2018/05/05 のログ
ギィギ > 誰かが近づいてきた足音、言葉を放つ際に震える空気の振動、そして周辺の虫や獣とは違う体温をギィギと呼ばれる種類のスライムは柔らかな表皮で敏感に感じ取ると、今宵初めて明確な意思を持って行動を始める。

ただ落ちて昇り落ちる単調な行動ではない。
明確なる狩猟行動、対象を攻撃する為の動作。

近づいてくる足音の数、声の大きさにより、近づく人影は単独だと感づいたのか、より深くより大樹に近づくまで、すぐさま飛び掛る真似などしない、大樹から伸びる枝に満遍なく身体を伸ばして、獲物を囲むように獲物が囲いの中に入り込むまでに待ちわびると………。


――…獲物が警戒し金属に手をかけた刹那、大樹から雨雫の如くパタタタタと細かな音を立ててた一斉に大樹の枝から身体を落とし、無数の銀糸の糸を枝と地面、そして女の身体との間に張り巡らせると、その姿は粘液体であるギィギの身体に包まれてしまうだろうか、それとも幸運にも最初の雫で察してかわしてしまうのだろうか?

どうなったのかは森に入り込まなければわからない。
女を助けに追うものが現れるか、それとも偶然に迷い込むものが見つけるまでは……だが見つからない場合はどうなるか?

一人の犠牲者と1匹の魔物の物語は静かに幕を開ける。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯/森」からギィギさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯/森」からレリィさんが去りました。