2017/05/29 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にウィルバーさんが現れました。
ウィルバー > 今日は学院で出版されている図鑑を片手に森の中にやってきた。
こんなに明るい時間に表に出るのは吸血鬼としては避けるべきだが、暗いと見つけにくいものもたくさんあるので仕方がない。

「うっわ~、あの池お日様の光を反射してるよ。 僕に恨みでもあるのかな?」
誰も居ないので、そんな悪態もついている。

まあ、閑話休題はこの辺にして仕事を進めよう。

今日は図鑑に載っている食物の記述が正しいかどうかの確認である。
学院内は安全と言うこともあってか、記述内容を確かめにわざわざ危険な外に出てまで確かめようと思う人は存外少ないのだ。

その点、僕は大丈夫だ。 この体のおかげで仮に毒性の強い物を食べたとしても半日も昏睡しておけばなんとかなるのだから。
…いや、あの時喰ったあれはやばかった。

などと、昔の失敗を思い出してブルーな気分になりつつも、図鑑に載っている植物を探している。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にノアさんが現れました。
ノア > 朝早くのこと、 唐突に森へ同行するよう告げられた。本来ならば其のような頼み、 寝たフリでもして無視するところだけれど.. 他ならぬ "主" の言葉とあっては、 無視する訳にもいかなくて。女は軽く準備を済ませてから、 手書きの地図を頼りに森林地帯へ向かった。

「 この辺りの筈、 なんだ けど..... 」

( てゆーか、 森なんて何処も同じ景色じゃないっ.. こんな森の中呼び出すなんて... )

森の中となれば当然、 目印になる店も無い。 そんな中をつかつかと、 心の中で密やかな悪態吐きながら歩いてゆけば..

「 ...............居た、 っ.. 」

池の畔に、 木漏れ日を反射させ煌めく金色の髪を見つけて。おーい だなんて声を掛け近寄るのも癪だと、 背後より物音立てぬよう忍び足で距離を詰め。

ウィルバー > おお、これは図鑑によると超絶美味と噂のビミッコではないか。
幸先良いなあ。 と、早速の目標発見で僕のテンションはいつもよりも高かった。
当然、後から来る助手に渡す分も忘れない。
だが、先に毒見をしてからあげよう。 助手の身体に何か起きてからでは大変だ。

僕は採集に夢中で、自分が呼び出した助手がこちらを見つけていたことに気付いていなかった。
ましてや、この超絶紳士な僕に悪態をついていることも、足音を消した状態で近づいているとは思わなかった。

「助手まだかな~? そろそろこっちに来ても良い頃だと思うんだけど。」

ノア > 意外にも主は、 特に制限をかける事もなく。女は違和感を感じつつも元と変わらぬ生活を送り、 こうして呼び出された時にだけ其れに応じるという.. 何とも不思議な主従関係だった。其れは主の気まぐれな気質と、 何より女の出来損ない具合が原因か。

( 森の中歩いて、 何が楽しいの.. ? )

だからこそ、 女は心の中で悪態を吐き放題。本来あるべき態度に比べ随分と生意気に振る舞っていた。人の世に紛れ教師をしているとは聞かされていたが、 本日の目的はろくに聞かされていない。木々に隠れながら見ていても、 貴方が意気揚々としているのがわかり.. 其の姿を暫し眺め ──

「 お 待 た せ、 せ ん せ。」

充分に近付いてから、 割りと大きめの声量で声を掛けた。 勿論.. 驚かせるつもりで。

ウィルバー > 「うわぁ!」
突然の奇襲に僕は驚き、その場で腰を抜かす。 ああ、尻が痛い。

「助手~~~~、先生を待たせた上に驚かすとは随分な態度を取るじゃないか~~~。」
痛めた尻を摩りながら立ち上がる。 まじで尻が痛い。

「今日はね、学院に書いてある食べ物に関する図鑑を持ってきたのだけど、それの記述が正しいかどうかを確かめるよ。
趣味でやってるから、ノルマとかはないんだけどね。 ちなみに、なんでこんなことをするかと言うと、結構書いてる内容が間違ってる時もあるんだよね。
更になんでかと言うと、恐らく口伝いできいた人があやふやな知識で書いちゃったとかもあるんだろうね。」
ローブに身を包んだ助手のボディラインに思わずスケベ心を抱きながらも、本日の目的などを説明する。
僕が全て理解しないと動きにくい性質なので、どうしても説明は長くなってしまう。

