2018/07/13 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にアークデーモンさんが現れました。
アークデーモン > それは小さな湖の辺り。
小さな木立や草花に囲まれた旅人達が一息つく場所。
その一部が、真っ黒に切り取られ丸く印を押したように何も無い。
境界上の大岩が半分、抉られたような形で不安定になってゴロリ、と転がった。

「………夜の子供達にしては脆弱だな?」

その中央に立つ、ローブ姿の青年は白い病弱にも見える顔を訝しげにした。
視線は自分の周囲に注意深く向いて、一周した。

「気配も残らないとは……ふむ。やはり、恩寵とやらがまだ枯れていないのか」

興味深そうに呟きながら周囲の空間をしげしげと観察する。
焦げた地面は一切の熱が熾きているわけでもなく静かなものだった。

アークデーモン > しばし、興味深そうな観察は続いた。
やがて月を見上げ、小さく嘆息する。
小さく首を振って踵を返した所で気づいたように動きを止め。

「失礼した。確かに不手際だ。せめてこれは戻しておこうか」

何かに声を掛けられたかのうように僅かに肩越しに振り返ると、頷いて。
白い手をローブから覗かせると小さく、振った。
気配が小動物のように滑り落ち、焦げた地面の上をすばやく動き回る。
一呼吸する間に芽吹き、三呼吸が終わる頃には新緑の芽で埋め尽くされていた。
焦げが消えたわけではなく馴染むには暫く掛かるだろうほどには違和感は残る。
だが、青年は月下の芽の群れを眺めながら満足気に頷いた。

「人間達に来て欲しいのだろう?魔族の痕跡を消す方を優先した」

何か、に返事をするようにドヤ顔で説明をする。

「まぁ、この草木が生えるはずだった場所が
 向こう暫くは不毛の地だろうが、ここではない、何処かだ」

一度、湖を睥睨し半眼で頷く。

「安心したまえ」

そのままマントを翻し、湖を背に歩き出す。
湖の水面が風もなく小さく一面にさざめいたが直ぐに大人しくなった。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からアークデーモンさんが去りました。