2017/07/01 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にカナンさんが現れました。
■カナン > 街道から数本外れた草原に、獣道に人が踏み入った痕跡が連なる。その先のぽかりと開けた土くれの地があり、その片隅。
脚を投げ出して座り、小さな枝葉を重ねた処に指先を近づけ火を移す。小さな銅製の器を掛ける。
「……ついに自給自足に……」
詰め込まれた木の実がくつくつと煮える。塩をぱらりと振り。
■カナン > 傍らに生えていた野草を足そうとした瞬間、指にちくりと痛みが走る。赤い血が滴り落ちるのを見下ろし
「――――………。
ここを空腹で通りがかる人がいたら、これをお食べと差し出して、身ぐるみ剥げばいいんじゃないの」
首を緩く傾げて物騒な言葉を滑らせ。血の粒が膨らむ指を器の上にかざす。痺れ効果のある其れ。
■カナン > 半円だった血が少しずつ膨らんで綺麗な円になり、その形が崩れそうになるまでをじっと眺め。ふ、と視線を切り
「なんちゃっ………あっつ!」
引こうとした指を器に掠らせ、手を振った弾みで血がぽちゃりと器の水面へ。思わず真面目な顔になって固まり――――まあいいか、と身を引いた。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にウィルバーさんが現れました。
■ウィルバー > 藪がガサガサと揺れ動き、ほどなくして黒いスーツ姿の男が姿を現す。
金色の瞳、金色の髪の男は野営をしていると思われる少女と、火の上でグツグツと煮えた銅の器に視線を巡らす。
「良い匂いがすると思ったら、随分とおいしそうな物を作ってるんだね。」
器の上では木の実と、何故か浮いている赤い液体。
僕は初対面の人間相手に食い物を強請るようなまねは決してしない。
…しないのだが、ぐるるぅぅと腹が鳴ってしまう。
■カナン > 獣、と思うには少し違和感を感じる物音に視線を流す。
「!?」
獣道に黒スーツ、という違和感を倍加させる組み合わせに思わず目を見開く。
「!?!?」
空腹で通りがかる人がいた!?と言う驚きの追撃。ぱちりと目を瞬かせて、
「お腹が空いて倒れそうだったから作ったんだけど、良いよ、差し上げる。でも何かあなたの良い物が欲しいな。」
ただじゃなかった。高いのか安いのか分からない交換条件を持ち掛けながら、木彫りのスプーンを腰に提げた袋から取り出して、差し出す。赤い所は飲んだら身体が痺れる効果付き。酒と同様で、全く感じないから酩酊レベルまで体質次第。
■ウィルバー > 「良い物、良い物ねえ…。」
こちらに向けられる表情がコロコロ変わっていく。
随分と面白い娘と出会えたことに心の中で喜んでいた。
が、少女の答えには僕は唇をへの字に曲げ、首を傾げてしまう。
「良い物かどうかは分からないけど、お仕事紹介しようか?
うちの家の家事手伝いと売り子になるんだけどさ。
ああ、僕の世話もしてくれるならその分も追加で支払うよ。
ただ、今はあまり良さそうな物がないんだよね。」
家の住所まで説明し、彼女が納得するかはわからないが、うちで人を募集していることを伝える。
どこまでやってくれるかどうかや、住み込みや勤務頻度も彼女次第だ。
「あと、一つだけ確認していいかな。 自分が倒れそうな程に空腹だったら、どうして人にあげちゃうの?
せめて半分だけなら納得いくけど。」
腹が減っている僕でもそれくらいの頭は動いた。 ましてや彼女は初対面だ。
何か他の考えがあってもおかしくない。 と言うか、その方が僕としては面白い。
なので、問いかけながらも顔には笑みが浮かんでいたことだろう。
■カナン > 「う、ん…?家事手伝いが必要なほど広かったり、家族がいっぱいいたりするのかな。……売り子も面白そうだけど、どんなものを売るか次第かも。…追加のあなたのお世話って、何をするの。」
全く想像していなかった方向からの良い物、に、それもそれでびっくりして目を見開く。使用人さんみたいなものを想像して幾つか思いつくままに質問を。問われて少しばかり固まった。
「良い物をもらうっていう対価で、あなたが何をくれるか気になったから。あとはまあ……うん。多少スパイスがきいてるから…かな?あなたの運試し。」
自分には別に効き目はないものだけれど。身ぐるみはごうkな、なんて下心、無く無い。
笑顔には一寸気圧されてそろりと目が泳ぐ。
■ウィルバー > 「うちはまあ、それなりには広いね。 一人では手が回らない位。
家族は居るよ。 この間男の子が生まれたし。
売り子はあれだよ、僕が作ったマジックアイテムを売る感じだよ。
まあ、家に来た人に売るだけだし、広報も全然だから今のところは暇だろうけどね。
僕の世話って、まあ、大体言わなくても分かるんじゃない?」
驚く少女にペラペラと自分のことや、募集内容を語っていた。
最後の世話については、多少濁した。 これで分かってくれそうにないなら胸でも触ってみようか。
「ううん、まあ、そんなので君が納得してくれるのならいいんだけど。
運試しって…、君も随分と酔狂な子だなあ。」
こういう遊びは好きだったので、な~~んとなくだが、目が泳ぐ彼女に疑問を感じつつも、
火の前に腰掛け、差し出されたスプーンを手にいきなり赤い所から食べ始める。
「へ~、初めて食べるけど結構おいしいねえ。 これ、誰の血?」
吸血鬼である僕には、一口入れただけで血液と言うことがよく分かった。
そして、ウマイウマイと食べているうちに、手足の痺れが。
「…これ、なんか痺れるんだけど。」
眼が泳いでいた理由はこれだったか。
彼女にはまだ伝えてないが、こちらは不死族であり、強靭な身体能力がある。
彼女がよからぬ行動を起こそうものなら、これ幸いと治り次第襲い掛かるだろう。
■カナン > 「広いんだあ、家族もそれなら住めるよね。男の子が…子持ち!?
