2017/04/30 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 古代遺跡」にティエンファさんが現れました。
■ティエンファ > 「いょっとぉ!」
殴打。 髭面の盗賊が悲鳴も上げずに膝をつく。 追撃せずともわかる昏倒の手応え。
敵が地に伏すのを待たずに、少年は身を翻して瓦礫に手をかけて向こうに跳びいる。
少年が居た場所を射貫き、木々に突き立つ矢。 賊の仲間が他にいる。
「えーっと、ひのふのみ… あと4人位かぁ?
もうちょいってとこ、だなっ!」
夜の遺跡を駆けながら呟き、地面を蹴り、瓦礫に巻き付く木の幹を足場にその上に駆け上る。
昔は石造りの二階建てだったのだろうその建物は、既に三方崩れ一方の壁しかない。
窓も朽ちた二階の穴からこっそりと下を覗く少年。
篝火がゆっくりとこちらに近づいて来るのが見える。
■ティエンファ > 戦闘で僅かに上がった息をゆっくりと鎮めていく。 夜風が額の汗を覚ましてくれる。
少年を警戒しているのか、盗賊の掲げる松明の炎は中々近づいてこない。
その間に少年は呼吸を整え、思考を巡らせる。
「あいつらはここらを根城にしてるはずだし、隠れ続けてらんねえか…
一撃強襲、弓を持つ奴を先に潰せば楽になる …松明持ちは前衛か?
…弓を倒すか、松明を襲って消すか 松明を消せば弓は使えないけど、
失敗したら前衛と中衛一遍に相手しないと…はて、さて」
もう一度、そっと覗く夜闇の遺跡。
月明かりは清かで、夜目の利く少年には十分に明るい。
■ティエンファ > …決めた。
「行くか」
松明を持つ盗賊の上、建物から木に軽業の様に飛び移る。
春先の古木は青々とした葉を茂らせていて、瓦礫よりもよっぽど身を隠しやすい。
抜き足差し足、太い木の枝を渡り、松明を掲げた男達の上を通り抜ける。
途中、盗賊の一人が顔を上げて、すわ見つかったかと冷や汗を流す場面もあったが、
何とも巧い具合に男たちは下を通り過ぎる…遅れて弓手が二人、下を通り…
「ッ!」
飛び降りる。
■ティエンファ > 飛び降りた足の下には、弓手の片割れ。 落下の勢いと蹴りの威力を乗せて踏み倒す。
ごき、とどこかの骨を踏み折る感触があるが、むしろそれを踏み抜くようにしっかりと着地する少年。
突然現れた襲撃者に、もう一人の弓手は良く反応した。
近距離に向かない短弓を捨て、ショートソードを抜き様に切りかかって来た。
しかし、得手とはしていないのだろう、少年の目には、遅い。
「刃が立ってないぜぇ、それじゃあ薪も割れねえや」
くるりと後ろで回した六尺棒を、勢いつけて突き出す。
ショートソードが届く寸前の間合い、少年の一撃が先に盗賊の喉を打ち通す。
かひゅ、と息が歪む音と共に、盗賊が崩れ落ちた。
蛮刀を握った松明役の前衛が振り返って構えた視界に、
「よう、良い夜で」
倒れ伏した盗賊の前に、にやりと笑う異国の少年の姿。
その姿はすぐに、男たちの眼前に迫る。
■ティエンファ > …三分と持たず、残りの二人も意識を手放すことになった。
頬に走った刀傷だけが、今回の戦闘の手傷であった。
親指でグイッとその傷を拭った少年は、やっと息を吐く。
「冒険者を襲う盗賊パーティ壊滅依頼、完了っと
…死んでないよな? うん、大丈夫だろ 死んでたら報酬減るからな」
そんな事を言いながら、一旦、さっき倒した盗賊もこっちに引きずって移動する。
身体に巻いておいた革紐を解き、昏倒している盗賊達の親指を後ろできつく縛る。
縛ったそれに縄を通し、他の盗賊の脚を縛る。
これで、手は使えず、起き上がれもしない盗賊数珠繋ぎが出来上がった。
「うまく出来た」
なんか凄い達成感、良い汗をかいた、と言う様にその数珠つなぎの盗賊の一団を眺めて頷く。
落ちた松明を瓦礫の壁にさして灯りを取り、瓦礫に腰を下ろして水袋に口をつける。
■ティエンファ > 「あとは、夜が明けてから、迎えの騎士団に合図を出して回収して貰えば終了、と
夜明かしする事になるから、寝るのは明日の昼かなあ
ふぁ、あ…ひとっ風呂浴びてベッドで寝たいところだが、我慢我慢」
こいつらなんか持ってないかな、と遠慮無く盗賊達の懐を漁り、ナイフや携帯食料を奪う。
接収は勝者の権利だな、なんて物騒な鼻歌を交えて武器を徴収し、盗賊達から遠くに置く。
「ちょいと金子も持ってたし、まあ、悪くない成果だな」
■ティエンファ > 盗賊から奪った携帯食料を千切って、盗賊の一人の口に放り込む。
しばらく様子を見ても顔色が変わらないので、自分もそれを口に運ぶ。
あまり旨くないのか、ちょっと顔をしかめる。
「人襲って大金手に入れてるんだったら、もっと良いもん食えよなあ
いや、そう言う問題じゃあないか…いやしかし、こんなもんしか食えないなら、
真面目に働いた方が稼げるんじゃねえか…?」
世の不条理と無駄に眉を寄せて悩みつつ、もそもそと食料を食べ、水で流し込む。
一先ず膨れた腹を撫でながら、棒を肩に立てかけて、瓦礫に腰掛ける。
■ティエンファ > 「ま、荒事に手を染めてる俺が言う事じゃあないか」
膝に頬杖ついて、朝までのんびりと盗賊の番をしていたのだった。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 古代遺跡」からティエンファさんが去りました。