2017/10/03 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 森林」にカシムさんが現れました。
カシム > 居士はすっかりと色づいた森林の中に立っていた。
季節は秋。木々の葉はすっかり茶褐色へと変わっていた。

「ほれほれほーれ」

居士が握っていた杖を振る。
すると居士の周りの木々の葉が、瑞々しい緑を取り戻していく。
さらに花まで咲き始めた。

「うむ、やはり酒は花を眺めながらに限るわい」

居士の母国には、世界そのものが一つの巨大な幻とされ真の世界を覆い尽くす影と考える哲学がある。
その哲学を元に居士の魔術は組み立てられている。
時の流れすら幻。居士は木々の時間を巻き戻したのだ。

「うーぃ」

瓢箪の中にある酒を呷り、浮かぶ笊に腰を下ろす。
この笊は居士が仮初の命を与えたものだ。居士の命令のままに動く。
居士の魔術では命すら幻なのである。

カシム > 春の花吹雪が秋風に舞う中、居士は瓢箪の酒を飲み干し、すっかりと眠り込んでしまった。

「すぴ~すぴ~」

口から涎を垂らし、へべれけに酔っ払った居士。
居士を乗せていた笊は、居士が目を覚まさない様にゆっくりと自宅へと移動するのである。
仮初の命といえどもそこは命。情や思いやりの感情があって何が悪いか。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 森林」からカシムさんが去りました。