マジックアイテムを売るのって楽しそうだね。……子持ち!?
奥さんと子供がいるひとに抱かれたくなんかないよ!?良い物じゃない!」
非難轟々だった。濁されたことで気が付いたけれど、フシャーッとか言いそうな勢いで伸びて来る手は叩き落とそうとするひと。
手刀にて。
「マジックアイテム売るのは楽しそうだな。私もそのアイテムちょっと欲しい。
……一滴しか混ぜてないのに気が付いた!?ソノヘンノケモノノチダヨー」
ものすごく棒読みで答えながら、めっちゃ美味しそうに食べているのを眺める。
「これは木の実が大好物なんでショウカ……それとも血が大好きなんでショウカ…?」
血だったらどうしよう。いっぱいこの身体に流れまくっているよ、とても新鮮なやつが。
痺れて動きづらそうになったけど、本能的に何か訴えてくるものがある。
「気のせい。」
真顔で断言しながらつんつんとその肩つつこうとする。やや遠くから。
■ウィルバー > 「まあ、研究とかもするからある程度広い方が良いと思ってね。 …子持ちだけど。
便利なアイテム作るのは良いと思うよ。 それで喜ぶ人が居ればいいよね。 …子持ちだけど?
いやいやいや、それ位この辺だと普通でしょ。 それと、色々事情があって
奥さんって感じでもないんだよね。 結婚してるわけでもないし。
ええ!? 仕事あるのに断るの? お腹空いて倒れそうとか言ってた人が?」
子持ちと言うだけでなんでこんなに避難されるのだろうかと、僕は涙目になっていた。
「いいよ、なら何か一つ家に帰ってから送っておくよ。
どんなのがいい?
…いや、これ絶対けものの血じゃないよね。
人の血ともう一つは何か混じった感じだねえ。」
棒読みの彼女を前に、血液ソムリエみたいなコメントを口にする。
「どっちも好きだけど、どっちかと言うと血液かなあ? しかも珍しい血が大好きでね。」
じーーっと、彼女の首筋を見上げる金色の瞳。
ギラついた瞳には、飲みたいと書かれているかのようで。
「いやいや、気のせいじゃないよねこれ。 痺れる血かあ。 もっと飲んでみたいなあ。」
量も少なかったので、痺れは残るが動ける程度には回復する。
遠巻きから肩を突く手を、痺れの残る指先で掴もうと。
■カナン > 「うん、わたし、めんどうごときらい。うっかり情移ったらやだし。
奥さんじゃなくても、恋人とか、特定のひとがいるひととは寝たくない。」
ぶんぶん、と頭を振る。
子持ちだからじゃない。子持ちの浮気性はやだ絶対。ぶんぶんぶん。
「わーい、…どんなのがあるの?
わたし家が無い…。住所は大自然だよ(野宿)
ええええ、そんな、そんな的確に分かるの。血が主食なの。…吸血鬼なの!?」
見てる先が如実です。そんな、そんな目で見上げられても。
「痺れて動けなくなったあなたの有り金を全部持ち逃げして良いっていうなら少しあげてもいいよ。
でもそれって割と困るんじゃないかなあ!?」
痺れの度合いに反比例して、動けるようになるのが早い。掴まれた手が指の内側でびくっと跳ねた。
屹度、変わっているのはこの血だけだと思われている。前触れも無くこの発火を振るえば逃れられる気はする。
そこまでするのは流石に今は躊躇われて、少し焦りを滲ませて言い募り―――白状してた。悪巧みの内容まるっと。
■ウィルバー > 「面倒にはならないよ。
僕が外でぷらぷらしてて怒ってくるような相手は居ないからね。」
意外と身持ちが固いんだなと、失礼な事を考えていた。
必死に首を左右に振る様に、また勧誘失敗かとがくっと肩を落とす。
「むしろ、どんなのが欲しいか次第なんだけど。
家がないのなら、うちに部屋借りたらいいのに…。
お、凄いな。 初見でここまでばっちり分かるんだ。 ううん、ますます雇いたくなるね。」
自分がガッツリ見ている自覚がないため、速攻で吸血鬼とバレたことに驚いていた。
「なんだ、そんなのでいいの? 家に帰れば結構金あるし、それ位で済むなら
むしろ御の字なんだけど。 吸血鬼って、不死で毒とかにも結構強いんだけど、血の誘惑には勝てなくてさあ。」
飲めば多少なりとも痺れる血だと言われても、手持ちの金がなくなると言われても変わった血はなんとしても飲みたくなってしまう。
むしろ、刺激的なことを求めている僕には好都合の話であった。
まさか焼かれる可能性があることには気付いておらず、もう片方の手で財布を取り出して。
「ほら、出したよ。 これでいいんだよね?」