2018/09/05 のログ
■タマモ > 己が結界を展開している領域から、そう離れていない場所にあった森林に包まれる遺跡。
遺跡の近くにある樹木の内の一本、それなりに大きなそれの枝の上に少女は佇んでいた。
向けられる視線は、遺跡の方に…正確には、その周囲に徘徊する魔導機兵達に向けらている。
「ふむ…話に聞いておった通りか…前の遺跡に居たのと、同じような機械人形じゃな。
何者かは知らんが、傍迷惑な事この上ないものじゃ」
はふん、溜息を一つ、面倒そうに呟いた。
『そう言えば、ご主人様が自然地帯に張った結界…その付近にも、例の機械人形が現れているみたいですよ?
どうにかしませんと、付近の動物達が可哀想ですよね…ね?』
うん、分かってて言ってる、絶対に。
そう思いながら聞いた、式の言葉を思い出す。
正直、機械人形自体はどうでも良い、好きに徘徊でも何でもしろと言いたい。
だが、あの付近には、少なからず思い入れはある。
それを荒そうとする存在は…許し難いもので。
「まぁ、対処法はもう分かっておる。
………さっさと片付けさせて貰おうかのぅ」
とん、と枝を蹴り…少女は地面へと舞い降りる。
■タマモ > 守るべき遺跡、と言った感じか。
遺跡へと近付いていけば、周囲を巡っていた数体が、まずこちらに反応した。
各々に槍を召喚すれば、問答無用で放ってくる。
「お主等の欠点を教えてやろう…攻撃が正確過ぎるのじゃ」
音も無く地面を蹴り、その身を前方に進めつつ横にずらす。
槍は少女の僅か横を抜け、背後の地面なり、樹木なりで破裂する。
「そして、思考があれば、当たらぬ原因を探り、他の手を行使する事じゃろうな?
それの無いお主等は、同じ事を繰り返す。
まぁ…機械人形に、考えて行動せよ、なんぞ無理は言わん」
次の、また次の槍を、次々と避けながら、少女は言葉を続ける。
そうしている間に、遺跡内からの増援が姿を現わせば、くすりと少女は笑った。
「じゃからな…邪魔なお主等は、大人しく壊れておくが良い」
前と同じように、少女は魔導機兵達へと片手を差し出すように伸ばす。
そして…握る、それと共に、魔導機兵達の動力源である鉱石が握り潰されたように割れてしまう。
動力源を失い、動きを止めるのを確かめるも…少女は、続けて袖の中から扇子を一本取り出した。
「しかし…止めたら爆発とか、誰が考えたんじゃろうな…」
ばさり、と扇子を広げる少女。
そこまでで、少女はそれ以上は何もしなかった。
ただ、じっと動きを止めた魔導機兵達を見ているだけだ。
■タマモ > じわり、と膨らみ始める違和感。
この感覚を感じた後、僅か後に爆発するのだろう。
その威力は、この周囲をそれなりの範囲で吹き飛ばす程だったはずだ。
…そう、何の手も打たずに放置をしておけば。
しかし、次の瞬間、爆発をする…それは、見ていて分かる。
だが、爆発音もしなければ、その衝撃が周囲に害を及ぼす事も無かった。
各々何かに包まれているかのように、透明な密閉空間の中で、その巨体を爆発四散させ…終わる。
「ふふんっ、この程度は造作もない事じゃ」
開いていた扇子を、ぱしん、と閉じる。
自慢げに胸を張る少女、聞く者もいない言葉を崩れ去った魔導機兵達に。
■タマモ > 「さて…」
視線を今度は遺跡へと移し、軽く考える仕草。
とりあえず、今のところはこれ以上現れる事も無さそうか?
そう考えれば、ちらりと視線を上へと向けて。
「どうせ、この機械人形の回収目的もあったんじゃろう?
まったく…自分では動けぬからと、主を動かすか?主を何だと思っておるのじゃ…」
そんな文句を言いつつも、くるりと踵を返す。
もう用事が無くなったのならば、戻るだけなのだが…
「ふむ…住処に寄ってみるかのぅ」
そう呟けば、少女はその場を後にした。
少女が姿を消した後、そんな事も何も無かったかのように、魔導機兵達の残骸も、なぜか消え去っていた。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯(イベント開催中)」からタマモさんが去りました。