「と言うことで、まずはこのビミッコの実を実食します。 助手は勤務態度が悪いので、先に僕が食べますね。」
本当は毒見の意味があるのだが、そこは意地悪して言わない。
と、イチゴのような形の実をそのまま口に入れる。 図鑑に載ってた食べ方だ。

ノア > 「 大丈夫ですか、 せんせ。」

何とも白々しい言葉を掛けながら、 ふわりと柔らかな笑みを作って見せた。本当に、 出来損ないの眷属。待たせた件に関しても "集合場所が悪い" などと言い訳をしたり.. 吸血鬼の眷属としても、 教師の助手としても、 其の勤務態度は最低ランクで。続いて まるで講義さながらな説明が始まると.. じとりと目を細め、 あからさまに退屈そうな顔を。

「 .................. 」

やたらと長く丁寧な説明をする様子は、 まさに教師そのもの。こうして見れば普段の貴方は人間と変わらなくて、 あの日の出来事が夢だったのではないかと感じてしまう程。

「 それ、 ほんとに食べれるの.. ? 」

今此処で採取したと思われる果実の安全性を、 不安げに眉を潜め問うも.. お預けを喰らってしまえば途端に、 物凄く美味しそうに見えてしまう。手に入らないと思うと余計に欲しくなってしまうのは、 人間も吸血鬼も変わらない。

ウィルバー > 「大丈夫なわけないでしょ、てか分かっててやったよね?」
態度の悪い助手だが、柔らかい笑顔を見せられると、涙目で抗議するしかできなくなる。
と言うか、こんな若くて綺麗な子にせんせ、と呼ばれるのは凄くイイ。
…まあ、聴講態度もある意味凄いが。

「まあ、ひとっつも聴いて無さそうだし、分からないことがあったら都度聴いて。 
2度目3度目でも教えてあげるよ。」
僕が受け持つ生徒にいつもしていることだ。 皆、いざその場にならないと頭に入らない。

「実を言うと、それがまだわからないんだよね。 だから僕が先に食べるんだけど。 助手がもう少し適応してちゃんと吸血鬼になってくれてたらこんな心配しなくて済むんだけど。」
ちょっとだけ、愚痴を零しながら実にかぶりつく。 

「~~~~~~~~~~~!!!っっっ。」
不老のはずの僕ですら、皺くちゃの老人になってしまうかと思うばかりの酸っぱさ。 口の中に広がる酸味の世界と戦いながら、慌てて本の内容を確かめる。
ほらな、そんな記述ないじゃないか。

なんとか果物一つを飲み込んでから、助手に一つ差し出した。
「どうやら、毒性はなさそうだしとってもおいしいよ。 君も食べてごらん。」

ノア > 「 そんな訳.. あります、 せんせ。」

あざとく語尾に先生と付け足せば、 何とかなると思っている。聴講態度も.. 流石の生意気さ。わからない事があれば其の都度質問するように と、 何とも教師らしい口調で話す貴方は..... 出逢った日、 優しく手を差し伸べてくれた第一印象のままで。しかし.. 首筋に残る吸血痕も痛みもまた、 現実。どの貴方を基準に振る舞えば良いものか、 表面上 平静を装った女は戸惑ってもいた。

「 毒味..... って、 こと.. ? 」

やっぱり、 今の貴方は優しい。柔らかな一面を見せられれば見せられる程、 戸惑いも増してしまう。さらっと意地の悪い愚痴を付け足されては「 あたしは人間です、 せんせ。」なんて、 淡々と返しつつ..

