2018/03/20 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にガラッゾさんが現れました。
ガラッゾ > 月は今宵も薄雲に紛れて光は薄く、星々も今一輝き鈍い夜。
暖かさも今宵ばかりは薄くて肌寒さまで感じるくらいだが、今宵もガラッゾの一人は材料集めに励む。

今度は何を作ろうか、武具かそれとも生きた拘束具か、濁り聞くものを間違いなく不愉快にさせそうなへたくそな鼻歌を歌いながら、肩に担いだ自分より大きなピッケルの柄で己の肩をとんとんっと叩きながら歩いている。

場所はメグメール自然地帯の中ほどにある水晶の生えた草原。
ガラッゾの腰ほどもある雑草が生えて草花が咲き、テーブルになりそうなくらいに大きな岩や人の背丈を越える水晶の結晶が立ち並ぶ、その一つ一つを歩きながら濁り澱んだ眼で吟味していた。

岩は砕けば鉱石だったり宝石の原石だったりするし、水晶も質が良いものがあれば砕いて素材にしてもいい、時々生き物が閉じ込められているものが見つかるし、それはそれで上手く掘り出せば装飾品として価値もあるし、と此処はガラッゾ達には宝の山であった。

――・・・但し、モンスターが出ることでも有名な場所である。
エンカウントしたらしたで逃げれば良いし、何イザとなったらピッケルを投擲してその隙に、と軽い考えで行動しているが、実際此処では同族も何人か行方不明になっているし、危険な場所だと仲間内でも評判であって……でもそれでも来てしまうのは命の重さと天秤にかけても非常に魅力的であるからして……ともかく、鼻歌で自分の存在を周囲にアピールし、近寄ってくるなと耳障りな音で威嚇して、歩き続けている……。

ガラッゾ > ふと足を止める。
考え事をしていた所為か目の前に巨大な水晶がそびえ立っている事に気がつかず思わず額と簡素なサンダルにはみ出した足の指先を衝突するところだったようだ。

だから足を止める。
そして、濁った茶色い眼に映る目の前の巨大な水晶を見上げる。
色は無色透明、大きさは自分よりも2倍は高く、厚みも人間が手を繋いで5人くらい必要なくらいだろうか?

見た目的には他の水晶となんら変わりはないのだが、何故か意識に触れるというか、勘なのだがこの水晶は普通じゃない気がする。

故にまzやる事は硬度を一応確認してからの採集。
手始めに肩に担いでいたピッケルを無造作に振り下ろして足元に土を抉り突き立てると、ピッケルを握っていたその利き手で手の甲で水晶の表面をノックしてみる。

「ゲッ……コレ人食イか…………。」

フードをかぶった顔は決して外には見せないが、自覚できるほどに眉間に深い皺を寄せて愚痴ってしまう事態が起こる。
「人食い」と人でも理解出来る言葉で思わず愚痴った理由はひとつ、手の甲は水晶の表面を叩く事無く「飲み込まれた」からだ。

硬質な水晶のはずなのに泥沼に手を入れた様な感触と共に圧せば押すだけどんどんと水晶の中に入り込んでいく自分の手。
手首まで入り込んだ所でこれ以上はまずいとちょっとコツがいるのだが、ずぶ、とちょっと卑猥な音をたたせて、手をその人食いから引っこ抜いていく……。

人食い、水晶に良く似ているが水晶より植物性の鉱物と言う区分に入るか、一定の体温を持つ生物が触れると水晶にニタ身体の中に取り込んで、全て入り込んだ所で表面を硬質化させて獲物を閉じ込めるという厄介なもの。

まあ逆に言えば閉じ込められたものが価値があれば硬質化した人食いもまた価値が出てくるので、ラッキーとも言えなくもないが、今は誰も入っておらず、コレでは水晶の中にガラッゾという自分でも想像しても美しくない結果になるだろう。

中に閉じ込められても死ぬ事はない。
時間が止まったように食事も何も入らずただただ生命を維持される、とか中で凄いことになってるとか、実際は死ぬ事はない以外はどうなってるか判らない、自分の身体で確かめようとは思わない、のでコレをどうするか……どうしようか?

ガラッゾ > 視線を人食い水晶より離して周辺を見渡す。
巨大な岩や水晶がごろごろしてはいるが見渡しは悪いわけではない、もし近場に手頃な生贄が居ればコイツに食わせて硬化させて閉じ込めて持ち帰るか、それとも軽く遊んでから持ち帰って二度楽しむか……。

醜悪な相貌がニタァと歪めた笑みにより、よりガラッゾという存在が醜悪な堕ちた妖精だと誰が見てもわかる程に愉悦に満ちた笑みを浮べると、視線を更に右に左にと向けて獲物を探しながら、ローブの懐に手を入れて予備に持ってきた短刀を忘れていないか手探りで確認をする。

そんな状態であるけば流石に小動物などは逃げるし、虫たちすら声を潜め、犠牲にならぬように妖精の眼から逃げようとしていようだが、小動物なんぞに眼を向ける心算はない。

これだけ巨大な人食い水晶だ人間やミレー族の女がいい。
出来れば見目麗しく喰い応えのある女がいい……。
それを嬲った喰らって絶望のままに人食いに食わせて、集落に持ち帰って飾り立て、室内を照らすライトに加工して好きな時に取り出して嬲れるようにする、それがいい……。

脳裏に描く欲望と妄想に生唾をゴクリと飲み込みながら、雑草を踏みしめ、花を押し潰し、獲物を求めてウロウロと草原を彷徨う。