2017/05/06 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にシズクさんが現れました。
シズク > ギルドに登録している「冒険者」であるから、学生という本業とは別に本日は副業である。
ギルドの依頼を受けて、他の冒険者たちと共に、早朝に王都を出て数刻。
街道を進み、昼過ぎには目的地付近まで来たものの、依頼である「ゴブリン退治」は予想以上に困難を極めていた。

「………これってヤバくない?」

野良PTを組んでいたほかの冒険者たちと共に、街道を外れ、木々の生い茂る森林地帯へと足を踏み入れ。
さあ、ゴブリン退治、と意気込んだのもつかの間、気付けば己一人で進んでいるではないか。
引き返せば、おそらく街道は遠くはない、はず。
だが、そもそも戻る道すらわからない。
ゴブリン退治以前に、まさかの迷子状態、ギルドの依頼は困難を極めていた…。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にグスタフさんが現れました。
グスタフ > 久しぶりにギルドに顔を出せば、まさかのゴブリン退治である。
名声を得るだとかそういうのは無縁に、人々の困りごとを解決するために彼等騎士は駆り出される。
つまりはやる気がないのである。

冒険者の一団に同行しながら、こっそりと輪から抜けて観察していると。
同じく輪から外れた少女がいた。彼女のつぶやきに同意する。
ヤバいな。ぽんこつだ。

先を探ってみると、ゴブリンの一段と真っ先に接触しそうなのは彼女だ。
仕方がないと声を掛ける。彼女の影から足音も立てずに現れて。

「止まれ。この先にゴブリン集団がいる」

短く告げると、彼女の身体を軽く掴んだ。

シズク > まだ陽は高いし、木漏れ日もあるから、視界はいい。
足元にはシダ植物は生えてはいるが、歩みを妨げるほどでもないとはいえ、とりあえず足を止めて腕を組む。
迷子、という言葉が一瞬過るが、いやいや、と首を振ると、ポニテの毛先がそれに合わせて左右に揺れて。

「いや、正義の味方には苦難は付き物。勇者様も最初はレベル1だし。まぁ、しょうがな………ほわああっ?!」

なんだかんだと一人で現状を納得させていたところで、不意に何かが身体に触れた感触。
アホな悲鳴を上げると、反射的にナックルを装備した右拳のストレートが振り向きざまに炸裂!
…するかもしれないような反応を見せて。

グスタフ > 右ストレート。思ったよりも綺麗なフォーム。
見惚れながら、その拳を掴むと。

「止・ま・れ。声を上げるな、唇塞いじまうぞ」

至近距離で、冗談とも本気ともつかない声音で。
面倒くさくなって組み伏せにかかる。

「いいか、もうすぐそこに敵がいる。避けるか奇襲するか、だ」

素早く言って、騎士章を見せる。

「どうする?」

シズク > 「ほわっ?!…っ、ぁっ、痛っ…」

またアホな声を上げてしまったのは、反射的とはいえ、なかなかどうして、日々の鍛練で培った右ストレートが、
思わぬところで防がれたためで、目を大きく見開いてぱちくり。
その不意を突かれる恰好で、地面に突っ伏すみたいに伏せてしまうと、その衝撃に声が上がる。
漸く相手が人間で、そして己が置かれている現状を理解したのか、慌てたように口を噤んでこくこく頷く。

視界に入った証を見れば、あぁ、と短く呼気を吐くように返事をしては、

「…あのぅ、とりあえず、私が後衛でよければ」

相手の言葉に、後者を選択したものの、限りなく後ろ向きな選択で。
自分の能力を至極適正に評価した結果、小さく声を潜めて答える。

グスタフ > 頷く。手信号はわかりそうもなかったのでジェスチャアで示して。
奇襲をかけるために敵の一団に近付いた。

俺が合図をするまで待機と言って、敵の一団が見下ろせる場所から
独り迂回して駆け下り。ゴブリンの一団に奇襲をかけた。
鈍器による有無を言わさぬ襲撃。4匹仕留めたところで敵が散開。
一匹が少女のほうへ駆けあがっていくのが見えた。

迷って、声を張る。

「一匹そっちへ行った! 仕留めろ」

シズク > こくこく、と思わぬ急展開になっていることに緊張もあって、必死に頷き返し。
果たして理解しているのかどうか、こそーっと突っ伏した身体をのそり上体を起こし、半ば正座でもするみたいな恰好で、
先に身体を上げた相手を視線が追う。
とりあえず、己の役目は後衛ということで決定らしいが、自分からその任を申し出たものの、
何をすべきか解っていないようで、とりあえずダガーを手にした。
その時。