( 絶対食べちゃ駄目なヤツだ.. )

果実を口に含んだ貴方の表情を、 女は見逃さなかった。一つを差し出されても、 当然

「 嫌、 いらないっ 」

町娘なんかよりは幾らか機敏な反応と身のこなしで、 ひらりと後退し其れを拒否した。

ウィルバー > 「すげーな。 それ言っちゃう? 普通、そこは思ってても口にしないもんだよね?」
顎はずれそうな気がした。 いやあ、助手と教師の会話とは思えないわ。 部下を持つってこんなに大変なのか。
世の管理職の方はお疲れ様です。 など、頭の中でいろんな考えが浮かんでくる。

「一応ね。 早く助手も不老不死になろうね。」
まるで早く合格点取ろうね、位の軽いノリで口にする。
「そうは言うけど、人間と魔族って明確な違いあるの?」
助手の返しには、ちょっと真面目に質問した。 僕の中では魔族も人間もミレーも大した違いはないと思っている。

「くそ、見てたなコイツ。」
後ろに飛び去る助手に悪態をつくと、仕方がないので実は足元に置いた。
そして、持ってきた図鑑に追記する。(生で食べると大変すっぱいので、注意すること。)

「ところでさ。 ちょっと聞きたいんだけど、助手って普段は何してるの?」
この機会だ。 彼女の事を色々聴いておこうと思う。 その方が互いに何かあってもフォローできるかも知れないし、出来る範囲でなら協力してあげたい。

ノア > 「 正直者なの。」

良い風に、 長所だと言い切ってみせた。続く "不老不死のすすめ" には、 喰い気味に「 結構です。」と返し.. やっぱり警戒を怠ってはいけない相手だと、 再認識したり。

「 あまり詳しくないけど.. 寿命の差。」

質問には 貴方の不老不死発言を逆手に取って、 ふんと得意気に答えた。ちょっぴり.. 助手、 ドヤ顔。果実を足下に置くのを確認してから、 そろりそろりと歩み寄り.. 何か書き足している様子を、 ちらり横目に覗き込む。専門的な知識を有する訳でもない、 冒険者のように護衛が出来る訳でもない。特に役立ちそうもない女は、 何となく貴方の傍に居ることしか出来ずに。其の間、 色んな事を考えていた..

( 普段はこんな風に、 普通の教師 してるのかな.. 急に血が欲しくなったりしないのかな..... そうなったら、 どうしてるんだろ... )

普段の貴方について、 ぼんやり考えていると ── 其の心を読まれたかのように、 不意な質問投げ掛けられて

「 ...............ぇ、 」

思わず小さな声を漏らしただけで、 黙り込んでしまった。本当の事を言ってこれ以上弱みを握られる事を危惧するも、 そもそも貴方が法的な罪を罪と思うかどうかもよくわからないけれど.. 何にせよ、 沈黙は長い程 状況を悪くする。そして女はぽつりと答えた。安全な道を選んで。

「 便利屋、 してる.. 」

ウィルバー > 「いや、それは正直者って言っていいのかな? どちらかと言うと口が悪いだけじゃない?」
得意そうに言っちゃう助手に面食らう。 やべえ、綺麗な薔薇にはトゲがあるって言うが、今まさにチクチク刺さっていた。

「あ~、それは確かに。 でもそれって大型の動物と小型の動物との違いくらいじゃない? 僕からしたら大した違いに思えないんだよね。」
ドヤ顔の助手に首を縦に振っていた。 なんだ、この助手賢いぞ。 これは面白くなりそうだ。

図鑑に追記している間、横から視線を感じた。 また悪戯でもするのかと思ったがどうやらそういうわけではなかったようだ。
ちなみに、助手がこの間に何を考えていたのはよく分かっていない。 この時はまだ口の中に残る酸っぱい味で感覚が支配されていた。

突然訪れる沈黙。 どうやら答えたくない内容のようだ。 別に今更何を言われてもこちらが何かをするつもりはなかったのだが、流石に昨日の今日では信用されていないだろう。

「便利屋ねえ…。 もう少し具体的に教えてくれる? 言える範囲で良いんだけど。」
便利屋、万屋、何でも屋、冒険者、これらは僕の中では同じ意味で考えている。

どれも具体的になんの仕事をしているかまるでわからないからだ。 この類の職業を名乗る人は場合によっては戦争にすら参加したりしている。

ノア > 「 せんせ.. ひどい。」

口が悪いと言われてしまえば態とらしく傷付いたフリをしてみたり、 かと思えば首を縦に振らせた事で 僅かに口角引き上げたり.. 其の表情はころころと、 貴方に色んな一面を見せた。けれど.. 素性の話になると途端に歯切れが悪くなり、 数秒前まで自分を正直者だと言っていた其の口は、 盗賊だと話す気はないようで..

