2018/03/03 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にギィギさんが現れました。
ギィギ > ここはメグメール(喜びヶ原)と呼ばれる自然地帯にあるごく有り触れた草原地帯である。
疎らに生える人よりも大きく太い巨木とそれと対照的に低い人間の膝くらいの高さまでしか伸びていない名も無き草花達。

今宵はそれを照らす月も雲で陰り、星も輝かず、吹く風は春の陽気も交えてか酷く生暖かく、それが全て交じり合い、訪れる者達に怖気を走らせるほどの不穏は空気を醸し出している。

――ずぞぞ……ずぞ………ずぞぞぞぞ………。

と、その生温かい夜風に負けず劣らず風に紛れて響くのは何か重たいモノが地面を削りながら這いずり進む音、それに時折混じるは石と何か金属が擦れてぶつかる不協和音。

音の主、その名はギィギ。
今は低く生える草に紛れて姿を発見するのは難しいだろう。
その体も普段の紫色ではなく硝子を思わせる透明な色合いであり、それが証も無い場所で蠢くのだから一層発見は困難と。

草原、見るものが見れば薬草も混じる天然の薬箱である。
其処を訪れるものを狙ってか、旅人を狙ってか、ギィギはただただ只管に獲物との衝突を求めて蠢き続けるのであった。

視覚は無い、だから触覚、嗅覚、聴覚をフル動員し、何かにぶつかるまで獲物を発見するまで、ただただ執拗に地面を舐るよう這い、餓えているのか通常のそれらより、まとう雰囲気は異様としか形容できずで。

ギィギ > 獲物が見つかるまで、ギィギは不協和音と重たい粘り気のある水音を響かせ奏でながら草原を這いずり続ける。
万が一でも良い、一度でも獲物を感じ捕らえれば決してはなさない。

獲物の胎が膨れ、意識を手放そうが関係ない。
ただただ繁栄する為に視線を増やす為になぶり続ける――も、それも何も獲物が見つからなければ意味がない。

だから、草を圧し踏み、石ころを削り、ずり、ずり、と、かの生物は諦めが付くまで彷徨い続けるのであった。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からギィギさんが去りました。