2017/06/02 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にアインズさんが現れました。
■アインズ > 一寸先は闇と言うが此処メグメール自然地帯の木々が疎らに生えた一角は今宵は白い霧に覆われて、比較的街道に近い場所でさえ視界は悪くまるで白い闇に包まれているようだった。
ランタンや光源があれば夜の闇は照らせても白い霧までは見通せず、その所為か獣たちすら鳴くのを止めて息を潜めている状況で唯一徘徊している生物が存在している。
その名はアインズ
縦長い瞳孔を持つ金色の眼球に無数の触手が生えた無名の遺跡ではよく見かける初級のモンスターで今宵はそれが珍しく自然地帯を草原を浮遊し彷徨っている。
その体の半分以上を占める巨大な眼球は時折瞬きし、何かを探すように身体を左右に傾けて辺りを見回しながら、白い霧という闇に紛れ、当て所なくふわふわと浮遊しながら草原を進む。
丁度初夏に差し掛かった魔物にとっては苦手な寒さが終り、活動のしやすくなった暑さと涼しげな夜風の吹く活動期。
今のうちに繁殖しておこうという事だろうか、それは誰にもわからない……だが何かを探す様子はそう見えても不思議ではないし、きっとたぶんそうなのだろう。
■アインズ > 白い霧を空中を巨大な目玉が音も無く浮遊して泳ぐ光景は異様な光景なのだが、その白い霧が奇妙な目玉の姿を覆い、夜の闇が余計に他者の眼からその存在を隠す。
もし嗅覚が鋭いモノが近づけば草原の草木の香りに混じり、生臭い何か別の存在の匂いを嗅ぎ取る事が出来るであろう。
だがその匂いも稀に吹く夜風に混じると拡散し、嗅覚で捉える事も難しくなる。
――それを理解してるのか、していないのか、白い霧に包まれた草原に浮遊している巨大な目玉はわざわざ霧の濃いところを泳ぎ、物音がすれば静かにそちらへと進み、巨大な目玉に何も映らなければまた濃い白い霧の中を徘徊する……。
遺跡であれば力を持った冒険者が対峙し、制圧するだろうが此処はあくまでも自然地帯の草原。
魔物を脅かす存在は少ない、筈で魔物自身もまた警戒心が薄く、背面だの何だのと隙だらけの姿を時折白い霧の合間から見せている。
■アインズ > 人の眼よりも爬虫類の眼、もっと言えば竜族の眼であり、邪眼の力を想像させる威圧感を備えた眼。
一説には見た目どおり滅んだ竜種が目玉だけ残して生き延びていた姿だの魔神が異界から目玉を飛ばしているだのと言われているが定かではない。
一般的に巨大な目玉が空気を掻き分け獲物を捕まえるのに使う触手で「ニンゲン」の女を捕らえて犯し、胎内に卵となる核を植えつけて、その「ニンゲン」の魔力を吸い上げて成長させて生ませるという浅ましく恐ろしい生殖行動を行う有り触れた魔物と言う事と、弱点が身体の半分以上を占めているその目玉で、襲われたら目玉に向けて物を投げて怯んだ間に逃げろという撃退方法。
しかし、今宵は白い霧の中
目玉を狙うのも難しく、魔物からの不意打ちを警戒するのは難しいだろう。
この時期に木々の疎らに生えるこの草原地帯に迷い込んだニンゲンは不幸としか言えない。
――もしアインズに遭遇したら、不意をうたれたら不幸の一言では済まないだろう。