2017/07/03 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にカナンさんが現れました。
カナン > 「…う、あっつい…」

比較的形を成した廃屋、の崩れかけた一角から這い出てくる人影一つ。
腕の中には中小の箱を三つがっつり抱え込んで、外気の蒸し暑さに触れるとぱったり倒れ込んだ。働くって疲れる。否違うか。

埃っぽさに咳き込みながら周囲へ視線を巡らせると、目鼻の先に水溜りとも見紛う小川が途切れがちに流れていて。

カナン > 徐に起き上がり、ブーツを足から引き剥がす。
足先を小川の表面に付け、一度思い切り跳ね上げる

「うわつめた。いがいとつめたい!」

川の水の冷たさをすっかり失念していた。川と言う程川でもないし。其れでも蒸し暑さよりは冷たさの方に惹かれてそろそろと足を水面へ下ろす。幾らか馴染むとそっと安堵の息を吐き――――ダンジョンから持ち逃げしてきた箱を膝の上に置く。

最初の一番小さな箱を開けると

「ぅわ、」

鼻先直ぐそばを、しゅっと走り抜ける光の帯。眩しさを我慢して振り仰ぐ、と。パン、と音と共に七色の光の帯が空高く駆け抜け、流れて消える。呆けたように口を開いていると、ひらりと紙が落ちてくる。指先で捕まえ

『ハズレ』

地面に叩きつけた。

カナン > 「エェー………?」

ひらり、ひらり。『ハズレ』って書いてある紙が、幾つも振り落ちてくる。ナニコレ。イタズラか。誰のだ。

指先に熱を集め、紙片へ緩く指し示す。ぽ、と音を立てて、青白い焔が鬼火のように立ち上り―――――

「あつい!」

自由落下に遭い、涙目になった。座っていた所だと落下の動線なので、小川の方に緊急避難。残り二つの箱は慌てていても手放さず、向こう岸へ腰を落とす。

カナン > 「………。」

小さくて重たい箱を開ける。中には紫色の小瓶が一つ。親切にも札がついており、ぴらりと裏返してみてみる。

『きょうりょくな媚薬』

「……………。」

売ろうか。如何するか。本当に強力だったら買い手がいそうな気がするけど、実は毒薬とかだったりしたら身の危険を感じる。

キュ、と蓋を捻り開けて。
トーーーー、と小川に流す。下流のことはしらない。

カナン > 手元に残った最後の未開封の箱。
最初の箱と同じ装飾な感じがする。開けたらまた花火もどきとハズレの紙なんだろうか。自分で開けるより誰かに開けて貰いたい、もはや。じっと箱を見る。

「……………。」

カナン > 箱をじっとじっと見つめ、浅瀬の小川の水面にてそっと押し出す。
最初は岩肌に引っ掛かって止まりかけていたが、少し深い所まで行くとぷかりぷかりと浮き沈みを繰り返しながら流れて行く。

カナン > 見送る内に眠気が絡み、あくびを一つ零して目を瞑る。ひと時の仮眠が明け方までの熟睡へと。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からカナンさんが去りました。