2018/06/24 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯 川辺」にヒマリさんが現れました。
ヒマリ > 街道から離れた道ならぬ道を馬車が走る。
窓を開け、外を見たのは朱色の髪が目立つ少女。
夜になる前に目的地に着きたいのだが、空は薄暗くなっていた。
出立の切っ掛けは付き合いのある貴族からの頼みなのだが、こちらにも色々都合があり、こんな時間になってしまった。

「やれやれ…。お嬢様が駆け落ちとは。甘やかし過ぎだろう」

占術師として彼女の行方を占ってくれまいかとの要請。
陰陽道の定着していないこの国では便利屋の様に扱われることも少なくない。
まぁ、人脈が作れればいいのだ。
お嬢様に関しては恋は肉欲が伴うものだから、そんな衝動で家を出るなんて馬鹿げてるという感想しかない。
目的地である領地は街道沿いではなく、おかげでこんなに寂しい場所を走る羽目になった。

「…美しい川だな。少し馬を休ませようか」

御者に告げ、馬車は止まる。
開けた窓から入る風は涼しく、珍しく穏やかな表情で川が流れる様を眺めていた。

ヒマリ > 馬に水を飲ませ休ませて、御者が声を掛けてくる。
王都では常に気が張っている少女だが、今はぼんやりとしていたため、その声に我に返った。

「あぁ、うん、出発してくれ。なるべく早く着きたい」

やがて馬車は動き出す。
暮れていく日を追い駆ける様に。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯 川辺」からヒマリさんが去りました。