは小型のフライパンで炙って軽く味付けをすればそれだけでごちそうになるだろう。

「はは、んじゃ、遠慮せずにたっぷり食ってくれよ。
パンはもってきてるからよ。ベーコンのお返しだ」

焼いたベーコンとパン、木の食器に一緒くたに乗せてアリゼに差し出す。
自分も同じものを用意しつつ腰を掛ければ、道具袋から木のタンブラーをひとつ。
そして、先ほどとは違う水袋をとりだし、その中身を注ぎアリゼに。

「せっかくの依頼成功だってのに、水で乾杯ってのも味気ねぇ」

その中身は葡萄酒。タンブラーは彼女に、自分は…仕方ないので袋のまま。

アリゼ > 脱げない、という言葉にアリゼはふふっと笑った。
肌にこびりついて離れないという点では、確かに脱げないという言い方は正しいだろう。
だがもう依頼は片付き、この辺りは元々静かな平原だ。

「いや……そうだな、依頼も片付いたことだ。
 着替えるとしよう」

そう言って鎧を撫でれば、一瞬タトゥーに彩られたアリゼの身体が露になり、
すぐさま黒一色の修道服が身体のラインをゆるやかに表すように、全身を包む。
この場には場違いな恰好かもしれないが、アリゼは鎧を着たまま休むつもりもなかった。

「それでは晩餐といこう。
 依頼の成功と君の今後に……乾杯!」

木のタンブラーをブレイドの持つ袋に軽く当て、グイッと飲む。
そして焼きあがったベーコンを切れ込みを入れたパンに挟んで一気に口の中に放り込む。

「ふむ……いい味だ。やはり岩焼き通りの肉屋は当たりだな。
 君も買うときはそこにするといい」

焼かれたベーコンの滴る油がほどよくパンに馴染み、口の中でほぐれて肉に絡む。
綺麗な風景や神秘的な現象も旅の醍醐味だが、やはり一番は食事だとアリゼは
改めて感じながら、追加のベーコンを火で炙り始める。

ブレイド > 「………」

一瞬だが、見えてしまった。
放心したようにしばらく黙っていたが、頬を赤くして
ゆるく頭を振って、少しばかり困ったように

「せめて、オレが後ろ向いてからにしてくれよ…その、得したとは思うけど。
んじゃ、乾杯だ」

冗談めかすような照れ隠し。
赤みを消すように頬をこねてから、彼女と乾杯を交わし袋に口をつける。
香ばしいベーコンは香りも味も豊かで格別。
彼女を真似るようにパンに挟んで食えば、満足感のあるボリューム。

「んー、うまいな。ベーコン買うときは考えてみるかな。
今回はおつかれさん。
そういや、その格好はシスターでもやってんのか?」

互いを労いながら、食事を続ける。
談笑にうまい肉、思わず酒もすすんでしまうというものだ。

アリゼ > タトゥーの呪いが進行したせいだろうか、それともこの焚火のせいか。
少しずつだが身体が火照るのをアリゼは感じていた。
いつもなら見えないような場所で着替えるにも関わらず、一瞬とはいえ
ブレイドに身体を晒してしまった。
疲れているだけだ、と自分を言い聞かせてブレイドに少しだけ近づく。

「……この服ならそれなりに動きやすく、街を歩くときに便利だからな。
 こうして切れ込みを入れれば」

そう言って両足を包む修道服に一本の線を引くようになぞれば、
むっちりとしたふとももが見えるスリットがはらりと開かれた。
まるでスカートのようになったそれを、くるりとブレイドの目の前で回って見せつける。

「こんな風に動ける、というわけだ。いつも鎧姿では怪しまれてしまうからな。
 この前は衛兵に絡まれて誤魔化すのが大変だった……」

酒と肉を主食にして、そこに苦労話や愚痴を加えていけばあっという間に時間は過ぎていく。
気がつけばアリゼはブレイドとほとんど密着するようにして、会話を続けていた。

ブレイド > 距離が近づく。
話しやすくていいとは思うが、先程のこともあってか少し照れくさい。
綺麗な赤髪、つややかな肌、思わず目が奪われてしまう。

「そうだなって…なにやってんだ!?
そんなかっこしてたら、その…なんだ、注目されねぇか?」

少し意識をそらそうと会話に集中しようとした矢先に、彼女の眩しい太ももが目に入る。
言いたいことはわかるが…修道服という姿から覗く太ももは目の毒だ。
引いた顔の赤みが余計に増してしまう。

「ま…まぁ、その…普段はスリットは入れてねぇか…。
そんなら、まぁ、怪しまれはしねーだろうけど。
修道服は修道服で別の意味で絡まれたりしねーか?」

いつの間にか隣、いつの間にかふれあいそうなほどに近い。
どきどきと鼓動が早くなってしまっているのがわかる。
血を見た後、命のやり取りをしたあとは昂ぶるもので…気まずい。
水袋を膝上に置いて、充血したものを隠すように。