「へっ?!」

不意に響く声に飛び上がるように立ち上がると、

「うええええええっ!?気持ち悪いっ!!!!」

小太りで小さくて、異様に膨れ上がった腹。そして何とも言えぬ腐臭を漂わせた魔物がこちらへ駆けてくる。
思わず素直な感想を口にしたところで、それが気に障った…わけでもないだろうが、
声に反応した1匹のゴブリンが、奇声を上げて襲い掛かってくるから、最早悲鳴を上げる余裕もない。
ゴブリンがその体躯とは裏腹に機敏に飛びかかってきたのとほぼ同時、
逆手にダガーを持ち替え、聞き足を一歩前に踏み出すと、ダガーを下から上へと袈裟切りに切り上げた。
肉を断つ感触が伝わると同時に足元に転がるゴブリン。

「いやぁあああっ、ダガーに付いたっ!!気持ち悪いってばぁあああっ!」

悲鳴を上げてダガーに付着した体液をぶんぶんと腕を振って振り払う。
最初の緊張はどこへやら、相手が戦っているかもしれないというのに、自分のことで手一杯な状態に。

グスタフ > 少女の様子を見て安心して、残党を処理し終わってから戻る。
騒いでる彼女の頭にポンと手を置いて。

「ほい、終わり。とりあえずこんだけ退治しておけば一人分としては充分だろ」

ゴブリンから切り取った耳を収穫として彼女に押し付けた。
ギルドの報告に必要なことを彼女が覚えているかどうかわからなかったが。

「落ち着け落ち着け、さて、宿はとってあるか? 帰ろう」

シズク > ダガーを振って、その刃に付いた体液を払うも、粘度が高いのか上手く取れず、うぬーっ、とムキになって振っている。
そうしていれば、戻ってきた相手を見て、あ、という顔をすると、
そこで漸く手を止めては、汚れは若干気になるものの、鞘へと仕舞い込む。

「お疲れ様でした!お強いんですねえ、ギルドの依頼、無事に成功ってやつですね!
………あ、いえ、これは、い、い、いらないので、ええと、ハイ、大丈夫です、私の成果じゃなくて!」

やったねー、と笑顔を浮かべて、相手に怪我がないことを確認したものの、
押し付けられるソレ。無理っ!とばかりに首を振り、ついでに両手も左右に振って。
報酬目的じゃないしっ!と嘘か真か、ゴブリンのソレを持って街に戻るのは避けたいようで。

「宿は取ってないです!王都に返れば寮なので!今から鍛錬もかねて走って帰れば、夜ご飯には間に合いますね!」

きらっと爽やかな笑顔で、とんでもないことを言いだす始末。
先ほどまで迷子できょろきょろしていた人間とは思えぬ様子で、さあ、いきましょー!などと促して。

グスタフ > 「いや、落ち着け。で……今から戻るのか、王都まで」

どうどう、と手で制して考える。

「街道を使えば戻れるかもしれないが。ゴブリンの集団とぶつかるぞ?
 そいつらまで退治するつもりなら、まあ夕飯はゴブリン焼きだろうな」

ゴブリンの耳を見せながら。

「近くに集落がある、今日はそこで一泊だ。
 動き足りないなら、丁度いい。一緒に泊まるか」

シズク > 「戻るなら走りますけどっ!」

元気が有り余っているようで、ぐっと拳を握って答える。制す手なんてまるで気にしていないようで。

「うえ…またゴブリン?………いや、いいです、きもちわる…」

おえ、とげんなりした顔をして首を振り、また目の前で揺れるソレからすすすっと視線を外す。
耳からでも、腐臭たるや鼻を突くし、先ほど己が袈裟切りに倒した個体は、ヒトとは違うのだろう、腐敗が進みつつあり、
余りここに留まっていたいとは思えない状況になりつつあった。
故に、相手の言葉にうなずくと、

「じゃあ、ええと、宿代はおごりでっ!ゴハンもお願いしまーす」

ちゃっかり、かつサラッとそんなことを口にしては、いこー、と掛け声を上げて。
とりあえず足を踏み出したが、そちらの道が正しいかは謎。

グスタフ > 「ああ…仕方ないな。代わりに、コイツ付けとけ」

カチッと彼女の首に首輪をつけた。リード付きの。
にやりと口の端を歪めて。

「どこに行くかわからんからな。それしとけ。宿はあっちだよ」

指差しながら、彼女を先に行かせてみた。

シズク > 「へ?」

目の前に見えた首輪。思わずぽかーん。

「ちょっ、な、な、なんでーっ?!てか、何でこんなの持ってるんですか!ゴブリンペット化するつもりで?!」

寸でのところで首輪が装着されるのを、身を翻して防いだものの、そういう趣味がっ!?などと思い切り誤解しつつ。

「…あ、いえ、どういう趣味でも自由ですしね、ええ。…あっ、はいっ、あっちですね、了解っ!」

うむ、とちょっと偉そうに腕を組んで、オトナのシュミに理解を示してみせた。
そのあとで、はーい、などと軽い口調で答えては、あっちねー、と頷いてサクサク歩いていく。
多分、首輪が無くても大丈夫、そんな感じの、自信だけはたっぷりある足取りにて進んでいけば、宿が見えてくる
………はずの昼下がりであった。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からグスタフさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からシズクさんが去りました。