「 荒事とか力仕事はしない。例えば.. 絵画のモデル、 浮気調査、 見栄っ張りな貴族の依頼で舞踏会の相手役を演じたり、 取り巻きの一人を演じたり。時には使用人にも頼みづらい大人の玩具なんかを買い出したり、 まぁ.. 色々。」

今まで受けた依頼を幾つか並べ、 どういった依頼を受ける便利屋なのかと説明をした。これだけ例を出せば.. もう素性について質問はないだろうと、 期待も込めて。

ウィルバー > 「酷いのは君のこの口の方だとおもうけどな~~~。」
遊ばれっぱなしもシャクなので、助手の頬をつねってひっぱろうとする。
勿論、痛く等ならない程度にしかしないし、避けられたらそれまでだ。

助手とのやりとりは酷く楽しい。 強引にでも眷属化させた甲斐があった。
だが、身の上話は助手にとっては楽しくないようだ。

「結構色んな仕事をするんだね。 これ以上は聴かないけど、不死になるまでは危ないことはしないでよ?
と言うか、危なくなりそうな真っ先に逃げてね。 君の身体は君だけの物じゃないんだから。」
話したくない話を随分とさせたので、今度はこちらの話をしようと思う。

「じゃあ、今度は僕の話を始めるね。 僕は結構仕事を転々としてたんだけど、今は王立コクマー・ラジエル学院で教師をしています。
あと、公務員なのでお城に魔法関係のことで呼ばれたりもしています。 で、ちょっと前までは学院内の独身寮で暮らしてたんだけど、
寮に女の人を連れ込むと問題になるので、最近家を買いました。 君の部屋も用意してるから、好きな時に使ってくれていいよ。
どう? 僕の事少しは分かった? 聴きたいこととかあったら聴いてくれていいよ。」

ノア > 明らかに不味そうな果実には、 前以て身構えていた為 回避も出来たけれど.. 貴方の言葉を逆手に取り納得させた事で、 得意気にドヤ顔を浮かべていた女は..... 頬へ伸びる手への対処が遅れ、 むにぃ と案外容易く頬を摘ままれてしまった。警戒を怠らなければ身軽で俊敏な女だけれど、 精神面において隙が多い。恐らく其れは、 出逢った日に貴方も気付いている事だろう..

「 .....っ、 ん.. ぃひゃ、 い.. たいば つ。」

痛い、 体罰.. そう言ったつもり。指が離れれば、 不満げに開放された頬を擦る。けれど本当は、 大して痛くもない.. 更には、 女の身を心配してくれる。今日はやっぱり、 あの日のように優しかった。そして今度は、 貴方の話 ── 先程の聴講態度とはうって変わり、 今度はしっかりと耳を傾け

「 ...............はい、 」

挙手。そして、

「 普段はこんな風に、 普通の教師してるの ? 急に血が欲しくなったりしないの ? もしそうなったら.. どうしてるの ? 」

ここぞとばかりに、 つい先程考えていた事を質問し。答えも待てず、 更に浮かんだ質問を続けた。

「 眷属だとか言ってた癖に、 拉致するでもなく家まで送ったり.. 放っとく気かと思ったら、 こんな風に呼び出したり..... 部屋まで、 用意したり... あたしを、 どうしたいの.. ? 」

あの日依頼、 誰にも逢っていない。知人にも友人にも、 大切な人にも。自分の置かれている状況がわからないから、 どう生きてゆけば良いのかもわからずに..... 平静を装ってみたり生意気な態度を取ってみたりと、 虚勢を張ってはいるものの.. 実際には、 眠れぬ夜が続いていた。